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常闇(とこやみ)の女神 ー目指せ、俺の大神殿!ー 闇よ集え! わが権能が、あまねく世界を覆う!  作者: 山口遊子


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第99話 巨人戦


 白い巨塔の中に入っていた黒い巨人。


 トルシェのファイヤーボールで周りの壁が破壊されて腰まで露わになった。


 巨人はいまだに動く気配はない。


「チマチマ削っていって、途中でこいつが目を覚ますと面倒なことになりそうだから、一撃で斃した方がいいな。大出力の『神の怒り』で仕留めてやろう。二人とも、かなり下がってくれ」


 大巨人ではあるが、たかだか五十メートルの物体だ。都市破壊レベルの『神の怒り』は必要ないだろう。


 ということで、大出力とはいったものの、そろって二百メートルほど後ろに下がったところで振り返り、暗闇の中うっすらと見える巨人に向かって、


「『神の怒り』発動!」


 上の方に空があるのかどうかわからないが、巨人の頭の上に雲の渦が巻き始め、渦の中心から真っ白い光が巨人の頭に直撃した。視界の中の何もかもが白くなってそして光が消えた。


「やったか!」


 つい禁句が口から出てしまった。


『神の怒り』を初めて見たサティアスが、鳥かごの中で目を見開いてつぶやいていた。


「確かに『神の怒り』……。妙なちょっかいを出していたら今頃(われ)は……」


 運の良し悪しってあるよな。サティアスよ、せいぜい自分の幸運に感謝するんだな。


 サティアスはどうでもいいが、先ほどまで黒い巨人が立っていた光の消えた先には、いまは一回り小さくなった赤黒く発光する巨人が立っていた。さらに問題なのは、両目が開いて俺たちの方を睨んでいる。嬉しくはないが、フラグはちゃんと回収されたようだ。


『神の怒り』でこいつの封印を解いてしまった可能性もあるが、だからと言って今さらどうなるわけでもない。


 さてどうやってこいつを斃そうかと思いながら、鳥かごを地面に置いてエクスキューショナーとリフレクターを両手に構えたところで、いきなり俺たちを睨んでいた両目が光った。


 気づいたときには、俺の立っている場所のすぐ横が赤く溶けて溶岩のようになっている。直撃を受けたら俺でさえただでは済まなかっただろう。


 心配なのはトルシェとアズラン。特にトルシェだが、気付けばアズランと一緒にかなり俺から遠ざかっている。いまトルシェがスクッと立ち上がったところを見ると、いつかのコロコロマニューバーで退避したようだ。あれって、無風状態でもアズラン並みの速度が出せるらしい。


 しかし、巨人の攻撃は目が光ったと感じた時にはもう遅いので、目線を読み取って位置を変えなくてはならない。すでに戦闘モードに入っている俺でも、目の動きは一瞬なのでなかなか難しい。一撃や二撃なら俺なら耐えられると思うが、負傷して動きが遅くなってしまえばじり貧だ。当然被弾しないに越したことはない。


 巨人の眼力光線をかわす一番簡単な方法は巨人の死角である後ろに回り込むことだ。


 ということで、一気に加速した俺は、巨人の後方に移動をはかる。


 まずは蛇行しながら巨人に近づいていくが、今の状態が一番危うい。それでも、巨人が眼力光線を発射する時、一瞬だが目線を固定しなければならないようで、そのすきに射線を逸らすことができる。


 いまのところ巨人は突っ立ったままで眼力光線を撃ってくるだけだ。


 数発の眼力光線をかわして、なんとか巨人の足元の壁を破壊した瓦礫までたどり着いた。ここから後ろに回り込むだけだが、瓦礫の足場が悪いのでスピードが出ない! 大回りでも瓦礫の外側を走ればよかった。


 ここまで近づくと角度的に巨人の顔は見えないので、上を見ずに移動していたら、一瞬辺りが明るくなり、俺のすぐ横の瓦礫が巨人の眼力光線で赤く溶かされてしまった。幸い眼力光線に当たったところは溶けるだけで吹き飛ばないので、体勢を崩す心配をしなくて済むのはありがたい。


 前方を見ると、アズランがすでに巨人の脚の裏側にとりついてよじ登り始めている。トルシェの姿はここからだと見えないのだが、だいぶ遠くに退避中のようだ。トルシェの場合遠距離攻撃中心なのでその方がこちらも心配しなくて済む。


 俺がようやく巨人の踵辺りにとり付く前に、辺りが少しずつ青白く明るくなってきたので上を見上たら、ギラギラと青白く輝く巨大ファイヤーボールが巨人の顔に向かっていた。


 ドッガーーーン!


 いつものファイヤーボールでは考えられないような大きな爆発音だった。



 ドドーン、ズシン、ドーン。バラバラバラ……。


 あれ? 上から大きな塊や小さな破片が落っこちてきた。


 上を見上げたが、ここからでは良く見えない。


 そしたら上からアズランが跳び下りてきて俺の横に立ち、


「今の爆発で巨人の頭が吹っ飛びました」


 だそうだ。


 驚いていたら、巨人の膝が折れ、そして仰向けに倒れ始め、そのまま地面の上に轟音とともに倒れた。


 ドドドドーン!


 腹に響く音と、煽られた風。巻き上がる粉塵。


 粉塵が収まり、巨人が倒れこんだ場所には長く伸びた瓦礫の山ができ上っていた。


 トルシェの一撃で逝っちゃったらしい。


 最初、魔神アラファトネファル並みの敵を想定して少し緊張したが、あんなのがそうそういるはずないものな。それにしてもトルシェのファイヤーボール一発でんでしまうとは情けない。






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