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天狗と誘拐と女性と 8

大空視点

「えっと、これで終わりでいいんだよな?」


「そうだよ、やる事は特にないから、これで終わりって事」


 御堂は確認のためと柄池に聞き、柄池は肯定をした。

 8人は旅館に戻るため、川沿いの道を来る道と逆方向に移動する。


「と言う事は、あとはお昼を食べて、自由って事でいいんだな」


「だな。近くを見て回ってもいいから」


 昼の後は自由行動でいいかとの問いに龍富は答える。

 そこで大空は近くの場所で思いついたことを口に出そうとする。


「確か、近くに天狗の博物館もあったっけな。他の妖怪とかもあった気はするし」


「あら、じゃあ私行ってみようかしら」


 妖怪の博物館のことを大空は言葉にすると、八雲はその事で乗り気の言葉を出した。

 この博物館は先ほど探していた時に看板の情報で得た知識である。


「ん? 行くのか、八雲が。一人で化者博物館を果たせる八雲が行くのは意外だ」


「私だって知らない事はあるし、そこに行く価値は十分あるわよ」


 大空は八雲が行くのは意外だと話すと、行く価値はあると八雲は語る。


(八雲でも知らないことか……よく考えれば当然だけど、今までから考えると意外な感じだな)


 今までの話からするに八雲が知らない化者知識はないと考えていたため、大空は八雲の話を意外とも考えていた。


「そう言えば思ったことがあるんだけど、いいかい? 聖華ちゃん」


「私に? 化者絡みの事なら」


 ここで、古賀松は別の話を切り出し、八雲は化者関連であればと言葉でも受け入れる。


「あの霧羽衣って、人間でも使えるのかい? 例えば俺のような人間が」


「そうね、出来ないと思っていいと思うわ。天狗にやり方を教われば少しは可能性が出てくるけど、それでも普通の人間は無理だと思った方はいいわね」


「そっかー、俺は無理っぽいな」


 古賀松が霧羽衣を使えるかについて聞いてみると、八雲の解答に無理かと言葉に出した。


「霧羽衣は天狗のみが使う事を許されているのよ。あの白河って人からも当然教わるなんて無理だし、許されることがあっても、まとっただけで普通の人間が使えるとは限らないから」


「そりゃ、無理の無理だな、俺がどう頑張っても無理っぽいな」


 さらなる八雲の解説に古賀松は無理の無理だと話し諦めをさらに強める。

 なんとなくだが、ただの興味だけで聞いたわけでないと予想がついて、大空は古賀松に追求しようと試みる。


「なんだ? なんかその羽衣で考えていたのか」


「しょうもないことを。遅刻とかしても気付かれずに席に座っていたりってことをな」


 大空はその追求を言葉にし、古賀松は遅刻したときのためと話す。

 しょうもないことだった。


「しょうもね」


「だな、しょうもない事だわ、ははは」


 そのしょうもない話に龍富は突っ込むも古賀松は笑いつつ肯定の言葉を出す。

 龍富なりのちょっかいかもしれなかったが、そのちょっかいは古賀松の肯定の言葉で打ち消される。

 この結果に龍富の顔は悔しさが漏れていたように見えた。

 そうして会話と移動をしていると8人は旅館に着いたのである。


「よし、旅館に着いたし。食事後は各自自由という事で」


「呆気ないほど早く終わっちゃったけど、まあこんな日もあるのね」


 柄池は8人に向けて着いたことと、行動についてを話すと、あっけなく終わったと大越は語る。

 すると旅館の入り口から中年が出て来て声を出す。


「おや、柄池君。お帰りかい?」


「はい、そうです。帰って来ました」


 中年の女性は帰って来たのかと話すと、柄池は肯定の言葉を返す。

 その二人の会話には違和感があった。


「旅館の方で昼食出すから、期待してくれよ。いい食材も揃ってるよ」


「はい、どんな美味しい食事が出るか期待してます」


 中年女性は昼食を期待してと話して、柄池は期待すると話す。

 そしてここの旅館は初めてだとの会話を大空は思い出す。


「あれ? 知り合いか?」


「ごめん。こんなこと言って実は初対面」


 龍富の質問を柄池は初対面だと話した。

 大空の違和感はあっという間に消える。


「あの……こんなこと言ってあれですが、なんで俺の名前を知っていて?」


「旅館の女将の右腕でね、あたし。女将の事を手伝ってくれた時に、女将から直接聞いたのさ」


 柄池が自分の名前を知った経緯を聞くと中年の女性は女将経由だと話す。

 その話に柄池はやや腑に落ちてない様子であった。


「え? でも、名乗った事はないですよね?」


「大声で柄池ーって呼ばれたさ、それで行ったら柄池って名前は分かるのさ」


 柄池は名乗ったことはないと言葉でも戸惑うも、中年の女性は大声で呼んだ時に名前を把握したと話す。


「あー……あの時……」


 大空は苦笑いで言葉を出す。

 間違いなく、柄池と呼んだのは大空であった。

 申し訳ないことをしたような気も大空はどことなくしていた。


「女将も楽しそうに話していたし、手伝ってもらったからね。少しくらい特別扱いするから、期待して損はさせないよ」


「おー、手伝った甲斐はあったな、柄池」


 女将が特別扱いをすると中年の女性は話し、古賀松は柄池の肩を叩きながら良かったと話す。


「まー、そうだけど……昼食のために手伝ったような感じに見えて、ちょっと悪い感じも……」


 柄池は目を閉じて、複雑心を小声で呟いた。

 遠慮しなくてもという古賀松の気持ち、それはそれで悪いという柄池の気持ちも大空は分からなくもなかった。


「それはともかく、すいません。わざわざありがとうございます」


「さあ、入って待っていておくれ」


 柄池は礼を言って、中年の女性は入り口に手を向けて言葉でも招く。

 それに従い8人は旅館に入っていくと、白河が部屋から顔を覗かせる。


「あら、みんなも戻っていたのね」


「もしや追加の仕事で……?」


 部屋から出てきた白河は戻ったのかと言葉を出すと、龍富は追加の仕事かと聞く。


「それはないわよ、心配しないで。何か会話していて覗いただけだから」


 白河は手を振って言葉でも仕事のことを否定する。

 その後、何か思いついた表情を見せて白河は続けて言葉を出す。


「あ、でも……女性の四人はちょっと今回の仕事で聞きたいことがあって、いいかしら?」

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