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SAVE.102-46C:蒼の聖女とセーブ&ロード

「アキト、これは」


 ――なんて白々しい台詞。


 この先に待っているのは、シャロン=アズールライトの死だ。扉の先から漂う死臭なんて、とっくに嗅ぎ慣れていたというのに。


 


 まっすぐとここに向かったって、彼は絶対に間に合わない。彼女の死を回避するためには、別の手段を取らなければならない。


 けれど、唯一それを知っている私は……何もしなかったんだ。




 扉を開けた彼は、自害したシャロンの亡骸を見る。


「なんで、だよ……」


 絶望に打ちひしがれる彼を前にして、自分の中で最低の感情が産まれてくる。


「アキト、シャロン様はもう」


 嫉妬だ。


 彼に涙を流させる、シャロンがたまらなく妬ましい。二人の間に確かにある、目に見えないものが羨ましい。


 


 ――ねぇ、頼ってよ、私を。




 君が望んでくれるなら、私は何だって出来るのに。


 君が願ってくれるなら、何を犠牲にしたっていいのに。



 

 この光景は何度目だろう。短剣を手にとって彼は自分の命を奪おうをする。まるでシャロンのいない世界に価値なんてないとでも言うかのように。




 嫌だ、駄目だ、耐えられない。


 君がいない世界なんて、何の価値も無いのだから。




 私は何度もやり直す。この世界の主人公だけが使える、呪いによく似た力を使って。






『ロードしますか?』





▶SAVE.102-47:蒼の聖女とセーブ&ロード

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