ヴァレンタイン家襲撃事件の真実
セ「全て話せとは?」
創「しらばっくれるな。お前全部知ってんだろ。普通俺と結婚するとなったらものすごく驚くはずだぞ?それになにか意味ありげな顔してるしな。」
セ「まさか結婚の知らせを聞いた時の反応でバレてしまうとは思ってもいなかったです。それと僕そんなに意味ありげな顔してましたか?」
創「ああ、やっとアンと俺が結婚したのかって顔してたぞ。」
セ「本当ですか!それはお恥ずかしい。」
創「それでセシルは自分の家のこととか俺との関係のこととか襲撃事件のことをどれくらい知っているんだ?」
セ「だいたいは知ってますよ。僕の家が御三家の一つの剣聖のヴァレンタイン家であること、姉さんが適応率が95パーセント超えていること、そして襲撃事件の犯人の特徴とかですかね。」
創「その情報から察するにセシルが俺に着くことが決まっていたんだな?」
セ「そうですね。僕は幼少期の頃から創兄さんの配下になるための訓練と教育を受けてきましたから。」
創「それで事件のことを詳しく聞きたいんだが話してくれるか?」
セ「もちろんいいですよ。あれは僕が確か八歳くらいの時でしたね。ちょうど僕と姉さんが親戚の家からの帰りだった時でした。車で家の近くまで来ると家から煙が出ていることに気づいたんです。それで僕たちは急いで家に向かったんですがその頃には炎は家の全体に広がっていました。僕は母さんと父さんが心配だったので護衛役の執事を二人連れて家の中に入りました。そして僕はまっすぐに父さんと母さんの部屋に向かいました。そしてその部屋の扉を開けるとそこには血溜まりの中に倒れている二人の死体があったんです。僕は怒りが溢れかえりましたが冷静にいようと必死に怒りを抑えました。そして二人の死体の奥には全身タイツで頭にはアルミホイルを巻いている男が立っていました。顔は光っていて視認することができませんでした。」
創「待て、今少し変なところなかったか?」
セ「僕も初めて見たときは自分の目を疑いましたがあれは現実でした。」
創「そんな変態が実在するんだな。絶対そいつ頭おかしいだろ。」
セ「僕もそう思います。それで続きを話していきますね。その男が状況的に父さんと母さんを殺した犯人でした。僕は父さんと母さんの仇を取りたかったのですが諦めてどうやったら生きて帰れるのかをずっと考えていました。その理由はその犯人の強さが桁違いだったからです。その強さは父さんと母さんを二人同時に殺せるだけの力を持っていました。たぶんあれでもそこまで力を出してなかったと僕は思います。そして僕が逃げる手段を考えていると護衛役の二人がその男に突撃していきました。二人は父さんと母さんの仇をとりたかったのでしょう。僕はその二人を止めようとしたのですが遅かったようで二人は一瞬光った光と共に消えてしまったのです。」
創「その光はなんの力がわかったのか?」
セ「それが全くわからなかったんです。それでその光景に呆気を取られているとその男が僕の目の前まで迫ってきたんです。僕は彼から離れようとしたのですが何かの力によって身動きが取れなくなってしまいました。それで僕はその男に呪いをかけられてしまったのです。」
創「やっぱりセシルは病気ではなく呪いをかけられていたのか。体を調べた時に呪いが刻まれていることに気づいたんだがこの呪いは相当強力なものだぞ?」
セ「はい、そのせいで僕は病院の中でしかまともに暮らせなくなってしまったのです。」
創「それでどんな呪いをかけられたんだ?」
セ「魔力使用の制限と身体機能の制限ですね。」
創「セシルの大体の事情と状態はわかった。今からその呪いを解くからこれからは俺の下で働いてもらうがいいか?」
セ「それはもちろんです。僕の夢は創兄さんの下で働くことでしたからね。」
創「それじゃ決まりだな。その呪いを解くから背中を向けてくれないか?」
創がそう言うとセシルは背中を向けた。
創はセシルの背中にやさしく右手を置いた。
そして手からセシルに魔力を流していくと背中に呪いの魔法陣が浮かび上がってきた。
創(術式ではなく魔法陣か。それにこの魔法陣はオリジナルのようだ。この犯人は相当知識を持っているようだな。)
創は右手に魔力を込めはじめ、少し時間が経つと右手にはたくさんの術式が浮かび上がってきた。
そして創がその術式を起動させるとセシルにかけられていた呪いが消滅した。
創「これで終わりだ。体を動かしてみろ。」
セ「すごい!体を自由に動かすことができるようになってますね!ありがとうございます!」
セシルはとても嬉しそうに言った。
創「嬉しいのはわかるがもう少し大人しくしとけ。体をちゃんと動かすのはさしぶりなんだろ?あまり無理して動かすと怪我するぞ。」
セ「そうですね、ここで無理して動かして怪我をしてしまうと治してもらった意味がなくなってしまいますからね。反省します。」
創「それで今後の予定だがセシルはリハビリをしてもらう。それでリハビリが終わったら俺が稽古をつけて入隊試験を受けてもらい合格してもらう。それで王直属部隊に入隊するって感じでいいか?」
セ「はい、それで問題ありません。」
創「他に何か話しておきたいことはあるか?」
セ「特にありませんね。」
創「それじゃあアンたちを呼んでくるな?」
創はセシルの病気が治ったとアンたちに報告しに廊下に出た。
セ「父さん、母さん、絶対に仇を兄さんと取ってくるから待っててね。」
セシルは窓の外を儚げに見ながら呟いた。




