古代遺跡の合同調査五
虚飾は創とガーゴイルのような像から少し離れた場所で二人の会話を聞いていた。
虚飾がガーゴイルのような像と創のやり取りを見ていると、レーナが心配そうな顔をして、虚飾に問いかけた。
レーナ「本当に創さんは大丈夫なんでしょうか?もし、創さんの身に何かあったらと考えると、心配で仕方ありません。」
虚「きっと、大丈夫ですよ。この中で一番強いのは隊長ですし、もし、隊長の身に危険があれば、私がこの命に変えてでも隊長のことを助けますので。レーナさんは安心して、隊長のことを見守ってあげて下さい。」
レーナ「分かりました。もし、創さんの身に何かあった時はよろしくお願いしますね。」
虚「はい、任せて下さい。」
そうやって虚飾とレーナが話していると、ガーゴイルのような像が創に試練の内容を話しだした。
ガ『お前には追憶の試練を行ってもらう。さあ、自分の過去に向き合え。』
虚飾はガーゴイルのような像が創に言うと同時に、創に向かって目にも留まらぬ速さで接近した。
そして虚飾は創を魔法陣の上から押し出そうとするが、
虚「くっ!!結界か!!」
創が立っている魔法陣の周りには強力な結界が展開されており、創に接触することが出来ない。
虚飾は剣を召喚し、創をとり囲っている結界に向けて、全力で剣を振った。
『カキィィィィイイイインンンンンン!!!!!!!!』
虚飾が全力で振るった剣は甲高い音と共に弾き飛ばされてしまった。
そして、虚飾が結界に弾き飛ばされているうちに、魔法陣から創に魔法が放たれてしまった。
虚「これは大分、不味いことになったな...........。」
そうして、創に向けて魔法を放たれてからしばらくした時、創はいきなりその場に倒れ込んで、苦しそうに頭を押さえながら悶えだした。
創「ああああ..........ああああああ..........あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
創は絶望に顔を染め、その場で悶えながら発狂した。
アン「創くん!!!」
アンは悶え苦しむ創に近寄ろうとしたが、
虚「ダメだ!!今の隊長に近づいてはいけない!!」
アンは虚飾に止められてしまった。
アン「だけど!!創くんが!!!」
虚「今の隊長は暴走しかけていて危険だ!!俺がなんとかするから、アンさんはここで待っていてくれっ!!!レーナさん!!アンさんを抑えていてくれ!!!」
レーナ「はい!!分かりました!!」
そう言って、レーナは創のもとに向かおうとするアンを抑えた。
アン「レーナ!!離してよ!!創くんが!!創くんが...........創くんじゃなくなっちゃう..........。」
レーナ「アン..........貴女も知っているのですね..........アンの気持ち、痛いほど分かります。創さんが違う誰かになるような気がして怖いですよね..........私も凄く怖いです。ですが、今の私達では、創さんのことをどうすることも出来ません。だから、虚飾に任せましょう。虚飾はああ見えて、創さんのことをよく理解していますし、創さんの過去も知っています。虚飾なら、きっと、創さんのことをどうにかしてくれます。だから私達はここで見守っていましょう..........それが私たちに出来る、唯一のことですから...........。」
レーナはそう言いながら、アンをギュッと抱きしめた。
アンはレーナにギュッと抱きしめられて、レーナが震えていることが分かった。
そして、アンの肩に一粒の滴が落ちてきた。
アンはそれが、レーナの涙であると、すぐに分かった。
アン「レーナ...........。」
レーナは表面では落ちつているように装っていたが、本当は創のことが心配で今すぐにでも助けたいと思っていた。
だが、レーナには、創を助けられるほどの力がなく、創のことを助けられない悔しさと創のことが心配で我慢が出来ず、涙を溢してしまった。
アンはレーナの涙が肩に落ちてきた後、暴れるのをやめた。
それは、レーナも自分と同じ気持ちであるのに関わらず、それを必死に我慢して耐えているからだ。
ここで、自分が無理矢理、創のことを助けに行こうとすると、それは、レーナの気持ちを踏みにじることになる。
だから、アンは創のことを、虚飾に任せることにしたのだった。
そして、レーナたちは虚飾が創のことを助けてくれるのを信じて、見守っていたのだった。




