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108 「つながり始めるピース」


スマホの画面が再び光り、新しいメールの通知が入った。送信者は篤志だった。


【とりあえず、報告です】

【山口と枝、この二人は学生時代の先輩後輩だった】

【それから、石井と伊藤、この二人は同級生同士】

【ただ、山口・枝のペアと石井・伊藤のペア、この二組の間にどんな接点があるのかはまだわかりません】


篤志の言葉を目で追いながら、純一は無意識に顎に手を当てた。関係のある人物同士がこうして繋がってくると、何かが見えてきそうな気がする。しかし、まだ決定的なものはつかめない。


メールは続く。


【でも、何かありそうな感じがします】

【やっぱり、人事部ってすごいです。従業員のことをすべて把握してるみたいで、あっという間にこの繋がりが判明しました.】

【佐藤さん、めちゃくちゃ積極的に協力してくれてます。先輩からもお礼言っておいてください】

【今、人事部の人全員に朝比奈麗子について聞いてくれてます】

【その報告待ちだから、また連絡します】


—— 篤志、すごいぞ。


純一はスマホを握りしめながら、心の底からそう思った。的確に情報を集め、整理し、次の手を考える。その動きの速さと的確さに、頼もしさすら感じる。


これで、バラバラだったパズルのピースが、一つ、また一つと繋がり始めた。


だが、ここからが本番だ。


どこから一本の線へと繋げるか——


被害者の事情、被害者が抱えていた秘密。

そして、加害者の「今」。


知るべきことは山ほどある。やるべきことも山ほどある。


純一はスマホの画面を閉じ、深く息を吸った。


「——よし、動き出すか」


まるで自分自身に言い聞かせるように、静かにそう呟いた。


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