IQ1でも愛嬌1億のコネコちゃん
うちには、IQ1億のネコちゃんとIQ1のコネコちゃんがいる…。
IQ1億のネコちゃんは、この季節になると、人間で暖を取る。
ホットカーペットやエアコンをつけてあげれば、最も暖かな場所を探して、そこで眠る。
しかし、昼間など暖房をつけないでいると、スーッと人間のそばに来て、人間の体温で温まる。
つい先日は、なんとソファーでお昼寝していた夫のお腹の上に乗ってきたらしい。
夫のこと嫌いなのに…!
寒さをなんとかしたい気持ちの方がまさったようだ…。
夫はその時のことを回想しては、
「幸せだった。」
と語る。
IQ1億なので、暖の取り方が小狡い…。
対して、コネコちゃんはIQが1しかないので、暖の取り方を知らない。
長毛種で基本的に暑がりのため、ネコちゃんよりは寒くないのかもしれない。
相変わらず、部屋のど真ん中でヘソ天でグーグーと寝ていた。
それが、先週あたりから、私のお布団の上で寛ぐようになった。
IQ1なりに、お布団があったかいことを学んだようで、ちゃんと毛布を狙って寝そべる。
いつまでもIQ1だと思っていたらいかんのだなと反省した。
だが、お布団の上で毛繕いし、そのまま転がって床に落ちていく。やっぱりIQ1はIQ1だ…。
IQが1しかないので、要望の訴え方がアホである。
「プルャー!」
と泣きまくる。
壁や柱、ソファーで爪を研ぐ。
泣いてもいいが、爪を研ぐんじゃない…!
爪とぎは別に何個もあるのに、お気に入りの壁、柱、ソファーでやる。
目をウルウルさせながら、やる。
たいてい、遊んでほしい時、お腹がすいた時にやる。
だんだん、うちが荒廃してきた…。
それでも、遊んであげると、ハッスルする。ただ、床を滑り転がっていく。
ごはんをあげると、ハグハグと一生懸命食べる。ただ、めちゃくちゃカリカリをこぼす…。
アホすぎて、可愛くて仕方ない。
IQ1億のネコちゃんは、遊ぶのがとても上手だ。
ねこじゃらしひとつをとっても、捕まえる際に手(指?)をパーッと全て開いていて、キャッチする率が高くなるようにしている。
反応も素早いし、ジャンプも高く、的を狙って跳ぶ。
しかし、IQ1のコネコちゃんは、運動神経も1で、まじで明後日の方向に跳んでいく。
そして、お腹から床に落ちる。
ねこじゃらしは、頑張って取ろうとしてはいる。
けど、障害物の向こうから一生懸命に手を伸ばす。
絶対に一生取れないのだが、絶対に一生取れないということが分からないため、永遠に手を伸ばしている。
どんな感じかというと、お水のボウルの向こう側から胸毛全部お水にビッチョビチョに浸かりながら、懸命に手を伸ばしてくる。チョイチョイと手を動かす…。
ネコちゃんなら、お水のボウルを飛び越えたり、ぐるっとまわってきて、すぐにおもちゃを捕まえるだろう。
でも、コネコちゃんは、障害物を避けられない。
一生取れないのに、向こう側から手を伸ばし続ける…。
そして、ビッチョビチョになった自分に気付くと、
「なんで濡れてるでち…?!」
という顔をする。
可愛くて、吹き出してしまう。
最近、2匹は、私を朝4時半きっかりに起こしに来る。
ネコちゃんは私の顔をはじめはソフトに叩く。
「ナァ…。ナァ…。」
と言いながら、ペチペチする。
無視して寝続けていると、徐々に爪を出してくる。
「ナァ。ナァ。…ナァ!」
と、脅迫じみてくる。爪が痛い。
コネコちゃんは、何をしたらいいのかわけわからなくなるのか、なぜか、私の胸の上にのぼってきて、ゴロゴロ言い出す。そのまま毛布をフミフミする。
そして、フミフミしながら寝る。ぐう…である。
「おい、私を起こすんじゃないんかい?!」
と思い、眠い目をこじあけて見ていたら、そばにいたネコちゃんに、「お前まで寝るな!」とぶっ叩かれていた…。
爆笑してしまった。
IQ1でも、愛嬌は1億のコネコちゃんである。
この子は生まれつき、腸が弱いらしい。
たびたび腸炎を繰り返して、通院している。
頑張って生きている。
ネコちゃんは、歳が変わればもう10歳になる。老猫だ。
色んなところに老いが見え始めた。
いつまでも元気でいてほしい。
2匹とも、私の大事な可愛い娘だ。




