表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/361

消えた記憶と愛する人の嘘 91 「カフェでの再会と、謎の糸」



場所がわからなかったが、まいが教えてくれたアプリを起動させ、目的地を検索した。数秒後、画面に目的地が表示され、指示に従って歩き始めた。


歩き進めると、すぐに目的地が見えてきた。扉を開けると、カランカランと鈴の音が響き、店内の客たちが一斉にこちらを振り返った。すぐに目に入ったのは、純一の姿だった。彼もすぐに俺を見つけ、手を上げて合図してきた。


席に着くと、純一は「何飲む?」と聞いてきたので、俺は「ブレンド」と答えた。ウェイトレスに「ブレンド1つ追加で」と伝えると、彼女はおしぼりと水をテーブルに置き、静かに戻って行った。


純一がすぐに話し始めた。「謙、今日はナイス判断だったよ。」


「俺もなんか前と違うって思ったから、適当に誤魔化したけど。」


と、俺が答えると、純一は少し困った顔をした。


「何か思い出したか?」


と聞いてきたので


「全然、まだ何もないよ。」


と、うんざりした表情を見せた。


「そういえば、お前、去年の春そんなに痩せたのか?でも覚えてないもんな。」と続けると、純一は少し黙り込んだ後、


「まいちゃんは知ってるかな?」と言った。


「帰ったら聞いてみるよ。」と、俺が言うと、純一はうなずいてから、突然、真剣な表情になった。


「頼むよ。」


そして、少し間が空いた後、俺は素朴な疑問を口にした。「純一、俺の事故は事件なのか?」


純一は真剣に答えた。「まだわからない。」


「でも、これはマジで信用してくれ。」と、純一は少し強調した。「なんとなく、興味があってな。」と、理由を告げた。


「謙が絡んでるから、それだけだよ。」と、純一が言うと、俺は黙ってうなずいた。


「そっか、ありがとうな。」と、軽く感謝の気持ちを伝えると、純一はあっけらかんと笑った。


「別にたいしたことないさ。」と、素っ気なく言った後、また話題は変わり、くだらない話ばかりが続いた。やがて、純一が何度もまいのことを褒めるので、俺は冗談交じりに言った。「お前には絶対やらんからな。」


純一は大きく笑いながら「そんなこと言うなよ。」と返し、会話を締めくくった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ