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私は誰なの?~突然女子高生の幽霊になった私の物語  作者: 星野 満


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22/31

22. 詩織ちゃん、目覚めて……

※登場人物紹介


◇ 女子高生幽霊(私)………湖の精霊?


◇ 上杉 美樹(うえすぎみき)………桜花高校一年時、別荘近くの湖で溺死、御霊となる。

◇ 明智 詩織(あけちしおり)………同高校二年生 美樹の親友

◇ 織田 海斗(おだかいと)………同高校二年生 美樹の幼馴染

◇ 北条光(ほうじょうひかる)………同高校二年生 美樹の従兄


◇ 上杉 京香(うえすぎきょうか)………美樹の母親

◇ 上杉 エリック(うえすぎえりっく)………美樹の父親

◇ 北条 武士(ほうじょうたけし)………美樹の叔父 光の父親

◇ ◇ ◇ ◇




(でも、詩織はあたしを裏切って織田と付き合っていたんだ)



 ──え、詩織ちゃんと織田君、付き合ってたの?



 唐突に美樹ちゃんが衝撃発言をしたので私は驚きました。


 美樹ちゃん、それ……と私が問いただそうとした時。





「詩織!」

「あ、詩織ちゃん!」

「あ……」


 真下をみると、織田君と北条君が発してました。


 ベッドで眠っていた詩織ちゃんが、ようやく目覚めたのです。



「あ、織田……君、北条君……ここは?」


 詩織ちゃんの大きなつぶらの瞳が、織田君と北条君に気付きました。

 その目線は部屋の天井あたりをぐるぐると見回しています。



 詩織ちやん、私と美樹ちゃんが空中に浮かんでいるのは見えないようでした。



「水族館の控え室だ。詩織、お前が一周忌の会場で倒れたんだ」

 織田君は詩織ちゃんが目覚めてほっとしたのか、くしゃくしゃの笑顔です。


「良かった、詩織ちゃん、ずっと目覚めなかったから心配したよ」

 北条君も嬉しそうです。


「ごめんね。みんなに心配かけちゃって」


 詩織ちゃんは上半身をベッドから起こしました。


「あ、もう起きて大丈夫か?」

「うん、眠ったせいかスッキリしてる」

「良かった……」


 織田君は詩織ちゃんにベッドサイドにあった水差しから、コップに水をいれて彼女に渡しました。


「ありがとう……」


 お水を一口、二口飲んだ後、詩織ちゃんは北条君を見つめます。


「あの、北条君」

「何?」

「美樹のお母さんは?」

「あ、さっきまでここにいたんだけど、君を診てくれたお医者さんを送りにいってるよ」

「お医者さん?」

「ああ、君が倒れた時、お医者さんも一周忌に参列してたから診て貰ってたんだ、貧血だったみたいだよ、安定にしてれば大丈夫だって」


「そう……迷惑かけちゃったんだ」

「そんなこと、それより本当に大丈夫?」

「うん……」


 詩織ちゃんはそのまま辺りをぐるっと見回して、何か言いたそうな表情をしました。


「ん、どうした?」


 織田君が詩織ちゃんの不安そうな表情に気づきます。


 詩織ちゃんは小声でいいました。


「あの、二人だけにいうけど……私、倒れる前に美樹が見えたの」


「え?」

「嘘?」


 織田君と北条君がいっせいに驚きました。


「ううん、嘘じゃない……本当よ。美樹の映像見てたら、色々思い出しちゃってつらくて泣いてしまったの。その時、私の肩に触れた女の子がいて……その子多分、美樹だった」


 詩織ちゃんは震える声で言いました。


「そんな、まさか……」


 織田君が苦笑いしました。


 北条君は無言です。


「それも……顔がないの。首から下だけ胴体だけで、それも白いスカーフ、一年の制服着てた」


「!?」


 織田君と北条君は絶句したのか、真っ青な顔になってます。





 ──美樹ちゃん、やっぱり詩織ちゃんは、私の姿が視えたのね!


(うん、そうだね。詩織が精霊さんの姿が見えたのは、あたしが離れたからかも )


 美樹ちゃんがゆっくりと頷きました。


(あたし、精霊さんに食べられてから、ずっと精霊さんの中にいたんだ。今日までずっと引き籠ってた。さっき初めて外界に身体がフアっとなった。そのせいで、詩織があたしが見えたのかも)



 ──え、そうなの?


 私はぎょっとしました。


 美樹ちゃん、ずっと私の中にいたの? 引き籠ってたって!

 

 だから私はのっぺらぼうだったの……


 私はなにがなんだか、わからなくなってきました。


 

 でも……そういえばあの時、私の体は湖上ではすべてが()り抜けていたのに、あの瞬間だけ詩織ちゃんの肩に触れる事が出来た。

 

 そうです。詩織ちゃんの細い肩の感触がわかりました。



◇ ◇



「はは、詩織やめろよ!それ錯覚、美樹の映像ずっと見てたから残像だよ!」


「違う!織田君、あれは美樹だった、ぜったいに美樹だった!」


 珍しく詩織ちゃんはがムキになって声を張り上げました。


「詩織……」


「詩織ちゃん……」


「ああ私、やっぱり来るんじゃなかった!」


 詩織ちゃんは頭を振って両手で体を抱きしめてカタカタと振りました。


「私のせいだもん、あの日、美樹が私と織田君を見なければ、湖なんか入らなかった、嵐なんかに遭わなかった!」


「何いってんだ?俺と詩織のせいだって?」


「そうよ、私たちキスしたじゃない!」


「え?」


「忘れたの?一年前、美樹が嵐にあった日、湖の近くの森で散歩したとき、織田君、私にしたじゃない」


「え、あ、あの時、美樹、いたのか?」


「いたわ、私キスされた時、林の陰で美樹と目があったもん。あの時の美樹の顔が忘れらない!」


「え、そんな……」


 織田君は真っ青になっています。


「もう、なんて鈍感なの!美樹は織田君が好きなのよ!私たちを見てショックで湖に潜っちゃったの!」


 詩織ちゃんはとうとう泣き出してしまいました。



 

 

※ 2026/1/22  修正済

  

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― 新着の感想 ―
織田と詩織ちゃんが付き合ってるのを知って、しかもそのことを直接に見てしまった美樹ちゃんは、ショックだったでしょうね…(ToT)
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