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天狗と誘拐と女性と 10

柄池視点

 食事後、8人はそれぞれの部屋へと戻ることとなる。

 その中で柄池は通路で部屋に戻ろうと移動していたのだ。


「どうでしたか? 食後の甘味は特別な物を用意させてもらいましたので、気に入ってくれるかと……」


「あれは良かったですね。オレンジ味のシャーベットと言うか、オレンジ味のかき氷と言うか……」


 移動しつつ女将が食後のデザートについて話すと、柄池は良かったと感想を移動しつつ話す。

 食後の移動で女将と一緒になって、こうして会話をしていることになる。


「はい、みかん味のかき氷です。時期的に出してもいいと考えて出してみました」


「かき氷でしたか、あれ、それにしてはふわふわ感がすごかったですね。あんな食感のかき氷は初めてです」


 女将はかき氷だと答えて、柄池は食感についての感想を語る。

 あのかき氷の食感は綿あめに近いとも言えた。


「ちょっとした特別なもてなしでこの旅館で出す甘味です。柄池君には手伝ってくださったので」


「本当にありがとうございます。ただ、どうやって作ったは気になりますね、食感凄いですし」


 女将はデザートについて語り、柄池はこれをどう作ったかについて疑問を投げてみた。

 食べたことないもので自分に作れるのかと気になり、試しに聞いてみたのだ。


「それは……ですね……」


 疑問に対して女将は視線を外して思考する言葉を出した。

 その後女将は笑顔で答える。


「企業秘密です」


「あー、やっぱりそうか」

 女将は秘密と解答し、柄池は嫌な顔をしないで、そうかと返答する。

 柄池としてもこの解答は予想していたので、残念がる様子は出さなかった。

 そして、柄池は部屋へとたどり着く。


「確かここでしたね、私は仕事もありますので」


「部屋に戻ったら、また出る予定です」


 女将は仕事があると柄池から一歩置いた距離を取り、柄池は部屋に近づく。


「今回は本当にありがとうございます。それでは」


「はい、こちらこそ、本当にありがとうございます」


 先に頭を下げてから礼の言葉を柄池に送り、柄池はこちらこそとお礼を出す。

 その後に女将は背を向けて通路を進んでいった。

 かと思いきや、女将はもう一度柄池を見て口を開く。


「あと、もう一つ……」


「どうかしましたか?」


 女将の声に何かと柄池の声を返す。

 その後に一拍の間。

 それから女将の声が出てくる。


「いえ、これは仕事上良くないことですし、聞かなかったことに!」


「え? あ……」


 その言葉とともに女将は急いで離れていく。

 柄池は何か言うべきかと思ったのだが、急なことで戸惑いを思わせる言葉しか言えなかった。


(俺は言ってくれても良かったんだけど、仕事がどうのこうのだし……んー)


 柄池は心の中で追って聞くべきか考えていた。

 しかし、女将に仕事が絡む予感もして聞くとまずいことになるかもとの予想もしている。

 そのため、柄池は下手に行動をとれないでいた。

 そこで進んだ通路から声が聞こえてくる。


「ちょっといいかしら?」


「? 俺ですか?」


 女性の声だろうか。

 通路の奥の声に柄池は視線をそちらに向ける。


「柄池君、私よ」


 声と共に通路の陰から白河の姿が現れる。


「白河さんですか? 何かご用ですか?」


「仕事のことでね。付き合ってくれる?」


 柄池はご用があるのかと聞くと、手招きをしつつ白河は言葉でも提案をする。

 仕事のことと言われれば、付き合わないわけにはいかない。


「分かりました。今そっちへ」



 柄池は了解の言葉と共に、白河の元へと向かう。

 女将の言いたかったことも気になったが、仕事上ダメだと言われるとこちらも突っ込みにくいと考えていた。

 その結果、白河の事を柄池は優先することにする。


「要件については私の部屋でしましょうね、二人で話し合いたいし」


「分かりました。じゃあ、そちらへ」


 白河は歩きながら柄池に視線を送りつつ話し、後を追う柄池は了解の言葉を伝えた。


(仕事の話って何かな? 悪い話じゃないといいんだけど)


 その歩いている最中に柄池は何なのかと疑問に思って居た。

 思考しつつ移動して、白河と柄池は白河が使う部屋へとたどり着く。


「よし、ここで話をしましょ」


「いいですけど、仕事についての話って何ですか?」


 部屋に入って仕事の話を始める事を白河は話し、柄池は先に何の話かと尋ねた。

 解答をする前に白河は部屋の戸を閉める。

 その時の白河の表情は気のせいかいつもと違うように見える。


「もしや、追加の仕事ですか? だったらリュートも呼んできた方が」


「いや、そう言うわけじゃないのよ。それに仕事の話ってよりも、個人的な方が近いかも」


 柄池はもしやと思った事を聞いてみると、白河は個人的な事だと解答する。

 追加の仕事だと柄池だけでは判断出来ないので、そこは助かった事である。


「あ、そうなんですか」


「ところで、柄池君って彼女いるの?」


 柄池は安心の意味も含めた理解を呟く。

 その言葉の後に白河は彼女のことについて聞いてくる。

 その事を聞いていた白河の顔は笑みが溢れていた。


「それがいなくて、彼女なんて作ったこともないです」


 隠してもしょうがないと柄池は彼女はいないと答えた。

 それを聞いた白河はどこか雰囲気が異なり始める。

 その雰囲気のまま、白河は口を開く。


「ふーん……」

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