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退魔師組織の協力 12

ここのみアクセサリーの持ち主視点

 時刻は夜。

 とある建物に一人の女性が立っている。

 その女性、制服を着た小柄な女性はツインテールを夜風になびかせて、屋根の上で佇んでいた。

 彼女は虎道瑠璃姫。


(そろそろ来る時間かしらね。それと……)


 瑠璃姫はスマホの時計を見ながら、考えごとをしていた。

 そこで、別の人物が近くの建物から瑠璃姫が上がっている建物に飛び乗って来る。

 その人物、長い金髪の女性は瑠璃姫の方へと歩み寄る。

 この人物こそ、瑠璃姫の待っていた人物だ。


「約束の情報は手に入れてきた、これだ」


 女性は手に持ったUSBメモリを瑠璃姫に向ける。

 そのメモリは瑠璃姫の手に渡った。


「ええ、確かに頂いたわ。コガネ」


「あの芦崎という男、予想以上に捕まるのが早かったわ。でも、支部の情報はこの通り、そのメモリに入れておいたわ」


 瑠璃姫は受け取ったことを言葉にも出し、コガネは芦崎について話す。

 今回の退魔師支部での騒動は実はコガネの差し金となっている。


「契約通り支部に混乱を招いて、その隙に情報を盗む。それで私は十分に役目を果たしてくれたけどね」


「まあ、あなたがどう言っても構わないけど、私はこうやって退魔師支部の情報さえ手に入ればそれでいいから」


 コガネは芦崎のことは評価して、瑠璃姫はその言葉に興味ないと返答をした。

 芦崎が騒動を起こして、コガネがその隙に潜入して情報を取って来る、それこそが今回の狙いだ。

 コガネが芦崎を選んだ理由は訳のわからない犯行動機でも通じるということで選んだとのこと。


「一応確認だけど、情報はありませんでした、ということはないわよね?」


「まさか。そんなつまらないことはしないさ。そんなことしたら、これから仕事がなくなってしまうよ」


 瑠璃姫は情報について確認を取ると、コガネはそんな事はないと笑い飛ばして答える。

 一応大丈夫とは考えているも、念のための確認として聞いておくことにする。


「その情報の中に、これからあたしたちがあんたのところに連れて来る化者の情報も入っているんだろ? ならば、お粗末にできないさ」


「そういう事、よく分かっているじゃない」


 コガネは今回渡した情報についても語り、瑠璃姫はそれに肯定の言葉を出した。

 大丈夫という理由はこれだ。


「しかし、顔が仮面でも被っているように表情の変化がないね、あんたは」


「よく言われるわ。褒め言葉として受け取っておくわ」


 コガネは瑠璃姫に視線を送って話し、瑠璃姫はそれに言葉を返した。

 感情の変化が分からない、それは瑠璃姫が周りからもよく言われる事で、自身はその言葉にはどうとも思っていなかった。


「じゃあ、ここに長居はできないから、ここでお別れだな」


「ああ、ちょっと待ちなさい。一つ聞きたいことがあるわ」


 言葉と共にコガネは背を向けると、瑠璃姫は待ったの言葉を出した。

 瑠璃姫の言葉でコガネは立ち止まる。


「あれは見つけた?」


「あれか……」


 瑠璃姫はあるものを見つけたかと聞くとコガネは言葉を出す。

 言葉の後にコガネは思考をする。


「って本気で探してたのかい?」


「本当に探しているからあなたに言ったのよ。まあ、そこはおまけだから、見つからないでもいいけれど」


 コガネは驚き混じりの疑問を顔を瑠璃姫に向けると共に投げる。

 瑠璃姫は飽くまで見つけられたらという事で頼んでいたので、見つけられなくても特に何かする気もないことを伝えた。


「こういう反応をしたわけだ。探したかなんて分かるだろ? あたしはこれで引き上げるよ」


 コガネは持ってないとの言葉と共にこの場から去った。

 その後に屋根の下から4足の獣が出て来る。

 その姿は頭は猿で虎の四肢、狸の胴体と蛇の尾を持つ鵺と呼ばれる化者であった。


「終わったか? 瑠璃」


「あとは情報の確認だけど、ここでやることは終わりよ」


 鵺は瑠璃姫に近づきつつ話し、瑠璃姫は終わったことを告げる。

 その言葉の後に鵺は姿勢を低くして、瑠璃姫が乗りやすい位置まで背を下げる。

 その後に鵺の背に瑠璃姫は乗った。


「この情報を入れたと言うことは……私たちも少しづつ行動というわけか」


「退魔師の警戒は中々に厳しいからね。こういう状況では私たちしか動けないわ」


 言葉と共に鵺は飛び上がり、その背の上で瑠璃姫は言葉を返す。

 これでも瑠璃姫は元退魔師で、その退魔師を敵に回している。

 その為、撹乱させやすい瑠璃姫が動いているというわけだ。


「主に動かすのはあっちの方だけど、動けそうな時は私たちも行くわよ」


「ああ、いつでも行けるようにはしておく」


 夜空を飛ぶ鵺に後ろから瑠璃姫が話しかけて、鵺は返答をする。

 そこで瑠璃姫はふと気がかりであったあることで口を開く。


「それにしても、あのアクセサリーはどこへ言ったのかしら?」


「それほど大事か? 今の状況では探す行動さえも困難だというに……」


 瑠璃姫はアクセサリーを事前に無くしていて、それについて話す。

 鵺はそのアクセサリーについて大事なものかと聞き返した。


「ええ、そうよ。あのアクセサリーはもう生産してないし数も少ないし、何よりもお気に入りなんだから」


「それは聞いてはいるが……」


 瑠璃姫はアクセサリーの重要性を説いた。

 鵺もまた一応の納得はしていたものの、尾を引くような無言の意思を表している。


「コガネだけでなく、鵺も探しなさいよ?」


「心配するな。随分前に探し始めている」


 瑠璃姫は鵺にも探すようにと話すと、鵺は心配ないと返答をした。

 鵺が探していると言えばそうなのであろう。

 これでも瑠璃姫の言葉を忠実に実行してくれる信頼できる発言ではあった。

 ただ、瑠璃姫としてはわがままを言えない状況ではあるも、見つからない状況に不平は言いたいとは考えていた。


「あれはどこ行ったのかしらね?」


 空から街を見下ろして瑠璃姫は呟く。

 見下ろしても見つけられないのだが、見つかってほしいと言う思いはやはり捨てきれない。


「私の……ペットボトルジェイソンのアクセサリー……」


 瑠璃姫は無くしたアクセサリーであるペットボトルジェイソンのことを言葉にした。

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