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退魔師組織の協力 8

「そう、そうなんだよね。近くに土の精を出す装置があってもおかしくないのだけど、それがなかったんだ」


「いったいどうやって土の精を生み出したのか……?」


 雷剣は水越弟の言葉へ肯定の意を出し、水越の姉は板状にした水を見ながら、言葉を話す。

 水越の姉は水を遠くに放して、その水を通じて遠くにいながら、視界外の場所も確認できるのだ。

 水に映した景色を今持っている板の水に映すことをしていて、今、水越の姉は視界外のところを確認していた。


「今は見えないですね、怪しい人物は……」


「んー、そうか……」


 水越姉は現時点の調査の現状を話し、雷剣は了承の言葉を話す。

 雷剣の知識では発生装置は二つの種類を知っている。

 スイッチを押してすぐに発生するタイプ、もう一つはスイッチを押した後、時間を置いて発生を繰り返すタイプ。

 その二つの共通点は発生装置と発生地点からはそれほど距離は置かない、具体的には発生地点が分かれば少し探せば装置の場所も分かるくらいにだ。

 考えていた中で雷剣は一つの存在を思い出す。


「そういえば……近くに研究している人がいたよね、土の精の発生装置を」


「ああ、芦崎(あしざき)さんでしたか? しかし、退魔師との関係は悪くなかったはずですよね」


 雷剣は思い出した存在を言葉として口に出す。

 水越弟もその存在を知っていたと口にしてはいたも、退魔師の関係についても話した。


「そうだね、あの人との関係は悪くないけど、現状、今回の犯人として一番考えられるし、違ったとしても話をしてもらえれば、有力なことを聞けるかもだし」


「まあ、聞けそうですが……ただ、あの芦崎さんは周りから変わり者だと話はありますね」


 関係性の良好から犯人とは考えにくい、その意見も肯定しつつ雷剣は話は聞いたほうがいいとも話し、水越弟も雷剣の意見に肯定の意も伝えた。

 その水越弟の言葉からは今回の犯人からは外れそうだとの意見が見え隠れしてもいた。


「現状は有力情報を聞けそうな人はあの人しかいないしね。当たってみるしかないはずだ」


 雷剣は次の行動予定についても話す。

 現状考えられる有力な行動はやはり芦崎へと話を聞くほかはないことから、この方法をやるべきと判断する。

 ここで空気が変わった。

 空気に棘がついて纏わりつくような風に雷剣も水越たちも察知して周りを見渡す。

 ただ、水越姉はずっと板状の水へ視線を合わせていた。


「これは……!」


「またも襲撃か……」


 水越弟の感嘆の言葉に雷剣の言葉も続く。

 その後、3人の周囲に土の精が出てきたのであった。

 数にして先鋭体を含まない30体。

 雷剣の脳に柄池と王駕の状況が浮かぶ。


「他のところはどうなっているのか……」


「ですが、収穫はあるわよ。雷剣さん」


 周りの土の精を見渡し、雷剣は支部周囲の状況への不安視を言葉として形にする。

 王駕は恐らく対処は行けそうだが、柄池の方は数によっては厳しい可能性もある。

 その不安を言葉にすると水越姉は雷剣を見て言葉にする。


「これを……」


「! ……これは……」


 水越姉は言葉と共に板状の水を見せ、その水に映った景色を見て雷剣は驚きの声を出した。


「間違いない……芦崎さんが……映っている」


「それと、スイッチを入れたことも私の目で確認済みです。この騒動は芦崎さん主導で間違いないと」


 今現在の情景だろう、芦崎が発生装置を持っている情景を見て、雷剣は驚きの言葉を漏らす。

 補足として発生装置を押す瞬間も確認したと水越姉は言う。

 言葉の通り、ほぼ間違いないだろう、芦崎が犯人だと言うことは。


「その場所は分かるかい?」


「場所もわかるし、見つからない限りの追跡もいけるわ」


 雷剣は視線を水越姉に戻して聞くと、追跡も含めて場所の特定も可能と話す。


「ならば、僕が直接芦崎さんの元へと向かうから、この周辺はお願い。あと、出来れば室内で見張ってくれてる柄池くんたちも余力があれば、フォローをお願いしたいな」


「ぐ……キャパオーバーの注文じゃあ……でもやるだけのことはやりますんで」


 やるべきことが固定化した今、雷剣は指示を出す。

 水越弟はその指示はやるとも言うも、言葉の後に苦笑いが浮かぶ。


「うまくいけばあっちを叩いて解決かもしれないし、僕は急いで芦崎さんへ向かうよ」


「そんなテレビの原始的修理じゃないんですからと、言いたいですが逃げ切られるのもあれですし、お願いします」


 雷剣は補足の言葉を出すと水越弟は冗談を言いながらも雷剣に芦崎のことを任せると言う。

 言葉と表情を見るに水越には割と余裕が見られてもいる。

 ここでようやく土の精はこちらに向けて足を踏み出した。


「それじゃあ、後は先導をお願い出来るかい?」


「はい、私が先導を引き受けます」


 雷剣は芦崎までの道案内を言葉で頼むと水越姉はそれを引き受けてくれた。

 水越姉は言葉とともに手のひらで水を作り、水は円を書く動作で宙に上がる。

 更にと水越弟は瞬時に両の腕に水を纏った。


「おっと! 雷剣さんの邪魔は良くないぞ!」


 水越弟は言葉と共に纏った腕で殴りかかろうと土の精へ接近し始めた。

 そして水越姉の作った水は水越弟と並行するようにその場から移動し、雷剣はその水へとついていった。

 水越の二人は水場が絡む場所の方がよく任務に駆り出されるが、今回のような水場のない場所でも力を発揮できないわけではない。

 もちろん、水場があるとなおいいのだが、水を生み出して力を発揮することも可能なのだ。


「あとは室内の柄池くんのも救援もできたらねー」


「やるつもりはありますが、期待はしないでくださいよー」


 雷剣はついでということで、室内の救援も頼み、水越弟もやる意思は言葉として見せてはいた。

 水越姉は接近して拳で殴りかかる土の精に対して水の盾を出して、攻撃を防ぐ。

 このように水越の二人は刀に頼らず、水で戦う戦闘方法で、姉が防御や補助、弟が攻める戦闘で役割を決めている。

 以前にも任務で王駕と柄池の補助もしたりと、力は備えた退魔士たちである。

 そのため、人数には差があるも、この場を任す力は十分あるのだ。


(さて、あとは僕の方だな……ほぼ犯人ではあるけど、聞いておくことは聞いておかないとな)


 雷剣は駆けながら土の精に刀を振るい、思考もする。

 水越姉の見間違いという可能性も考えながら、雷剣は道を文字通り切り開いていた。


 雷剣は駆けながら土の精に刀を振るい、思考もする

 水越姉の見間違いという可能性も考えながら、雷剣は道を文字通り切り開いていた。

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