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天狗と誘拐と女性と 4

柄池視点

「いや、ホントに遅れてごめん」


「……まあいいよ。なんとか間に合いそうだし」


 柄池は謝りの言葉を入れて、龍富は大丈夫だとの言葉を返す。

 柄池を含む8人は先ほどまで走っていたが、歩いて間に合う距離まで走った事で今は歩いていた。

 遅れたのは柄池が原因ではあったが、その問題は走って解決できる問題ではあったのだ。


「しかし、それほど探すのに時間がかかったのかい?」


「それは見つかったし、探していただけでこんなに時間がかかった訳ではないんだ」


 大空は探していたことの時間について疑問を出して、柄池は時間はそこにかかってないと話す。


「ん? じゃあ何だ?」


「女将さんがね、上に重ねて物を運んでいて崩れそうな感じだったからさ、手伝ったわけなんだ」


 御堂の疑問に正直に女将のことを手伝ったと柄池は話した。

 偽っても何になるわけではないからでもある。


「ああ、そういうこと」


 龍富は理解の言葉を普段の会話のように出した。

 急いでいるときに柄池が勝手に他のところへお節介を焼くというのも、龍富は何度も見ている光景で、特に驚くことはなかった。


「まあ、あの女将さんは綺麗だったしな、手伝いたくなるのは分からなくもない」


「からかわないでくれよ、俺も悪かったとは思っているんだから」


「ああ、悪い悪い。冗談さ」


 古賀松の茶化し話に柄池は悪かったとの言葉で軽く流して、古賀松は謝りの言葉を出した。


「とは言っても、これ以上遅れるならこっちは先に言ってると連絡システムで伝言して置くこともできたしな」


「遅れてもそれで問題は無いわけだし、万一依頼人との話に参加できなくても、こっちで話の内容を掲示板に、とも出来たからな」


 龍富は柄池が遅れたことに対応も可能だと話し、御堂もスマホを小さく掲げて他の手段での対応もできると言葉を出す。


「遅れる事はそれとして、やっぱり間に合わないのも、避けておきたいからね。遅れた事自体が悪いけど、間に合わせたいよ」


 柄池はそれでも遅れることは避けたいと話す。

 確かにそういう風に遅れても対応手段が出来ていることは分かっている。

 しかし、これでもここのリーダー、リーダーだけが話しに来ていない状況は避けておきたかった。

 そうして8人が歩いているところ、大越は口を開く。


「待ち合わせ場所だけど、あそこだよね?」


 大越はある場所を指差して声を出した。

 指差した場所は川を跨ぐ橋が架かって、その上看板が置かれている場所であった。


「あ、そうだね。あそこで間違いないよ」


 柄池は間違いないと指差した場所を見て肯定をした。

 ただ、待ち合わせ場所としても問題は無いのだが、人らしい影もあの場所にはいなかった。


「じゃあ、まだ依頼人は来てないようだしもう少し待ちましょうか」


「なんとか間に合って良かったよ」


 八雲は待つことを提案して、龍富が間に合ってよかったと言葉を出した。

 それから8人は時間まで何分か待つ。


「そろそろ時間になるわけだけど……まだ来てないね」


「そろそろ来てもいい頃合い……あれ、あそこって」


 スマホの時間を確認して愛川は言葉を呟く。

 大越もスマホを少しの間確認して言葉を話すと、待ち合わせの場所から外れた場所へと視線を移す。

 その先には黒い髪色の女性が走る姿が見えた。


「よーし、なんとかセーフ! 遅刻じゃない!」


 こちらに向けて走って来た黒髪のスーツの女性は、間に合ったとの言葉と共に柄池たちのいる場所を足で踏み抜く。


「えっと、依頼したのはあなたですよね、白河(しらかわ)さん?」


「あ、うん。私が白河よ。あなたが退魔師同盟で間違いない?」


 柄池は依頼人かと確認をすると、一息をついてから白河だと答える。

 それに対して白河は疑問も自身の言葉に付け足す。


「はい、間違いないです」


「じゃあ、いいわね。早速、今回のことで指示したいんだけど?」


 柄池はその疑問に肯定の言葉を出して、早速と白河は任務についての話を始めた。

 依頼段階でも急いでいることは分かっていたが、現時点でも急いでいることが垣間見える。


「今回は物を探して欲しいって伝えたよね? 天狗の一族が置いている置物を探して欲しいんだけど」


「探すのはいいんですけど、置いている場所はどこに?」


 白河が任務内容について話すと、御堂はその場所について問い始める。


「この近くにあるけど、実は場所がそれ以上は分からなくて……資料で残していたのだけど、処分して今はもうないのよね」


「分かったけど、それはそれで大丈夫なのか……?」


 場所について周囲にあると指を横に回しつつ白河が話すと、龍富は理解をしつつも別のところで不安を語る。


「否定はできないわね、上司も忘れたということだし、みんなに探してもらいたいわけ」


 小さく笑った後、白河は自嘲も込めて探したい旨を言葉にする。

 柄池は見えない部分で振り回される白河に同情を感じてしまう。


「それで探してもらいたいものだけど」


「もしや秘匿像の事かしら?置いているってなると」


 白河が探すものについて語ろうとすると、八雲の疑問が白河の言葉の途中で割って入る。

 八雲の知識からくる言葉は信用性はあった。

 おそらくはそれを探すのであろう。


「そうよ、というか知っているのは凄いわね。あなた」


「感が混ざっての言葉だけどね、置いているとなるとそれと金塊像か忠告像の三つかと思ったのだけど」


 白河はその通りと言葉を出しつつも驚きも言葉にあった。

 それに八雲は感も混ざった言葉とも補足をした。


「それじゃ、秘匿像を探して来て欲しいって伝えれば大丈夫かしら?近くにあるほこらか洞窟の中に像はあるってことは分かるから、お願い」


「分かりました。それじゃあ、二人に分けて開始ってことで」


 白河が手短なお願いと補足を伝えてから柄池は了解の言葉と二人での行動開始を指示した。


「申し訳ないんだけど、急いでいるから見つかり次第、私にすぐ渡して欲しいの。ここで私は待っているから」


「すぐに見つけるようにしますので、待っていてください」


 白河は申し訳なさと急かされ気味の言葉でお願いの言葉を出して、龍富はすぐに見つけると返した。

 柄池も早く見つけようと思っている傍で、御堂は口を開く。


「あ、周囲のほこらと洞窟って幾つありますか? それが分かると、少しやりやすいんですが」


「ああ……っと、幾つだっけ?ごめんなさい分からないわね」


 御堂の疑問に白河は少し思考した後、分からないと返す。


「じゃあ、基本二人組で行動して、何かあったら個別に、がいいかな。一人で何かあったら、その時は困るしな」


「像って重さはどれくらい何だ?女性二人に持たせるってのはきついんじゃ可哀想だし」


 御堂は二人組での行動がいいと判断し、古賀松は像の重さについて疑問を言葉にする。

 個人個人で広範囲に探す方はいいのだが、柄池としても一人で連絡が取れないほどの事故に巻き込まれるのは避けたかったので、二人の方がいいと判断していた。


「そこそこ重いけどね、ただ男性なら一人で持てるくらいだから」


「じゃあ男女に分かれてってのがいいよな」


 古賀松の疑問には八雲が解答して、なら男女の組みがいいと言葉にした。


「なら俺のパソコンの部屋割りの機能で決めてしまうか、すぐ決めることはできるからちょっと待っていて」


 御堂の一声で男女の組み合わせが決まることになる。

 それから秘匿像の特徴を聞いて、男女の組みで像を探す事となった。

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