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私は誰なの?~突然女子高生の幽霊になった私の物語  作者: 星野 満


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16/31

16. 美樹ちゃんとの対面

※ とうとう美樹ちゃんが私の前に現れました。今回は二人の会話です。

◇ ◇ ◇ ◇


 

 人がまばらになった二階のシアターホール。


 機材を運ぶ人が二、三人いましたが、宙に浮かんでいる美樹ちゃんと、突っ立っている私を誰も気づきません。



 私が美樹ちゃんだと判別できたのは()()()だけでした。


 彼女の首から下は白色光を放っていて残念ながら、眩しくて良く見えません。



 私はちょっと足がガクガクと、すくんで動けませんでした。



 ──美樹ちゃんだ、美樹ちゃんが浮いている!


 私は突然現れた美樹ちゃんの出現に、幽霊なのに慌てふためいています。



 美樹ちゃんは先ほど映像や写真で見た、高校生の大人びた顔をしていました。


 でも実物の方がだんぜん綺麗だわと思いました。



( 良かった。精霊さん、ようやく私が見えるのね?)


 

──え、精霊さん?


 私はびっくりして口をあんぐりと開けました。


(あ、大丈夫。私たちは今は互いが(れい)だから、精神感応(テレパシー)で交信できるんだよ。だから無理に口パクパクしなくていいよ )


 

 ──え、口パクパクって……

 

 美樹ちゃんは私の顔が分かるの?


 私はキョトンとしました。



( そうだよ、今までのっぺらぼうだったのは、私が精霊さんの中に(ひそ)んでいたからよ )



 ──え、そうなの?


 そう言われた私は、慌てて両手で自分の顔をぺたぺたと触りまくりました。


 

 ──あ、本当だ。


 今まで顎と耳しかなかった、のっぺらぼうの顔に眼も鼻も口も付いてました。


 わわ、睫毛もある。わあ~パチパチしてる!

 あ~鼻もある。すっごくシュッとして高いみたい。

 わあ、指で強めに触るとへなって潰れるわ。

 あ、歯もある、なんだかガチガチしてる!


 私は自分に顔の凹凸があるのがとても嬉しくて、自分の眼や鼻や口をやたらと触り出しました。


 

 あれ?そういえば、私の髪も鳶色(とびいろ)から銀色へと変っている!

 

 私はびっくりして、背中まである長い銀髪を指先にクルクルと巻きつけました。薄暗くなったホール内でも銀髪はキラキラと光彩を放っています。



(キャハハ、精霊さんて超面白~い!)


 突然、美樹ちゃんはキー高く大笑いしました。

 

  

 ──え、面白い? 私が。



( あはは、面白いよ、水の精霊(セイレーン)ってもっと堅苦しい女の人かと思ったけど、茶目っ気あるね~アハハハ!)



 ──え、茶目っ気? おまけに水の精霊ですって!


 私は突然の美樹ちゃんのバカ笑いに面食らうと共に、意味不明な言葉をいう彼女の、あっけらかんとした態度に無性に腹も立ちました。

 

 なんだか、この弔い式で当人が笑うのは、とても不謹慎な気がしました。



 美樹ちゃんたら何なの?

 

 キャハハって、よくこんな時に楽しげに笑えるわね。

 

 さっきまでこの場所では、亡くなったあなたを偲んで、多くの来場の人たちが泣いていたのよ!

 

 そうよ、あなただって、さっき詩織ちゃんを見て泣いてたじゃない?



(あ……詩織ね。そうね、そうだったわね……)


 急に美樹ちゃんの笑顔が消えます。


 酷く暗くなりました……。



 ──う、何なのこの落差。


 あ、そうか。私の心が読めるのね。

 テレパシーでストレートにわかるんだ。


 ならばと、私はゴクリと唾を飲み込みました。

 

 

 ──ねえ、美樹ちゃん教えて、あなたは霊魂になってずっと私の中にいたって事?



( うん、そうよ。精霊さんがあたしを食べちゃったから、首なしで死んじゃったしね)


 

 ──う、そうか……やっぱり私か。


 私は急にみぞおちがキリキリと痛み出しました。


 でも変だわ、私が湖の精霊って……たしか、私は醜い巨大アンコウだったはず。


(あ、そうか。精霊さんは一年前のあの事故から私が御霊(みたま)になって、あたしがあなたを取りこんじゃったから、ずっと記憶がないのね )



 え、 御霊(みたま)って……美樹ちゃんは死んだあと、御霊になって私の中にいたっていうの?


 


( うん、そうだよ。とっても不思議だよね。本当はあたしも死んだら天に召されたかったけど、でもね、その前にとても後悔してる事があったの。だからずっと精霊さんが目覚める時をじっと待ってた。ねえお願い。あたしに力を貸してくれないかな?)


 

 力を?──私の力って……どういう事?



( 精霊さんは記憶を失っているけど、間違いなく湖の精霊(セイレーン)よ!この土地で精霊さんしかできない事があるの。だからあなたはあたしに操られて人間の幽霊になってたのよ。あたしの代わりにあなたが、高校へいって様子をみてくれた。多分、あたしだけだったら幽霊にはなれなかった )


 

 ──え、幽霊ってそうだったの?


 私は美樹ちゃんに操られていたって事?


 

 美樹ちゃんは何も言わず、突然両手を広げた。

 彼女の肢体が横に大きく白色に輝きが増していきました。


「精霊さん、あなたに飲み込まれたおかげで、私はただの死人でなく御霊になれた。だから力を貸して欲しいんだ、それには……)


 美樹ちゃんは突然、ぐいっと私の手を掴みました。


 

 ──あっ!

 


 美樹ちゃんは私の手をギュッとひっぱって、そのまま私を空中にひっぱりあげました。


 ふわりと私の体が無重力のように浮かびあがりました。

 

 ふわふわ、ふわふわ。

 

 何だかすごく変な感じです。


  ( 話はおいおい後でね。もう夕方だよ~、今夜の十五夜満月が登りはじめた。時間がないんだ!)


 

 え、時間がないって…… あ、美樹ちゃん、ちょっと!


 

 そのまま私は美樹ちゃんにひっぱられながら、空中遊泳で二階から一階の控え室に移動していきます。


 二階のシアターホールは、吹き抜けの階段もありました。


 

 一階に降りると、廊下の奥の突き当り控室のドアは開かずとも、私たちはそのまま扉を通り抜けれました。


 詩織ちゃんが眠っている控室に私たちは入っていきました。




 

2026/1/22 修正済

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― 新着の感想 ―
ついに美樹ちゃんと私の対面!しかも会話もできちゃう♪ あれあれ、私はアンコウではなくて、水の精霊?どんどん謎が深まりますが、とにかく泣いてる詩織ちゃんを助けてあげなくちゃ、ですね\(^o^)/
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