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人魚捜索 2

 大学へ向かった龍富は大学の午前中の講義を終えて、とある部屋にいた。

 同盟の集まりは昼休みにやることに決めて柄池の方から連絡を入れて、部屋での集まりをするようにしたためだ。


(しかし、こう来るとは……)


 龍富は部屋の光景に感想を心の中で呟く。

 部屋には同盟の全メンバー8人が揃っていたのだからだ。

 龍富の予想では一人か二人は来れないだろうと予想していただけにだ。

 無理をして来たのではなく、余裕があってこうして来れたとの話だ。


「みんな、今日は急な要件で来てくれてありがとう。それじゃ、今日来てもらったことで話をしようか」


 柄池は教室備え付けの黒板の前で礼を言い説明へと繋げる。


「最初に今後の退魔師同盟としてやって行くことについて話そうか」


 まずという事で目標について柄池は話す。


「この同盟のやることは基本的に化者絡みで困っている人を任務として解決していくことにあってね、前回の任務のように」


 柄池は説明の後に手の先を軽く外に向ける。


「それで任務を受けていってランクの高い任務を段階的に受けていく。それがこの退魔師同盟の目標だね」


 柄池は同盟の目標について語る。

 龍富の目標も柄池に事前に話しているため、ランク上げをする必要は理解している。


「そういう事。ついでにランクが高いと相応に危険度も高くなる。危険な任務を受けるためにはこの同盟のランクを試験を受けて認められるようにならないとダメなんだ。ちなみに同盟の今のランクは最底辺だ」


 今度は龍富が口を開き、同盟の現状とともにランクの高い任務について話した。


「まあ、最底辺でも恥じることはないけどね。最底辺の任務を沢山こなして生活している人もちゃんといるから」


 柄池は最底辺についてに余談を語る。

 その話で大空が口を開く反応をする。


「へー、最底辺って響きは良くないけど、悪い立ち位置ではない感じかい?」


 口を開いた大空は疑問を投げかける。


「ちゃんと最底辺の任務だけ受けていっても裕福に暮らせる人もいるくらいにね。最底辺のランクの人でも退魔師たちの中でいい意味で名の知れわたる人も居るからね」


「ははー、なるほど」


 柄池の説明に大空は納得の声を出す。


「言っておくけど、俺は最底辺のままで維持していく心積りはないからな。危ないのが嫌だというんだったら、俺は抜けてもらっても全然構わない」


 龍富は同盟の目標は揺るぎないと釘を打つ言葉を素早く言う。

 その言葉に柄池は気のいい顔はしなかったが、文句自体は漏らす様子はなかった。


「まあ、兎も角。今の受けられる任務自体はそれほど危険ではないから。それじゃあ、今回の任務について話をしていくよ。今回はとある人物を探して欲しいって任務が来てね」


 一つの話題を終えて柄池は別に話題に切り替える。

 ここまで説明が簡潔で分かりやすいのか、6人は真面目に説明を聞いていた。


「ん? と言うと広範囲を探さなきゃ、か? 時間がかかりそうじゃないか?」


「そこは大丈夫。探す範囲は周辺で、その周辺を探せない人物から受けた任務なんだ」


 古賀松からのふとした疑問に柄池は説明を行う。

 そこで八雲は口を開く反応をする。


「……もしかして人魚からの依頼?」


「お! 正解。察しがいいね」


 八雲の推測の言葉は今回の任務に当てはまった答えであり、柄池は驚きと正解を伝える。


「え? すごい! なんで分かったの!」


「人魚が比較的活発化する時期が春の時期なのよ。人魚は人見知りだから夏は人前に姿を見せないよう消極的で、秋も冬も水温自体が冷たいから積極的には動かない性質なの」


 愛川も驚く言葉を伝えると八雲は解説を始めた。

 龍富の知識と照らし合わせてみても間違いはなく、龍富は愛川とともに感心しながら話を聞いていた。


「で、人に化けられる人魚を人に化けられない人魚が探して欲しいと言う依頼なのかしらね?」


「そう言う事。八雲さんの丸ごと言った通り人間に化けられる人魚を探して欲しいって事でね」


「おー」


 八雲の解説と答えに柄池が正解を伝えた後、大越と愛川から驚きの声が発せられる。

 その他の古賀松、大空、御堂も感心の様子で聞いていた。


「と言うことを今週末にやりたいと思うんだ。無理強いはしないし急な事だけど、みんなは都合はつきそう?」


 そして任務ができるかについて柄池は皆に問いかけをする。

 その答えを龍富は大きな期待をせず待っていた。


(流石に急な話で全員来ると言うことは無いはず……)


 龍富は言葉には言えない思いを内側に留めた。

 龍富自身はいざ皆を守ろうとするとこの人数では守りきれない可能性が高い。

 その為少しでも人数が減ってくれることが龍富にとっては望ましい。


「週末? 俺はおっけー。朱鷺子もだよな?」


「こっちも問題なし」


 古賀松、大空の順に行けると伝える。


「私もいけるわよ」


「俺は言わずもがな」


「私も今度の週末は大丈夫」


「私は……その日は行けるから」


 更には八雲、御堂、大越、愛川の順にそちらも行けると伝えた。


「おー、良かった! みんなありがとう!」


「……嘘だろ? 全員か……」


 柄池が喜びの言葉を言うのに対して龍富は戸惑いの言葉であった。


「危険度は低いって言ったって危ないことは変わらないんだぞ!」


 龍富は皆の意思を言葉で問う方向へと出た。

 その言葉に先に反応したのは大空であった。


「それは承知さ。危険な目に合う覚悟はできての判断でね」


「俺もいざってなったら出来る手はある方だぜ。どうしようも無かったら朱鷺子も居るし大丈夫」


「危険な目にあってもいく価値はあるわね」


 大空、古賀松、八雲の順に意思を伝える。

 大空は拳を握り、古賀松は大空へと視線を移し、八雲は大きな動きを見せずに言葉を表す。


「私は追いつかれないように逃げるから!」


「私も追いつかれないように……多分行ける!」


 大越、愛川も順に意思を伝えていく。

 御堂は自らの意思を言える状況ではないので、ここでは何も言わなかった。


「ということで……」


「……ああ、分かった。こっちで出来ることの範囲外になったら面倒は見れないぞ」


 最後の柄池の言葉にて龍富は皆の意思を汲み取る言葉を述べて、頭を片手で抱える。


(俺からの言葉はこれ以上言ってもダメそうだな……)


 それと同時に龍富は、溜息を吐きつつ、内心での言葉に留めた。

 龍富としてもここまで言った以上、自らがこれ以上の言葉を述べることは意味のない言葉だと分かったからだ。


「じゃあ、後の細かいことは一回置いておいて……サブローって、話していたやつ出来ている?」


「ああ、出来ていてだな、えっと……時間はまだ大丈夫だし、入れてもいいかもな」


 柄池は話の区切りをつけて別の話に移行をすると、御堂は何かしらの準備が出来ていることを話す。

 これの話は実は龍富も柄池経由で少し聞いていた話でもあった。


「ん? なんかサブローの方である?」


「もしかして、少し話していたあの連絡システム?」


 大空がこの話について疑問の言葉を呟くと、龍富は疑問にもある程度答える形で柄池に言葉を伝える。

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