愛に飢えている獣
アイ「そうだ!創くんに言おうと思ってたことあったんだ!」
創「ん?なんだ?」
アイ「真鈴が一緒にリヴァイアブル島に行きたかったって駄々こねてたよ?」
真鈴とは創とアイナの娘で如月家の長女である。
創「真鈴ちゃんが?俺のところにはそんな連絡きてないぞ?」
アイ「だって創くんと真鈴、この前喧嘩したから話しかけにくいんだよ。」
創と真鈴は一年前に大喧嘩をしてそこからは連絡は取っていなかった。
創「俺は別に気にしてないけどな。それで真鈴ちゃんからはどれくらいのペースで連絡きてるの?」
アイ「ほぼ毎日だよ。」
創「あいつ毎日連絡してんのか。それでどんな内容を話してるんだ?」
アイ「だいたいどうやったら創くんと仲直りできるかって話してるよ。真鈴は相当気にしてるからね。ずっと『パパにひどいこと言っちゃった。どうしよう』とか『パパにもう会えないのかな。またパパに会いたい』とかずっと言ってるよ。今度会いに行ってあげてよ。」
創「そんなに気にしてるのか。これは会いに行くしかないな。」
アイ「それで創くんはどうするの?」
創「まだ分からない。もう少し考えてからじゃないと決められないな。」
アイ「創くんは固すぎなんだよ。別におかしなことじゃないんだよ?」
創「別に普通のことだって俺も分かってる。だけどそれでもそうすんなり受け入れることができないんだ。」
アイ「創くんが真剣に悩んでいるからこれ以上は言わないけど真鈴に会いに行くまでにはしっかり返事を決めておくんだよ?」
創「ああ、わかってる。アイナは俺がどんな選択をしても許してくれるか?」
アイ「うーん、別にどんな解答をしようが受け入れるけど、真鈴に酷いことしたら流石に怒るよ?」
創「ああ、分かってる。俺も真鈴ちゃんに酷いことはなるべくしたくない。だからそこは安心してくれ。」
アイ「なら良いけど、真鈴はアイナと違って傷つきやすいから気をつけてね?」
創「それお前が言えるセリフか?ちょっと苛めただけですぐに自殺未遂を犯すような奴がよく言えるよな。」
アイ「最近はだいぶマシになったもん!それに最近は創くんに迷惑をかけないように頑張ってるんだから!」
創「そう言われてみるとアイナの発作ってだいぶマシになったよな。昔じゃすぐに他の子たちに嫉妬して暴れてたのに今じゃそんなことなくなったよな。どうしてだ?」
アイ「それはこの環境に慣れてきたのと子供がいるからかな?真鈴の前で恥ずかしいところ見せられないもん。弄られるから。」
創「それじゃあ俺がナンパするのも慣れてきたから許してくれるか?」
アイ「それは一生許さないよ?そんなことしたら創くんがナンパした女ごと切り刻んであげるから。けど安心してね?創くんはもう浮気できないようにするだけで許してあげるから。」
創「それはいったい何をするんですか?」
アイ「そんなに怖がることじゃないよ?ただ他の女が近づけない環境にするだけだから。」
創「もしかしてワイ、監禁されちゃう感じ?」
アイ「監禁なんて大袈裟だなー!ただ出られない部屋にずっといてもらうだけだよ?」
創「それ監禁じゃないっすか...........。」
アイ「それにね、アイナずっと昨日から怒ってることがあるんだよ?」
アイナはそう言うといきなり創の首を絞めた。
創の首を絞めいるアイナの顔は笑っているが完全に目が死んでいた。
ちなみに創は呼吸しなくても大丈夫なので首を絞められてもちょっと痛いくらいで死んだりはしない。
創「あ、あ、アイナさん!?いきなり首絞めるのやめてもらえます!?この力加減、僕じゃなきゃ死んでますよ!?」
アイ「アイナ知ってるんだよ?二人で一緒に買い物してた時、創くんがアイナ以外の女の子を目で追っていたよね?アイナがいるのにどうして他の女のことを見るの?別にこれは脅してるわけじゃないんだよ?ただ単純にどうして大好きな大好きなお嫁さんとのデートなのに他の女のこと見るのかなー?ってね。普通はそんなことしないと思うから単純に気になっただけだよ。単純にね?」
創(怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖すぎるぅぅぅぅううううううううううう!!!!!!!!!!!誰か助けてくれれれれぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!!!!!)
創はアイナがあまりにも怖かったため心の中で叫んだ。
アイ「創くん?どうしたの?アイナは質問してるんだよ?早く答えてよ!」
アイナは興奮してか、その言葉の語気を強め、そして創の首を絞める力をさらに強くした。
創「はひぃ!答えます!答えますのでどうか首から手を離してください!!!!」
アイ「ほんとに?首から手を離したら答えてくれる?」
創「はい!答えます!離してくれたらすぐに答えます!!!」
創がそう言うとアイナはゆっくりとその手の力を弱めていき、そして離した。
創「ゲホゲホ、はぁ、はぁ、はぁ、おい、アイナ!本気で俺を殺す気か!?!?」
アイ「なんで?別に殺す気なんてなかったよ?ただこれくらいしないと話してくれないかなー?と思ってしただけだよ?そんな創くんを殺す気なんてないよ?」
創「そうか、アイナは殺す気はなかったんだな?それなら怒ってしまってすまなかった。(嘘だ嘘だ嘘だ!!!あれ完全に俺を殺す気で首絞めただろ!!!!俺の首の骨バキバキ折っといて殺す気はない!?!?そんなの嘘に決まってるだろ!!!)」
創は心の中でアイナにブチ切れたが、それをアイナに直接言うのが怖いのでやめた。
アイ「そんな、創くんが謝ることじゃないよ!アイナが首絞めたのが悪いんだし!」
創は心の中で『その通りだ!!!お前が全部悪い!!!』と思った。
創「それでアイナは俺がどうして他の女の子を見ていたのか知りたいんだよな?」
アイ「うん、そうだよ。」
創「ぶっちゃけ、理由は特にない。」
アイ「特にない?」
創「ああ、なんていうかその勝手に見てしまうんだ。可愛い女の子を。どうしてその癖がついたのかずっと気になってたんだよ。この癖はアイナといる時にしか起こらないから。それで俺はついに理由が分かったんだ。」
アイ「その理由は?」
創「俺はアイナに嫉妬して欲しかったんだよ。アイナが嫉妬してくれると俺はアイナにそれだけ愛されているって分かるからさ、ついやってしまうんだ。アイナに愛されているのか確認するために。俺はどうしようもないぐらい愛に飢えているだ........ようやく分かったんだよ........俺は愛に飢えている獣ってことにな...........。」
アイ「どうして創くんはそんなにアイナの愛に飢えているの?」
創「さあな、俺にもよく分からない。どうしてこんなにアイナからの愛に飢えているのかを。」
創はそう言うがアイナは知っている。
創が嘘をついていることを。
たがアイナは決してそのことを問い詰めようとしなかった。
きっと創はいつかわかる時が来るからとしか言わないと言うのだから。




