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アヴァロン〜世界を賭けた神々の戦い〜  作者: 大猩猩和
第三章 オアシス国家『ワカティナ』防衛作戦

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黒滅龍レイルアルマが親になったわけ六

 黒滅龍レイルアルマは新しく出来た妹ベルヘイムとしばらくの間はお互いの仲を更に深めるために色々と遊んでいた。


 ベルヘイムは好奇心旺盛で元気いっぱいな子であるため、結界の外の様子が気になり、何度も黒滅龍レイルアルマが展開している結界の外に出ようとした。


 その度に黒滅龍レイルアルマは大慌てでベルヘイムのことを結界の中心の方へ連れていき、彼女が結界の外に出ないように遊び相手をし始めたのだった。


 しかし、黒滅龍レイルアルマは今まで一度も子供と遊んだ経験がなかったため、自分はちゃんとベルヘイムの遊び相手を出来ているのか不安であった。


 ちなみに、ベルヘイムは大好きな黒滅龍レイルアルマが自分の相手をしてくれているだけで満足しており、黒滅龍レイルアルマはベルヘイムの遊び相手としての責務を充分にこなしている。


 これは生まれたばかりで純粋なベルヘイムの表情や様子から容易に分かることなのだが、心配性の黒滅龍レイルアルマはベルヘイムは頭の良い子であり、自分に気を使って楽しそうに見せているのではないかと考え始めた。


 いつもの悪い癖により、ベルヘイムの遊び相手をしっかり務まっているのかと黒滅龍レイルアルマが心配していると、


ベ「ねえねえ、レイルアルマお姉ちゃん?あそこにいる私たちのことを眺めてるのって誰なの?」


 ベルヘイムは不思議そうな表情と声色で首を傾げながら、黒滅龍レイルアルマの真後ろの方へ指を指した。


 黒滅龍レイルアルマはベルヘイムが生まれた時に大量に放たれた生命エネルギーと自然魔力(マナ)により生まれた生き物が近づいて来たのだろうと思いながら振り向いた。


 だが、黒滅龍レイルアルマの予想とは違い、彼女の後方に立っていたのは新しく生まれた生き物たちではなく、ベルヘイムのことを狙っていた怪しい服装の集団と同じ黒い外套に身を包んだ者たちであった。


 彼らが着ている黒い外套には超高度な隠蔽の術式が刻まれており、ベルヘイムに意識を割きすぎていた黒滅龍レイルアルマに自分の存在を気付かせなかった。


 黒滅龍レイルアルマはベルヘイムのお陰ですぐに彼らの存在に気付いたのだが、


レ「ああ、あれはこの樹海に住まう生き物たちですよ。私たちが放つ魔力が気になって様子を見に来たのでしょうね」


 黒滅龍レイルアルマはわざと怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちに気付いていないフリをし、ベルヘイムの指指す方向にいた生き物たちのことについて話した。


 これはわざと気づかないフリをして、怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちの油断を誘い、彼らが油断した隙に一気に殲滅か撤退をする予定だ。


 この場合、まだ生まれたばかりのベルヘイムに敵を無惨に殺す様子を見せることは教育上問題があると考えた黒滅龍レイルアルマは撤退を優先することにした。


 そうして、黒滅龍レイルアルマが怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちに気づいてないフリをすると、怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちは黒滅龍レイルアルマの演技にまんまと騙され、彼らは安堵のため息を漏らしていた。


 この黒滅龍レイルアルマの演技のせいでベルヘイムは怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちのことを樹海に住まう生き物と勘違いしてしまった。


 好奇心旺盛なベルヘイムは感じたことのない魔力を放つ怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちに興味が湧いた。


 そして、ベルヘイムはまだ幼いこともあり、自分の好奇心に逆らうことなど出来るはずもなく、目を輝かせながら怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちの方へ走り出そうとした。


 その瞬間、怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちは浮ついていた空気から一変し、臨戦態勢に移行した。


 怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちが臨戦態勢に移行したことにより、いきなり怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちの方へ走り出そうとしたベルヘイムのことを黒滅龍レイルアルマは大慌てで止めた。


 黒滅龍レイルアルマに怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちの元へ行くことを止められてしまったベルヘイムは不機嫌そうに黒滅龍レイルアルマの顔で見つめた。


 そんなベルヘイムに黒滅龍レイルアルマは怒るのではなく、優しさと心配が含まれた笑みを浮かべながらこう言った。


レ「ベルヘイム、貴女はまだ生まれたばかりなのです。なので、鱗もまだ柔らかく、力加減なども出来ないでしょう?そんな状態で森の動物たちと触れ合ってしまった場合、貴女は相手の動物を傷つけてしまったり、自分が大きな怪我をしてしまうでしょう。貴女も嫌でしょう?自分のせいで相手が傷ついたり、相手に傷つけられたりするのは」


 黒滅龍レイルアルマがベルヘイムにそう言うと、ベルヘイムはしゅんとした顔で首を縦に振った。


 そして、ベルヘイムは黒滅龍レイルアルマに説得され、怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちの方へ行かずにその場に大人しく座った。


 悲しそうな表情で下を向いているベルヘイムに黒滅龍レイルアルマは罪悪感を感じたが、ベルヘイムのためを思うと必要なことだと割り切った。


 ベルヘイムも黒滅龍レイルアルマが自分のために注意してくれたと分かっているため、凄く反省しているようであった。


 この二人のやり取りを見ていた怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちは自分たちの存在は気付かれていないと判断し、無駄に殺気だっていては逆に気付かれてしまうと踏んだのか、再び気を抜いてしまった。


 その瞬間、黒滅龍レイルアルマはその場に座って反省しているベルヘイムのことを口で掴み、目にも留まらぬ速さで結界の中から飛び立った。


 そうして、黒滅龍レイルアルマは怪しげな黒い外套で身を包んだ者たちからベルヘイムを連れて逃げることが出来たのだった。


 





 


 

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