獣狩り九
ちなみにレーナたちの正体がバレてないのは認識阻害の魔術をかけているからです。
レーナはアイナに向かって必死に逃げた。
レーナにとってあの光景は悪夢そのものだった。
レーナは頑張って何度も止めようとしたが誰もやめなかった。
レーナは自分ではどうにもならないと絶望した。
そしてアイナから連絡がきた時は救いの手が差し出されたと心の中で喜んだ。
自分はここの地獄から逃げ出せる。
このあまりにも残酷で見るに耐えない地獄からと。
レーナは心の中では止めないといけないと思っていた。
だが体が怯えて動かなかった。
レーナは神は人間と違い、思いやりがあり、どんな状況になっても助け合えると思っていた。
それは今まで出会ってきた神たちがそうであったからだ。
だが現実は違った。
神はとても醜く、人間と同じで殺しを正当化し、自分は正義の名の下に鉄槌を下していると勘違いし、神殺しを楽しんでいた。
レーナの理想はあっけなくズタボロに引き裂かれた。
レーナはどうしてもその現実から目を逸らさずに必死に向き合おうとしていたが更なる追い討ちで完全に心が折れ、その場から逃げ出した。
それは大好きで憧れで尊敬していた創が目の前で助けを求める者を見殺しにし、負傷した者を庇う者は容赦なく殺し、他神の犠牲を厭わない冷酷無慈悲で残酷な男であったことに。
だからレーナは全てを投げ出して逃げてきた。
自分の役目である争いを止めることを、力無き民を守ることを。
レーナは必死に走っていると目の前に逃げ遅れ、今にも食べられそうな神がいた。
その神を見てみると体にあの怪物から受けたであろう傷があった。
レーナはあの神を助けても意味がないから逃げようと思った。
だがレーナの体はレーナの意思とは反対にあの神を助けるべく動いていた。
レーナは体中に魔力を流し込み、身体能力を爆発的に飛躍させた。
そしてその圧倒的な身体能力のおかげでなんとか食われそうな神を助けられそうだった。
レーナはやっと初めて神を助けることができる、そう思った。
そしてその食われそうな神に後一歩で届きそうなところで横からもう一体の怪物が現れ、レーナはそのいきなり現れた怪物の攻撃を防いでしまった。
レーナが攻撃を防いだためにその神は首から下を全て食われ、地面に残った頭が落ちた。
そしてレーナは横から現れた怪物とその神を食った怪物の両方を仕留めて食われた神の顔を見た。
レーナが助けようとしていた時は助かるのだと希望に満ち溢れていた笑顔であったが、落ちていた頭の表情を見るとそれは絶望で顔を歪ませていた。
レーナはその顔を見た瞬間、吐いてしまった。
もうレーナは耐えられなかったのだ。
そしてレーナは再び逃げるようにアイナのもとに走って向かった。
レーナの目から大粒の涙が溢れかえってきた。
レーナは必死に止めようとしたが涙は一向に止まらない。
そして道端で食われて死んでいる死体や、瓦礫によって押し潰され死んだであろう死体、いろいろな死に方で死んだ死体を見るたびにレーナは猛烈な吐き気に襲われた。
レーナは必死に吐き気を我慢し、アイナに向かって走っていった。
だがレーナある死体を見た瞬間、耐えられなくなり吐いてしまった。
その死体は胸を何者かによって刀で刺され、死んだものだ。
その死体を見たレーナはすぐに創によって殺されたのだとわかった。
アト「ねえ、レーナ大丈夫?私が後のことはやるから休んでよ。」
レーナ「大丈夫です.........気にしないで下さい...........。」
レーナはアトランシアが心配して声をかけるたびこう答え、アトランシアは「わかった、だけど無理しないでね。」としか言えなかった。
そしてレーナはやっとアイナが目視できた。
レーナはアイナが見えた瞬間、体が隠れるくらい大きな瓦礫に隠れ、涙を拭き、平静を装った後、アイナに向かって走っていった。
アイ「レーナ!!やっと会えた!!レーナの方は大丈夫だった?」
レーナ「はい、私は大丈夫ですがここには強力な結界が張られており、西エリアにいた神たちが取り残され、負傷者に対して暴行などを引き起こしています。ですので速く結界を解かなければなりません。急いで向かいましょう。」
アイ「うん!わかった!それと負傷者にひどいことするのは速くやめさせないとね!」
レーナ「それでは行きましょう。」
アイナたちは西エリアに向かう最中に数体の怪物に出会ったが、すぐにレーナが駆除したため、すぐに西エリアの入り口までつくことができたのだった。
前回と今回のレーナちゃんすごく可愛いよね!書いてて凄く可愛く書けたなって思ってたんですよ!
追記:第1話と第4話と第5話を改編し、新6話を投稿しました。ぜひ見て下さい!新6話は全く新しい話なのでそれだけでも読んでもらえれば嬉しいです




