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常闇(とこやみ)の女神 ー目指せ、俺の大神殿!ー 闇よ集え! わが権能が、あまねく世界を覆う!  作者: 山口遊子


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第60話 役立たずは、いっそ殺してゾンビにするか?


 特訓と称して白ローブたちを全力疾走させているのだが、全力疾走による長距離走には無理があったらしく広場を二周したあたりから全員が失速してしまった。


「ダークンさん。こんなんじゃ訓練してもものになりそうもないみたい。役に立たない連中がいくらいても無駄だから、このまま全員電撃で炭にしてしまいましょうか?」


 また、トルシェが物騒なことを言い始めた。ゼエゼエハアハアの白ローブたちに聞こえるような大声で俺に話しかけてくる。その声を聞いた白ローブたちの走行速度はほんのちょっとだけ上がったみたいだが、すぐに失速状態に戻ってしまった。


 トルシェの言っていることももっともだ。こんな連中が懲罰部隊と称して、魔術師ギルドの定める規則に従わない連中ににらみを利かせてたのかと思うと情けなくなる。


 この国にいる連中で骨のあるやつはいないのか!?


 これくらいのランニングでへばっているようでは、訓練にもならないし、こいつらの骨は硬くなりそうもない。


 まてよ、トルシェは一度見た魔法はなんでも自分で使いこなせるとか言ってたが、墓場で見た死霊魔法はどうなんだ? こうなったら、こいつら全員殺して、ゾンビやらスケルトンにした方が使いでがあるかもしれないな。


「トルシェ。このまえ墓場で死霊魔術を使って墓場からゾンビを呼び出していた魔術師がいたろ?」


「いましたねー」


「トルシェはあの時、死霊魔術を見たんだよな?」


「ごめんなさい。注意していなかったので見逃しました」


「それは仕方がないな。もし見ていたら死体を操ってゾンビにできたんだろ?」


「できたんじゃないかな。死霊魔術がどうかしましたか?」


「いや、あいつら、ちょっと走ったくらいでへばってしまって全く役に立ちそうにないだろ?」


「そうですね」


「そしたら、いっそのこと体を壊さないように殺してゾンビにした方が使い出があるんじゃないかと思ってな」


「ダークンさん。たいていのことには驚きませんが、わたしにさえその発想はありませんでした。そしたら、ダークンさん。おそらくですがダークンさんの『闇』の権能で死体を操ることができるかも知れませんよ。何せ女神さま、『闇』の権能で死体が操れると自分に言い聞かせればおそらく死体程度操れると思います。

 そういった奇跡の一つくらい信者の前でかましてやれば、信者は泣いて喜びますよ」


「なるほど、そっち方向(信者サービス)には頭が回らなかったな」


「今回は死霊魔術をじかに見ていないのですぐには使いこなせませんが、いずれできるようになっておきます」


 なんだか、『地位が人を作る』という言葉があったような気がするが、魔術師ギルドの評議会議長になったとたんトルシェが頼もしくなったな。


 俺たちが物騒な話をしているとは露知らず、必死になってもよたよた走っている白ローブ姿が痛ましく思えてきてしまった。これではどう考えても五十周は無理だな。


 そもそも、こいつら、疲労回復とかそういった魔術を自分にかけてないじゃないか? まさか、こいつら、そういった基礎的っぽい魔術すらも知らないってことはないよな?


 もちろん俺は小説で知っているだけで実物は知らないがな。ただ、魔術師ギルドの看板を背負って懲罰部隊などと大仰な名前を付けている割に情けないと思っただけだ。


 そう考えると『慈悲』の心でゾンビ化は勘弁してやろうかとも思ったが、やっぱりゾンビ化一択だな。どうせこいつら魔術師ギルドの魔術の独占を守るために無慈悲なことをしてたんだろうし。


 死ぬまでしごいて、本当に死んじゃったら、ゾンビにしてやろっと。



「なあ、アズラン。アズランから見てあの連中はものになりそうか?」


「私は魔法は使えないので何とも言えませんが、肉体的には鍛え方が足りないようですね。全力でこの広場を二周程度しかできないようでは、荒事専門の名まえが泣いてしまって、魔術師ギルドの看板にキズが付きそうで、ちょっと問題でしょう。『赤き左手』は死ぬ間際まで鍛えて限界を超えるような訓練をしていましたから、随分ここはヌルい組織だと思います」


「あいつらに何か特技でもあるのかな?」


「うーん。肉体強化以外に特技があれば、最初にトルシェとやり合った時に出していたでしょうからそんなものはないと思います」


「だよな。ますますいらない子に思えてきた。

 そういえば、この連中の中に管理職はいないのかな? 結局ここまでたるんでいるのは、管理職が怠慢だからだろ?」


「そうですね。しっかりした者が指導していればもう少しまともだったかもしれません。ですが、ダークンさんが言っていたように、この連中を殺してゾンビにしてしまうと、街中では使えなくなると思いますがそれはいいんですか?」


「うーん。それはまずいかも知れないな。夜の間だけ活動させたとしても限度があるし一週間もすれば腐ってしまって相当臭くなるから市民から苦情が寄せられるかもしれない。やっぱりゾンビ化は一応ペンディングとしておこう」



 そういえば、ここの組織体系もいまいちよくわからんな。そのうち事務長に組織図でも作らせてやろう。


 たまたま、最初に俺たちに絡んできたのが白ローブ連中だったが、そのせいで、ふがいなさが露呈したけれど、他の連中も五十歩百歩なんじゃないか? 要チェックだな。


 とにかく対外的には、この連中が出張って行って力づくで魔術を独占してきたという話だったれど、早急な対策は必要なことは確かだ。


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