獣狩り八
レーナは西エリアに入った瞬間、あまりの光景に絶句した。
それはほとんどの建物が破壊され、あちこちで火災が起こっている。
そして西エリアの入り口付近には多くの逃げてきた神が集まっていた。
だがそこに集まっていた神たちはレーナにとって信じられない行動をとっていた。
それは負傷した者たちをみんなで寄ってたかって殴ったり、蹴ったりして入り口付近から遠ざけたり、酷いものは瓦礫で頭を殴って負傷者を殺すものまでいた。
目の前で子供が殺される者や、大切な妻が目の前が体中から血が出るまで暴行を受ける者や、あまりにも悲惨すぎた。
そしてある者が隠れている負傷者を見つけるとそこに負傷していない者たちが集まり、寄ってたかってその負傷した者に暴行を振るう。
その傷が怪物からのものでなくとも傷さえあれば標的にされる。
その対象は年齢や性別、種族など関係など無かった。
その光景にふさわしいものがある。
それは『魔女狩り』だ。
そうして目の前の光景に絶句し、固まってしまったがこのままではいけないと思い、暴行をしている者たちを止めようとした。
レーナ「こんなことはやめてください!」
男1「うるせぇ!!!黙ってろ偽善者野郎が!!!!」
そう言ってレーナはその男に力強く押されてこけてしまった。
男2「俺いいもん見つけちまったぜ!」
そう言う男の手には尖ったガラス片が握られていた。
レーナ「ダメ........お願い止めて...........。」
男2「そーれ!!!」
ガラス片を持った男は負傷した男の喉に向かってガラス片を腹に突き立てた。
負「あああああああああぁぁぁぁぁああああああ!!!!」
負傷者した男はあまりの苦痛に叫ぶ出した。
そしてレーナがその負傷した男を助けるために男たちを止めようとしたが
男1「だから!!!偽善者野郎は引っ込んでろ!!!」
レーナ「くっ!!」
そう言ってその男性に殴り飛ばされた。
レーナがどうしてここまでやられているかというとさっきの戦闘で大量の魔力を失ったため、今は魔力が使えないからだ。
レーナは体に魔力を流して身体強化して戦う。
そのため魔力を通していない時の力は少し鍛えているくらいの女性と同じくらいだ。
そのため今のように一般男性から攻撃を受けるとやられてしまう。
そうして吹っ飛ばされた後、レーナが再び立ち上がり近寄ろうとしたが
男2「うるさいなぁ!!!さっさと死にやがれ!!!」
そう言って負傷した男の首ガラス片を突き刺し、殺した。
そしてその男性を炎の中に投げ捨てた。
レーナ「そんな...........。」
男1「よし、次の奴見つけ出そうぜ。」
男2「そうだな!俺たちの正義の鉄槌を下してやろうぜ!!」
レーナは助けられなかった罪悪感に心が打ち負かされそうになっている時、少女がある男性と揉めてあるのを確認した。
少「お願い......止めてパパ...........私......いい子にするから........。」
男「ごめんな........ごめんな........こうするしかないんだ...........。」
そう言うと男性は瓦礫を大きく振り上げ、勢いよくその少女を殴ろうとしていた。
レーナはその光景を見た瞬間、その少女を助けるため、走り出した。
レーナ「やめてください!!!!」
レーナはそう言って必死に助けようと手を伸ばしたが間に合わなかった。
目の前で少女は父親である男性から瓦礫で頭を殴られ、絶命した。
そしてその父親は火が立ち上っている場所に少女の死体を投げ入れ、燃やし出した。
その場所を見てみるとそこには大量の死体が燃やされていた。
レーナ「どうして........どうして自分の娘を殺したのですか!!!!」
レーナはその男性の肩を掴みそう怒鳴った。
男「こうするしか無かったんだ........こうするしか無かったんだ!!!!!」
肩を掴まれた男性がレーナの方をみると、その男性は大号泣していた。
男「あの化け物から傷を受けたらその神も化け物になるんだ!!!お前も知ってるだろ!!それに生きたまま化け物になったらその神の意識が残るんだ!!!俺は見たんだ!!!妻が化け物になったところを!!!化け物になった妻は『逃げて........』って泣きながら俺たちを襲ってきたんだ!!!そんなの........そんなの耐えられるはずがない!!!!だから自らの手で娘を楽にしてやるしか無かったんだ...........。」
レーナ「そんな........。」
レーナは男性の言葉を聞いた時、耳を疑った。
生きたまま怪物になったら自我が残ると言うことに。
レーナ「すいません........あなたの事情を知らずにあんなことを言ってしまって...........。」
男「いいんだ........俺はあの子と逃げるという選択肢をしなかった愚か者だ...........罵ってくれた方が助かる........。」
レーナ「それでどうしてあなた達はここにいるんですか?」
男「お前は知らないのか?この西エリアには結界が張られていて外には出られないんだ。それと通信機器や通信の魔術も使えないから外への連絡は無意味だ。」
レーナ「この結界は外からは入れて中からは出られないのですね。」
男「お嬢ちゃんもしかして外からやって来たのか?」
レーナ「はい、そうです。あなた達を助けるために来ました。」
男「そうか........嬢ちゃんも気の毒だな........。」
レーナ「どういうことですか?」
男「嬢ちゃん以外にもこの中に助けに来た奴がいたんだ。だが全員、あの怪物に手も足も出なくて死んでいった。あの怪物を倒せるのはこの西エリアにいる黒い外套を身に纏った男ぐらいだ........。」
レーナ「そのことは安心してください。私はあの怪物を倒せますから。それとその黒い外套の男性は私の仲間ですから。」
男「嬢ちゃんもあの男の仲間か。俺はその男に助けてもらった借りがあるから嬢ちゃんに忠告をしてやる。俺以外にあの男の仲間であることを言うな。」
レーナ「それはどうしてですか?」
男「あの男は確かに俺を助けてくれたが全員がそういうわけじゃない。あの男は目の前で食われそうになっている奴を見殺しにしたり、奴の攻撃の余波で建物が崩れてその瓦礫に押しつぶされて死んだ奴や、傷を負ったものを庇うものには容赦なく庇うものごと殺したりしていたからな。俺はあの男と一緒のことをしてあいつがやってきたことが正しいってことは知ってるし、命の恩人だから平気だが全員がそういうわけじゃない。だから気を付けろよ。」
レーナ「創さんが......そんなことを...........。」
レーナはその男性が言うことを信じられなかった。
あの創がそんな残酷なことをするとは思えなかった。
なぜなら創は自分の身を挺して誰かを助けるヒーローみたいな神だと聞いていたからである。
そうしてレーナが現実を受け止めきれずに呆然としていると
アイ『レーナ?聞こえる?』
アイナから以心伝心で連絡がきた。
レーナ(はい、聞こえてます。今からそちらに迎えに行きますね。今どのあたりにいるか教えていただてもよろしいですか?)
アイ『うん、わかった。でもその前に聞きたいんだけどレーナどうしたの?なんだか辛そうだよ?』
レーナ(いえ、なんでもありません。それでは教えてください)
そうしてレーナがアイナのいる場所と西エリアの入り口までのルートを聞くと走り出した。
男「嬢ちゃん!!どこに行くんだ!?」
レーナ「まだ逃げ遅れた神がいるかもしれませんので捜索に行ってきます!!!」
そう言ってレーナは行ってしまった。
その光景は悪夢から必死に逃げようとしている少女のようだった。
アイナ視点は書こうと思っていたのですが思いつかないのでやめます。
追記: 2話観測者と3話無限を司る神々の王に大幅な改編を、8話アジト攻略ニに改編を行いました。ぜひ読んでください!




