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361 【2人の未来】


俺はまいの肩にそっと手を添え、もう片方の腕を彼女の足の下にまわした。

そのまま、ゆっくりと体を持ち上げる。

まいの身体は驚くほど軽くて、けれどそのぬくもりは、胸の奥にしっかりと伝わってきた。


まいは何も言わず、自然と俺の首に腕をまわした。

ほんの少しだけ身体を預けるように身を寄せた。


まいを抱えたまま、ゆっくりとベッドルームへ向かう。

足音を立てないように静かに歩きながら、その時、このままずっと離したくないと思った。

腕の中のまいの存在が、あまりにもあたたかくて、

どこか夢の中にいるような気さえした。


部屋の明かりは落としてあって、

カーテンの隙間からほんのわずかに月の光が差し込んでいた。

その淡い光が、まいの髪や頬を柔らかく照らしていた。


ベッドのそばまで来ると、俺はゆっくりと

まるで壊れものを扱うような優しさで、まいの身体をそっとベッドに横たえた。


まいは、静かに俺を見つめながら、

その頬をうっすらと染めていた。


ほんのり赤らんだその顔が、どこか恥ずかしそうで、けれど――嬉しそうでもあった。


その表情があまりにも愛おしくて、

俺はまいの髪をそっとなでながら、優しく微笑んだ


ベッドの上のまいは顔を赤らめながらも、じっと俺を見上げている

「来てほしい」と言葉にせずに、すべてを預けるその瞳が、

何よりも強く、俺を引き寄せた



まいの目をじっと見つめると、彼女はそっと頷き、小さく唇を開いた。



唇が触れ合う… その瞬間に空気が変わった。

浅く、やさしく始まったキスは、やがて深く、激しさを帯びていく。

舌先が触れ合い、絡まり合うたび、まいの体温が一気に上がっていくのがわかった。


指先がまいの頬を撫で、首筋、肩へと滑っていく。


俺は彼女の細い肩を引き寄せ、胸元へと手を伸ばす。


その先にある柔らかな膨らみに触れたとき、

まいは小さく息を呑んで、身体を寄せてきた。

まるでその熱を求めるように、自分から抱きしめてくる


「……だめ、もう……」

そう呟きながらも、まいの指先は俺の背を這い、震えながらも強く抱き返してくる。


「……謙……」


小さく名前を呼ばれた声が、甘く、色を含んで耳に届く。

それだけで、理性の奥に潜んでいた欲望が俺の目を覚ました。


まいの首筋に口づけながら、俺の手は彼女の服の中へそして胸へと滑り込む。

その柔らかさ、ぬくもり、反応――すべてが、


まいもまた、俺の背中をなぞる指先に力を込め、

まるで「もっと深くつながりたい」と願うように、息を荒げながら身体を預けてくる。


「……あぁ……謙……あぁぁぁぁ……」


ふたりの身体が密着する。

熱を帯びた肌が触れ合い、擦れ合い、

まるでこの世界にふたりだけしか存在していないような、そんな感覚に包まれていく。


彼女の瞳は潤んでいて、熱に染まっていた。

その視線ひとつで、理性が溶けていく。


俺が服を脱ぐとまいも自ら服を脱いでいった。


静かに、そして確かに――

俺たちは、お互いを求め合いながら、心と身体を重ねていった。


 

肌がふれあい、まいが覆いかぶさってきた

まいの胸が俺の顔に押し当てられるたび、

まいの声が大きくなっていくのがわかった。


俺の指先が、まいの胸元へとゆっくり滑っていく。

まるで「もっと感じたい」と言っているように、身を任せてくる。

「ハァハァ……ハァ……あぁぁ……アァ……」

まいの体に触れるごとにまいの肌は熱を帯び、呼吸は徐々に荒く速くなっていく

ハァハァ……ハァハァ………

彼女の胸を上下するたびに、その鼓動までもが伝わってくるようだった。


首に回された腕は俺を強く抱き寄せてきて、まいは横になった、俺はまいの体を指先でゆっくり滑らせていく


唇が彼女の乳房に触れ、そっと舌でなぞると

まいは小さく身を震わせ、

「……もう……だめ……あぁ……」と、甘くも切ない声をこぼした。


俺の指が徐々に下にゆっくりと滑らせていった

花園に触れた瞬間、まいはびくんと身体を反応させ、唇を噛むようにして目はうつろになりまいの吐息がひときわ深くなった。

「……っ、謙……」

その声は、かすれていて、まるで熱にうなされたようだった。




「ううぅ……ハァハァ……謙……」


まいの花園は、指先ひとつで反応するほど繊細で、

触れるたびに、蜜が溢れていて身体が震える。




まいの脚の奥で、甘く膨らんだ小さなつぼみが震えていた。

触れた瞬間、熱が走る。まるでそこが、彼女のすべてを集めた場所であるかのように。まいの奥で、小さく膨らんだその一点に指先が触れる。

息を呑むような反応が返ってきて、謙はその場所を、優しく、愛おしむように撫で続けた。


まいのつぼみに触れたその瞬間、体が小さく震えた。。指先はためらいながらも、彼女の深く柔らかな場所へと導かれていく。

その温かさと濡れた感触に、謙の心まで飲み込まれていくようだった。指が触れた瞬間、まいの腰がぴくりと跳ねた。その奥からわずかに溢れ出す熱が、愛しさをより深くさせる。


謙はその反応を確かめるように、そっと中に触れた瞬間、静かに息が漏れた。


「あぁ……あぁ…あぁ…あぁ……ぁ…」

その内側に秘められた熱を感じながら、謙はまいを抱きしめるように、深く繋がっていった。



まいの指先も俺の背中からゆっくりと下に這うように滑らせてきた。


まいの手が、そっと謙の下腹部に触れた。

驚かせないように、


まいはそっと手を伸ばした。

謙の呼吸が一瞬だけ止まったのが分かった。

指先が彼の熱に触れたとたん、まるで生き物のように反応したそれに、彼女の胸が高鳴る。

硬くて大きく、でも愛しくて。

まいの手が、彼を包むようにやさしく握った。

謙がかすかに声を漏らした。

「……まい……」

彼の熱が自分を求めてくれていることが、手のひらから伝わってきた。

自分を求めてくれるその証が、激しく脈を打っていた。「……謙」


そっと包みこむように。その動きは優しく、まるで愛おしさを確かめるように上下へゆっくり撫でていく。


謙の身体がわずかに震え、彼の指先がまいの髪に絡まった。


まいは謙の顔を見ながら、最初は優しくゆっくりと、だがだんだん激しく強く握りしめた……



まいが「……謙」と呼ぶたびに、彼の熱はさらに高まっていくようだった。

「……まい……」彼の熱が自分を求めてくれていることが、手のひらから伝わってきた。

まいはその熱にそっと寄り添うように、指先をすべらせていった…。


何も言わずとも、ふたりの間には確かな想いが流れていた。


まいはそっと顔を伏せ、唇を近づけた。


謙の呼吸が止まり、微かな震えが肌に伝ってくる。


まいの唇が触れた瞬間、彼の熱が一層熱くなるのをまいは感じた


ためらいがちに、でも愛しさを伝えるように、まいはそっと彼を口の中に包み込む。



舌先が触れたその瞬間、謙の手がまいの頭を優しくおさえた。

ふたりの間に言葉はなかった。


ただ、謙の気持ちを確かめるように、まいは静かに頭を動かし続けた。



どれだけ時間が流れていたのかもわからない。ただ、肌が触れ合い、息が混ざり合い、

世界はまるで、彼と彼女しかいないかのように、静かで、温かくて、そして甘かった。


まいの指と口が謙の熱いものを優しく触れるたびに、謙はわずかに震えた。そんな謙を見ているだけで自然とまい自身も動きが激しくなっていく。


声にならない吐息が絡まり、どちらのものかもわからないほど2人の気持ちは重なっていく。


ただ求め合い、すべてを忘れて、今だけに夢中になっていた。


口の中に含んでいるまいは謙の反応を感じながら

唇がぶつかるように強く、舌先が激しく絡める。

謙は息が乱れ、まいの頭を掴む手に自然と力がこもった。


「謙……」


まいの声がかすれても、もう止まれなかった。

一度離れた心と身体が、今この瞬間、

すべてを取り戻すように……


まるで、飢えた獣のように──

熱に浮かされた身体が、お互いの熱を求めて離れようとしなかった。

荒く吐き出される吐息、濡れた肌、絡まり合う音。


愛してる。

だからこそ、理性なんてもうどうでもよかった。


「……まい」

「謙……」


二人の視線がぶつかった瞬間、

もう言葉はいらなかった。


まいの目が、何かを訴えるように潤んでいた。

俺の中で抑えていた感情が一気にあふれ出す。


「……もう、我慢できない」


抱きしめた腕に力が入る。

唇が重なり合い、

キスは徐々に激しく、深く、舌と舌が絡み合い、

お互いの体温を貪るように求め合った。


裸の体から感じる肌の熱、

指先が迷いなくまいの背中を這い、

まいの手も俺の首に手を回し、呼吸を乱している。


もう止まれない。

二人の距離は、心も体も完全に重なっていた。


指先が肌を這い、吐息が首筋をかすめ、

そのたびにまいの体はびくりと反応する。

その敏感さが、触れ合いのひとつひとつに深みを与えて、

もう“止まれない”気持ちがふたりを包み込んでいた。


まいが


「いれて……と耳元で呟いた」


「……まい、……」

「うん……私は、もう……」


息が絡まり、言葉も震える。

指先と指先が重なり、身体だけじゃなく、心が奥深くで溶け合っていくのがわかる。


まいの手が謙の背を抱きしめ、誘うように身体を開いた

ごく自然に、ゆるやかに、謙はまいの中に

まいはその熱いものを濡れた湖の中に優しく包み込んだ


その吐息、ぬくもりをすべて重ねながら、ゆっくりと、深く――ひとつになっていった



誰にも邪魔されない時間の中で、謙はまいの温もりに包まれ、

まいもまた、謙のぬくもりを深く受け止めていた。抱き寄せた身体に、もう迷いはなかった。


ふたりの肌が重なるたびに、命を確かめ合うように徐々に激しさが増していく。

もう何もいらない──そう思えるほど、激しい確かな愛がそこにあった。


最後の波が、互いをさらっていくように――


「……謙っ」

「まい……!」


一瞬、世界が真っ白になった。

音も、光も、すべてが遠のき、

ただ彼女の温もりと、抱きしめる腕の中にある命の鼓動だけが、はっきりと感じられた。


息を切らしながら、額をくっつけ合い、

静かな余韻の中で、何度も名前を呼び合った。


「……愛してる、謙」

「俺も……ずっと、まいだけだ」




まいの声、呼吸、鼓動、体の熱――

すべてが俺を受け入れてくれている

そしてふたりは、


俺たちは、心も身体も、今ゆっくりと溶け合っていった。



どちらからともなく唇が重なり、静かな熱がゆっくりと2人の身体に広がっていった。






ふたりは裸のまま、シーツに包まれながら静かに抱き合っていた。

さっきまで激しく求め合っていた時間が嘘のように、部屋の中には穏やかな静寂が広がっている。

窓の外では夜の風が木々を揺らし、小さな葉擦れの音が微かに聞こえていた。


まいは、謙の胸に顔を埋めるようにして身を寄せた。

その頬にはまだほんのりと熱が残っていて、鼓動がゆっくりと落ち着いていくのが、肌越しに感じられる。


「……謙、なんか、燃えちゃったね」

小さく、くすっと笑いながら呟いたその声は、少しかすれて甘く、さっきまでの余韻を優しく運んでいた。


謙はその言葉にふと笑みをこぼし、まいの髪をそっと撫でた。

彼女の温もりが、自分の腕の中に確かにあることが嬉しくて、愛しくて──

何も言わず、ただそっと肩を抱き寄せた。


まいの肌はまだわずかに火照っていて、その体温が謙の指先にやさしく伝わってくる。

彼女の背を、肩を、腕を、ゆっくりと撫でるとまいは微笑みなが


「くすぐったいよぉ〜」と微笑んでいた


あたたかな静けさに包まれて、しばらくふたりは言葉を交わすこともなく、ただ互いを確かめ合うように身体を重ね、寄り添っていた。

謙の心には、自然とある想いが浮かんでくる。




この生活を、早く取り戻したい。

まいと、何気ない日常をもう一度始めたい。

彼女の笑顔を、もっと近くで見ていたい……


そんな未来への願いが、まいの温もりとともに、胸の奥で静かに膨らんでいった——。


だがその優しい時間の裏で、ひそかに迫る影があった。

まだ終わっていない過去。

真実を知る者の沈黙と、偽りに隠された哀しみ。



まいを守るために、謙が選ぶたったひとつの道とは。

そして、すべての嘘が暴かれるとき、

ふたりの愛は——希望となるのか、それとも…。


真実の扉が、静かに、音を立てて開き始める。


【消えた記憶と愛する人の嘘】


第1巻 (完)

        

        茅ヶ崎 渚



いつも『消えた記憶と愛する人の嘘』を読んでくださって、本当にありがとうございます。


本日、無事に最終回を迎えることが出来ました。


ここまで長く続けてこられたのも、温かく見守り、応援してくださる皆さまのおかげです。

本当にありがとうございました。


謙太郎と舞子、ふたりの想いがどこへたどり着くのか。

書いている私自身も、彼らの人生に寄り添いながら、この結末を丁寧に紡ぎたいと思っています。


でも、これは“終わり”ではなく、新たな“始まり”でもあります。


物語は【消えた記憶と愛する人の嘘2】へと続いていきます。

その準備のため、最終回のあと少しだけ投稿をお休みさせていただき、

皆さまにもっと深く楽しんでいただけるよう、物語の構成を見直す時間を取らせていただきます。


これから先の物語も

どうか、引き続き見守っていただけたら嬉しいです。


心からの感謝をこめて。

これからも、よろしくお願いいたします。

      

          茅ヶ崎 渚



第2巻

『消えた記憶と愛する人の嘘 ― 決着編 ―』


まいを守るために、謙が選ぶたったひとつの道とは。

そして、すべての嘘が暴かれるとき、

ふたりの愛は——希望となるのか、それとも…。


真実の扉が、静かに、音を立てて開き始める。

     

       2025年 夏

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