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人魚捜索 23

ここまで御堂視点

 任務を終えてから何日かが経ち、御堂は八雲との約束の日を迎えた。

 約束は前回の任務を終えてからすぐにきた平日に取り決めたのだ。

 当然、古賀松と大空に知られないようにスマホの買い換えの約束、この日は平日ではあったが、お互いに講義の空きがあって時間が取れたため平日となった。

 今御堂は待ち合わせの場所へと向かっているところである。


(待ち合わせの時間にはまだ余裕があるな……)


 御堂は歩きながらスマホの時刻を確認して心の中で余裕を呟いた。

 今回は都心部の方の電化製品店で買い換えることになったため、都心部のよく使われる待ち合わせ場所で落ち合うことになっている。

 御堂の状況はあと数分で時間に余裕を持って、待ち合わせ場所につくという状況だ。

 御堂は数分歩くと待ち合わせの場所が視界に入り、同時に八雲も視界に入る。


「八雲さん、待たせたかな?」


 御堂は声を出しつつ、八雲に近づいて行く八雲はパンフレットを読んでいて御堂が近づくと、御堂の方に視線を移す。


「いや、それ程待ってはいないわ」


「そう? なら良かったんだけど、それじゃあ早速だけど行こうか?」


 八雲は長い時間待たせてないと伝え、御堂は早速移動すると話す。

 八雲も話に頷いて同意の意思を伝えると御堂と八雲は移動を始めた。

 移動は御堂を先頭に八雲がついて行く形。

 それについて御堂は思うことがあった。


(これは傍から見ればデートだと思われるよな……ほんと俺には似合わない姿だよ、本当に……)


 他人から見る自分の姿に言葉に出さず、御堂は気を病んでいる。

 御堂はモテるような外見でもなく、見た目の通りに彼女なんてものもいるはずがなかった。


(八雲さん、俺と一緒に移動してるだけで嫌になっているんじゃ……ない……よな……)


 一応御堂とも一緒に行くことは許諾しているも、モテない男と一緒で不満が募ってないか、可能性は低いも、御堂はそんなことがと心の中に不安が出来ていた。

 八雲の気を知ろうにも、パンフレットで顔の表情を隠している中で表情は探れるわけがない。

 そんな中で御堂と八雲は電化製品店へと向かうのであった。

 歩く事十分前後、二人は目的の店へと辿り着いた。


「さて、ここで買い換えるわけだけど、歩きながら聞きたいことがあって、いいかい?」


「何かしら?」


 御堂は八雲に質問をして、八雲は聞き返す。


「何かスマホでこういう機能が欲しいって要望はある?」


「すまほでの欲しい機能?」


 御堂は八雲の要望について歩きながら聞くことにする。

 本来であればもう少し早めに聞く方がベストではあったが、御堂は聞きそびれていて聞けなかった。

 ただ、御堂にとってはさほど問題ではなく、ここで聞いてもある程度の問題は解決できるくらいにはスマホの知識も備えていた。

 八雲は再び聞き返すと、少し思考のために歩きながら時間を割く。


「……思いつかないわね、最低限の機能さえあればそれでいいかしら」


「最低限ね。分かった」


 八雲は考えた結論を言葉にすると、御堂は理解を言葉にする。

 最低限となれば多くの人に普及されている会社のスマホで十分であろう。

 それであれば、御堂の作成したプログラムも動くため、御堂はスマホの候補を絞ることが出来た。


「じゃあ、最低限の機能が付いていてそれ程お金のかからない方で行こうか」


「そうね、その条件を満たしていればあとは任せるから」


 御堂は確認の意味を込めて八雲に総括した意見を伝えると、八雲は任せるとの言葉を伝える。

 二人は店内のスマホ売り場へ向けて移動する。

 そこで八雲を見ると、そこら中に顔を向けて様々な場所へと視線を送ってもいた。

 御堂はこけたり別なものにぶつからないか不安になりながらも、二人は移動して行く。

 御堂は真っ直ぐに歩いて行くと、今度の八雲の行動は勝手に右へと曲がることをしてしまう。


「あ、八雲さん。こっちだよ、こっち」


「ああ、そうね。ごめんなさい」


 八雲の突然の行動に驚きつつも、御堂は注意の言葉をかけた。

 八雲は御堂の方へと向かいながら謝る。


「もしかして、こういうところってあんまり行かない感じかな?」


「そうね、この店は初めて来たわね」


 御堂は一つの考えのもと疑問を八雲に投げかけると、初めてと八雲は答える。

 この答えから一つ考えたことがあった。


(もしかして……電化製品は疎い人なのかな? 八雲さんは……)


 御堂は八雲に対する結論を心の内側で出した。

 携帯を持っていることと今の反応からこう見るしかないであろう。

 あまり変な目で見ては気分を悪くすることもあるので、目の色と言葉には気をつけることにした。

 そして、御堂と八雲はスマホの買い替えをすることへとなった。



 御堂と八雲は買い換えた後、近くの公園にいた。

 理由としては、八雲が使い方に不安があるように見えたため、御堂が使い方を教えようかと提案したのだ。

 それから、八雲は提案を受け入れて近くの公園で使い方を教えることになった、というのが公園に来た理由となる。


「これらのことを覚えれば基本的な動作は大丈夫だから、あとは大丈夫だよ」


「わざわざありがとうね。これで助かったわ」


 御堂はベンチに座りつつ八雲への教授を終えた事を伝え、八雲もまたベンチに座ったまま礼を言う。

 更に御堂は広げた説明書も自らの手で片付けていた。


「それと、分からないことがあれば俺でもいいし説明書に頼ってもいいから」


 御堂は説明書を渡しながら、補足の言葉を話す。

 御堂も教授しながら周りを見たが、あまり人通りがない公園のようだ。


「時間はまだ余裕だけど、まだ講義も残っているし、そろそろ大学へ戻ろうか」


 御堂は大学へと戻ることを話した。

 公園には教授のために留まっていただけなので、ここはもう移動しても構わなかった。

 御堂が荷物を持ってベンチから立ち上がる。


「私って変わっているかしら?」


「え?」


 すると、八雲は座ったまま疑問を呟く。

 突然の言葉に驚きの言葉が御堂の口から出る。


「……」


 御堂は無言になる。

 八雲が異質だとは周りが見ても間違いない。

 御堂は答えに迷っていた。

 と言うわけではなかった。


「変わっているかと聞かれたら、変わっているとは思う」


「……」


 御堂は答えを話し、八雲は何も言わずに聞いた。


「でも、それが他人に迷惑をかけない部分だったら、そのままの方がいいと思うんだ」


 続けて、御堂は答えを話した。

 変わっている自分に対しての結論は自分の中で持ち合わせているのである。


「変わっている部分を無理に変えれば、その自分として維持するのに余計な苦労をするし、結果的に自分が嫌になってもくるでしょ。だから変だと思う部分は他人に迷惑でなければ変える必要はないと思うんだ」


「何故、そう思えるの?」


 御堂は自分の持論を八雲に話す。

 対して八雲は理由を問い質した。

 また、いつの間にか八雲は説明書で顔の下半分を隠してもいた。


「何故って俺の家が道場やっているから、父さんも兄さんも武闘派で、俺だけこんなんだからかな。無理に父さんたちに合わせてもきついだけだったから、そう思っているんだ」


 御堂は理由を話した。

 父からはそれほどでもない上に許容範囲であるが、兄からの体力がらみの無茶振りはよくある方なのだ。

 一度は訳ありで兄と全く同じ特訓を何週間かやっていたこともあるが、ついて行けず辞めたこともある。


「だから、八雲さんみたい無理して変わる必要はないと思うよ。パソコンとかスマホの事は俺が対処できるから。……それ以外はダメだけど」


 御堂は進言するように八雲に言葉をかける。

 御堂としても経験上から信頼できる話なので、八雲にとっても無意味な話ではないはずであった。


「そうなんだ……」


 ただ、八雲は聞いた説明を一言だけ返しただけであった。

 御堂は予想以上の手応えのなさに拍子抜けをする。

 顔の半分を隠していて、表情からも察することは難しく、声の様子から判断するしかなかった。


「それじゃ、行きましょう。私も講義がまだあるから、行かないと」


「あ、うん。そうだね」


 荷物を持ちながら八雲は立ち上がりつつ次の行動を言葉にする。

 御堂は拍子抜けして同意する言葉ぐらいしか言えなかった。

 立ち上がったあと、二人は公園を後にして、移動する。


(気になるな……どういう反応をしたのか。こういう時表情が分からないとな)


 御堂は顔の表情を隠した八雲に対して心の中で気になっていた。

 進言としては悪くはないと思っていたので、どういう反応であったのか御堂は気がかりであったのだ。

 直接聞いて探る事も変な気にさせるだけで手段のうちには入らない。

 そして御堂はそれを探る術を見つけられず、大学へと着くのであった。

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