ボルドーネイル
Happy Christmas
「やっぱりね、どうしてもこの時期になるとこっくりとした色のネイルがしたくなるの」
トレヴィス夫人は光沢のないグレーの首元まで覆われるタイプのドレスに、カボチャの様な頭をこてんと傾ける。
「秋も深まって、冬ももう目前ですからね」
リリーは爪やすりで夫人の手元を見ながらそう答えつつ、
「長さはどうしますか? 少し短めにしましょうか? ショートネイルにワンカラーでいれるのも綺麗ですよ」
そう提案した。なにせトレヴィス夫人の爪はこの一か月でなにがあったのかと思われる程、がたがたに割れてしまっている。今までの長さを保つには、長さ出しの作業をする必要があったが、トレヴィス夫人のその、黒とも言えるドレスの色を見て、長くするよりも短く、自爪を揃えて整えるくらいにした方がいいのではと思ったのだ。
「そうね。少し今よりも短く揃えてもらおうかしら。正直、どこに行くでもないし、本来ならばネイルは――リリーさんの前で言うことではないですけれど、今の社会情勢だとそれほど推奨されてることではありませんからね。昔はご婦人方で集まった時に、どこのネイルサロンに通っているとか、どんなデザインがいいだとか、そんな話題に花を咲かせていたものですが、今は戦火のさなかですから。仕方ないことはわかっているんですけど、でも私好きなんです。こうやって自分の爪先が綺麗になっていく様を見るのがとっても好きなの」
やわらかい笑顔を浮かべるも目じりの皺は深く、目の下には濃いクマがふちどり影を落とす。
トレヴィス夫人は元々他のネイルサロンに通っていたのだが、この社会情勢を受けて、その行きつけのサロンが閉店してしまい、リリーネイルには友人の伝手からごく最近通いはじめてくれた。
当初の二人はよそよそしい雰囲気であったか、何度か施術を重ねるうちに、身の上話をするくらいの関係性にはなっていた。
「ご家族の方の体調はいかがですか?」
リリーの問いかけに夫人は明らかに顔色を悪くする。
「すみません。お気にさわる質問をしてしまったのなら大変申し訳ないです。少しでもご子息様の容体がよくなっていたらと。ただ、そう思っただけでしたので」
前にネイルサロンに来た時に夫人の息子であるレンドルが戦地から帰って来た事を聞いた。子息は五体満足ではあるものの、精神的にダメージを負ってしまったとも。
「いいえ、リリーさんのせいではないですし、何も悪くないの。ただ、事態が深刻で」
暗雲たちこめる夫人の表情にためらいながらも、
「一体、どうなさったのです?」
恐る恐るそう聞いてみる。
夫人は大きくため息を吐いた。夫人には子供が息子と娘と一人ずついると前に聞いていた。
「私の娘――息子からみると妹になる彼女なのだけど、妙齢で、リリーさんみたいに何か仕事をしている訳でもないですから、良い結婚相手がいたらと前から探していたの。本当はこの国の方に嫁いでくれたらと思っていたのだけど、この情勢ですからね。なかなか見つからなくて。仕方がないので、他国の安全な場所に。それでもいいかと思っていたらちょうど隣国の方とご縁が出来て、クレマンスさんと言う方」
「クレマンス様――――ラグドキアの伯爵家の方ですか?」
アンバー王国では他国に対して、戦時下だからと言う理由から情報統制を行っている。しかし、リリーはアリが国家の統制と言う網の目をくぐって情報を得てきてくれる。クレマンス伯爵の名前には何かで聞き覚えがあった。
「ええ。よくご存知で。私も恥ずかしながら他国のことはよく存じ上げなかったのですが、もし宜しければとお声がけくださりまして。もちろん、国の機関を通じてクレマンス伯爵のことは調べました。特になにかある家柄でもなかったので、申し出に応じさせてもらい順調に婚約期間を消化していたのです。時折、クレマンス様の方から娘に会いに我が家にお越しくださって」
「とても順調そうですが、それとご子息様とは……?」
どう関係があるのだろうと、リリーは余計に首をかしげる。
「そう思われるのはごもっともなことだと思います。よろしければ、最後まで話を聞いてくださいませ」
リリーは結論を急ぎ過ぎたことを「すみません」と詫びながら、
「爪の長さなどはこんな感じで大丈夫でしょうか?」
と、たずねる。トレヴィス夫人は自身の爪先をさっと確認し、
「ええ」
小さく頷いて話を再開した。
「ここ数日前にもクレマンス様はいらっしゃって、我が家に滞在なさっていたのです。娘とも大分打ち解けた様子で、微笑ましく思っていたのですけどそんな時――息子がクレマンス様の従者を刺し殺してしまって」
「え?」
驚愕の声と表情で顔を上げる。
夫人は死人の様に蒼白い顔をしていた。
「言葉に出すとやっぱりつらいわね。でも、そうなの。我が家で実際に起こったことなのよ」
リリーは返す言葉を見つけられず、作業に戻り、プッシャーで甘皮の処理を再開した。
「息子は精神が錯乱してクレマンス様の従者の方が敵国の兵士に見えて殺害してしまったのと言うの」
「ご子息様、今は?」
「発狂して現在ふさぎこんで、部屋にから一歩も出ず、話も全く出来ない状態で」
「クレマンス伯爵様は今回の事についてなんと仰っているのですか?
「それが……クレマンス様はもちろん、顔色を悪くしましたが、息子が戦地から帰って来て、精神的にまいっていることも知っていましたので、悲しい出来事ではあるが、婚約については何ら問題も影響もないと仰ってくださるのです」
リリーはふっと一瞬、動きをとめる。そのクレマンス伯爵の対応について違和感を覚えたからであった。
「とても寛大な方ですね」
しかし、その違和感を全面に出すことはせず、つらりと言葉を返す。
「ええ――しかしながら、なぜこんなことが起きてしまったのかと。息子のレンドルは確かに、戦場から帰ってきた当初は本当に以前とは見る影もないほど憔悴しきった様子でした。けれど、最近は食事もとれるようになったし。大分快方に向かっていたと。そう思っていた矢先だったのに」
ため息を吐いた、トレヴィス夫人の表情には暗い影が付きまとう。
「その従者の方が亡くなった時、一体どんな状況だったのです?」
「息子が言うには――夜半に目を開けると、庭の方から話声が聞こえると、足を運んだところ敵兵がいるのを確認したため、刺し殺してしまったと」
「従者の方は一人で?」
「ええ。その様です」
夫人は少しだけあたりを見回した。
「わざわざナイフを持って庭に出たのですか?」
「はい。戦地から帰って来てからのレンドルは非常に警戒心が強く、神経質になっていました。護身のためにと、ナイフをいつも持ち歩いて。屋敷は安全だと何度か言ってみましたが、全く逆効果に終わってしまうことがほとんどで」
「それほど、戦地では大変な中、生き抜いて帰ってこられたのでしょう」
「それはそうだと思います。命からがら、帰って来てくれたのは、それはそれでありがたいとそう思ってはいるのですけれど……本当は心の優しい子なんです。小さい頃は、やんちゃで虫取りや外に出て過ごすのが好きで。でも採取した虫は家に閉じ込めるのは可哀そうだからと、全部放してやったりで。妹想いで幼いころから仲のいい二人でした。運動神経も良くて、剣を持った時にあの子の有利なスキルなんかもあるものだから。戦争が始まるや否や、自分から志願して戦地に向かったのですけれど。でもこんなことになるのなら、行かせなければよかったと。今になってはそう思うばかりで」
夫人は大粒の涙を浮かべて、ぽろぽろとこびす。流石にそのままには出来ず、リリーは手を止めると、アリを呼んで暖かいタオルと飲み物を持ってくる様に伝えた。
「ごめんなさい。こんなつもりではなかったのです。」
「大丈夫です。お屋敷に居る間は、泣く事はなかなか出来ないと思いますし、泣ける時に」
リリーがそう言葉をかけた時に、アリがあたためたタオルと、温かいミルクティーを持って戻って来る。夫人にそれを渡すのを見届け、リリーはアリを引き寄せ耳打ちをした。
「ラグドギアのクレマンス伯爵について調べて欲しいの」
「かしこまりました」
アリは何事もなかったかの様に何食わぬ顔で部屋を出て行く。
夫人は温められたタオルで目元をぬぐうと、ミルクティーに口をつけた。先ほどよりも表情から落ち着いた様に見られる。
「大丈夫ですか?」
リリーに向かって、ゆっくりと頷く。その瞳はただひどく疲れている様ではあった。
「ごめんなさい。こんなに取り乱すと自分でも思わなくって」
トレヴィス夫人の声は先程もよりも落ち着いたものだった。
「いえ。大丈夫ですよ」
リリー立ち上がると、後ろの棚からベースジェルやカラージェルの準備を始める。もう一度夫人を見た時には、もう涙の跡は見えなくなっていた。
「ジェルをのせていきますね」
じめっとした空気を払拭するように、リリーは努めて明るい声を出した
トレヴィス夫人からの反応はなかった。リリーにされるがままに手を差し出した。
ベースジェルの塗布を始めた所で、
「先ほどの話に戻りますが、クレマンス伯爵はとても寛大な方なのですね。逆に今まで結婚なされていないことが不思議なほど。そういった事件があったあとでも、婚約関係に支障はないと仰られるなんて」
リリーはあまり深刻にならない口ぶりでそう言って見せる。
トレヴィス夫人はもう悲しむ様子はみせなかったが、逆に複雑な心境を反映させたような、なんとも形容しがたい表情を浮かべた。
「それについては、実は…………私も不思議に思っていたのです。特に気になったのが、そういっ話題になった時にクレマンス様は誰にも聞こえない様な声で『その方が都合がいいのです』と仰られまして」
「都合がいい?」
リリーはふと顔を上げる。
「ええ。一体なにが都合がいいのかと、私も思わず聞き返したのですが、すぐに困り顔で『こちらの話です』と仰られて、それ以上のことは踏み込んで聞くのが難しそうな状況でしたので」
「…………あ、ライトに入れてください――――クレマンス様はアンバー王国の奥様のお屋敷にいらっしゃるとのことでしたが、お嬢様は逆に、ラグドキア王国のクレマンス伯爵の屋敷には行ったことはないのですか?」
「この社会情勢ですから。うら若き女性が、国境を越えてくるのは危ないと仰られて」
「なるほど」
トレヴィス夫人は少し口角を上げて、無理やりに笑顔を作って見せたが、リリーの次の発言でその笑顔は一気に崩れる。
「その対応について不審に思われることは今までなかったのでしょうか?」
まさかリリーからそんな風に言われると思っていなかったのだろう。彼女の纏う空気に明かに不快感が滲み出る。
「いえ、そんな風には。とても好青年で娘のことを大変に気遣って下さっていると、私にはそう見えましたので」
リリーは夫人のその言葉には何も答えず、ベースジェルを無言で塗布し終えると、カラージェルのコンテナを開け、こっくりとしたボルドー色のジェルを爪にのせていく。濃い色は色がむらになりやすいので、そうならないように、力加減に気を付けながら筆を動かす。
「一年って本当に早いもので、あっと言う間に年が明けて行きますね」
リリーはの何気ない言葉に帰って来る言葉はない。トレヴィス夫人の意識も視線も自分の手元に集まっていたので、気付かなかったのか、はたまた答えたくなかったのか、心のうちまで知る術はリリーにはない。
特に会話をしなければいけないという訳でもないので、リリーはともかく作業に集中する。
「やっぱり綺麗な色ね」
感嘆のため息が聞こえ、
「ありがとうございます」
リリーは頷いた。
「お待たせしました」
控え目なノック音と共にアリが部屋に入って来るとつかつかと、数枚の資料をリリーの机の上にのせた。
リリーは手を止める。ちょうど右手にトップジェルを塗布し終わったので、ネイルライトの中に手を入れて硬化しているところだったので、タイミングとしてはちょうど良い。夫人は興味があるのか、今日一番の目の輝きを見せる。
「それは?」
興味深くたずねながら。
リリーは無表情でアリから受け取った資料を見ていた。見る人が見れば、そこに書いてある内容をよんで、目の輝きを失ったのは手を取る様にわかっただろう。
「トレヴィス夫人。私は――――夫人からお話を伺って率直な感想を申しますと、今日のお話を伺って、クレマンス伯爵と言う人物に私は非常に違和感を感じたのです。それからご子息のレンドル様についても。精神を病んでいるからと言って、一時の幻想で本当に殺人まで犯すような方なのかと」
リリーの言葉は夫人の胸に響いたようで、目を潤ませて頷く。リリーは話をつづける。
「だからこそ、疑問に思いました。でも、ご子息がクレマンス伯爵の従者の方を殺害したのは事実なのだと思います。ですから、疑問に思ったのは、ご子息が殺害に至った理由は本当に精神が錯乱し敵国の兵と見間違えたというのが本当のことなのかと言う事です。失礼な話だったら大変申し訳ないのですけど」
リリーは決まりの悪い表情を見せ頭を下げる。夫人は大きく目を見開いていた。
「それが、理由じゃないとすると、一体どんな?」
「別の理由があると言うことです。逆に言うと、明確な殺人の意志があったとか」
トレヴィス夫人はより一層目をまるくした。
「だから、それを、つまり……精神上の理由だと。そう言うのではないのですか?」
夫人の言葉に今度押し黙ったのはリリーの方であった。目を閉じて少ししたあと、夫人を真直ぐに見る。
「非常にとても、言いにくいことではありますが、これはクレマンス伯爵について確認した情報です。ご確認いただけますか?」
リリーはアリが持って来た資料をトレヴィス夫人に差し出す。夫人は狐につままれた様子で用紙を受け取った。ちょうどライトが消えたので、ネイルライトに預けていた右手を取り出して、両手で用紙を掴んだ。文字を目で追っていったところでわなわなと手が震えだす。
「まさか、まさか……こんなことって」
リリーは目を閉じる。
アリに命じたのは、クレマンス伯爵の身辺調査の報告書だ。それに書かれていたのは、
「まさか、あの好青年と思われた、クレマンスさんに加虐趣味があるだなんて」
資料には彼の容姿に惑わされて、もしくは目をつけられた使用人男性女性問わず、彼にこわされてしまったその経緯と被害の状況が書かれていた。
「私が感じたののは、人柄よく寛大であるラグドキア王国で伯爵家の貴族号を持つ人物がわざわざどうして、戦火にあるアンバー王国の貴族に自ら縁談を持ち掛けたのかと言うことで」
彼も貴族の生まれ。花嫁を迎え入れる義務があるが、彼の特異な性癖についてラグドキア王国ではまことしやかに噂になっており、彼と縁談を結びたいという貴族はなかなか現れない。自国で探すのが難しいと判断した伯爵は、情報統制がされているアンバー王国なら、彼の素性を知られることなく縁談を結ぶことが出来るだろうと考えた。かつ、この情勢の中で手を差し伸べれば、喜んで手を握り返してくる貴族はごまんといるだろうと考えたのだ。
「だからこそ、我が家の娘に声をかけて来たと?」
「おそらく」
「でも本当にそんなことって……私だって、娘の縁談ですもの。ちゃんと身辺調査はしたわ。その時は特になにも
「身辺調査の依頼は国の機関を通してなされたのですよね?」
それが一般的な手法であった。
「ええ」
「その方法実体が、情報統制にひっかかっているんですよ」
「情報統制と言っても国防に関することだけではないの? 戦争しているのは、モーゼル国とですよ? ラグドギアは関係ない国ですし」
「仰る通りです。国が何を懸念しているかと言うと、ラグドギアとも関係が悪化してしまった場合のことをですね。流石に二国を空いてに戦争をしなければならないとなると、この国はたまち立ち行かなくなってしまう。ですから、火種になりそうなよろしくない情報は省かれて夫人の所に情報が伝わった可能性があります」
「まさかそんなことって」
トレビス夫人の顔が真っ青になる。
「国にその責任を訴えたところで、戦時中だからなんでもありだと。そんな姿勢で返答がくるだけでしょう。私は、私の使用人を通じて独自の情報源から今、奥様が持っていらっしゃる用紙に書いてあることをお調べいたしました。もしかしたら、ご子息様は、クレマンス伯爵のことを知っていらっしゃったのかもしれませんね。戦時でアンバー王国の外に出るということは様々な噂が入って来るでしょうから」
「じゃあ、まさか息子は」
「ここからは私の想像を交えての話になるので、最終的なご判断はトレヴィス夫人にお任せいたしますが、おそらく今回亡くなった従者の方もクレマンス伯爵から被害に遭っていました。そのことについてはその資料にも載っています。従者の遺体を再度確認していただければ、わかるでしょう。――従者は、逆らうことのできない主人につき合わされ、アンバー王国にやってきた。そこではっと気が付くのです。もしかしたら、今回の婚約者との会合は主人のクレマンス伯爵に一矢報いる良い機会ではないかと。従者が見る限り、婚約者のお嬢様はクレマンス伯爵にの異常な性格に気が付いてない。主人の加虐趣味について婚約者にばらすと主人であるクレマンス伯爵を脅したのです。従者の方はお一人で庭にいたという事でしたが、もしかしたら本当は伯爵様もそこにいらっしゃったのではないですか? そこで二人が押問答になって、いるのを見てしまったご子息様はやはりと――もしくは、クレマンス伯爵が従者に無体をはたらいている場面だったのかもしれません。どちらにしろそれを仲裁するために、間に割って入った。そこでクレマンス伯爵の本音を見てしまい、妹であるお嬢様とも仲がよかったとのことなので、なおさらそうなってしまったのでしょう。精神を病んでいるご子息は感情のコントロールが出来ず、怒りの感情に身をまかせ、持っているナイフを取り出した。しかし、運悪くナイフはクレマンス伯爵自身ではなく、彼の従者を傷つけてしまった。もちろん、伯爵様はそれを逆手にとって、お嬢様との婚姻関係と、今回のご子息様の殺人をもみ消すことを条件に、クレマンス伯爵がここにはいなかったと。一切を話さない様にとご子息に制約を課したのではありませんか?」
トレヴィス夫人は大きなため息を吐いて、額に手をやる。
「でも、そうだとしたら、クレマンス伯爵が『ちょうどいい』と仰ったのは?」
「邪魔物が居なくなって調度良かったという意味かと。それに、もしクレマンス伯爵のその趣味がバレたとしても、今回の事件を逆手にとって、有利に結婚話をすすめられると思ったのではないでしょうか」
「娘にそんな重責はかけられない。でも……ここから一体どうしたら?」
リリーはふっと笑う。
「大丈夫です。私がつかんだ情報で、お嬢様にはなにも害が及ばないように、騎士団に進言することは出来ると思います。ですが、ご子息様に関しては、人を殺めた事実は変わりませんから。それはおって法の裁きを待つしかありません。ただ、戦時帰りで精神的に病があることは考慮されるべき事項かと思われます。あと、何よりもクレマンス伯爵の今までの悪行に関して、白日の下に晒した方がいいと思いますので」
結局のところ、トレヴィス家の娘と、クレマンス伯爵の婚姻関係は崩れれることはなく二人は結ばれた。
しかし、婚姻と同時にクレマンス伯爵はすぐに従軍し、屋敷には帰ることはなかったと風の噂で聞いた。
そう言えば、やっと名前を付けました。
七獅改め、沙波と申します。
今年の更新はこれが最後になるかなと思われます。
数ある小説の中から作品を読んでいただきありがとうございます。
来年もかなりマイペースですが、作品をUPする予定です。
よろしければぜひ、読んでいただけると嬉しいです。
今年もありがとうございました。
良いお年をお迎えください。




