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110 「俺の親友を傷つけたやつは絶対に許さない」



【先輩、やばいっす。なんかいろいろ出てきました。

朝比奈麗子さん、すごく好感の持てる人だったみたいです。きっと後からいろいろ出ますよ……絶対に。

まだ情報はまとまってないですが、佐藤さんが「高木のためになんでもいいから気がついたこと、感じたことを刑事さんに話してくれ」って人事部の人たちに呼びかけてて……俺、感動しました。

この高木って人、相当人望が厚いみたいです。人事部の人たち、仕事そっちのけでみんなで話してますよ。

きっとすごい人だったんでしょうね。……きっとそれだけの人が、何か情報を知ったせいで消されそうになったのかもしれない。

これは俺の刑事の勘です。また連絡します。】


篤志からのメールを読み終えた瞬間、橘純一の全身に鳥肌が立った。

胸の奥から熱いものがこみ上げ、拳をギュッと握りしめる。


「謙……やっぱりお前は、昔のまんまなんだな」


目の奥がじんと熱くなる。だが、それを振り払うように顔を上げた。


——お前は、俺の思っていた通りの男だった。


あのバカみたいにお人好しで、正義感が強くて、誰かを放っておけないやつ。

きっとお前、何かを感じ取って、それで巻き込まれたんだろう。


「……ふざけんな」


親友が理不尽な目に遭うなんて、そんなこと絶対に許せるわけがない。


お前を傷つけたやつがいるなら、その仇はこの俺が必ず討つ。


そう心に誓った瞬間、純一の中で何かが燃え上がった。

目の前がクリアになり、迷いも不安も吹き飛ぶ。

——真相を暴く。そのために俺は全力を尽くす。


謙、お前は俺の親友だ。

だから、どんなことがあっても……



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