番外 巳扇律の書
私は巳扇律、巳扇の家の者である。
言の葉に多く少なく問うべき題があるとよく言われますが、そんなに気にすべきことではありません。
私は私なのですから、ね?
にしても、今の日はとても暇です。亥尾さんはどこかに走って行ってしまい、話す相の手がいないのです。
他の人?そうですね、話してて疲れると言われてしまいますので、自ら避けています。どうしてなのでしょう…
学ぶ校も終わってしまいましたし、そろそろ帰りましょうか。
「巳扇さん、あなた個人宛に任務が来ています、すぐに支度してください。」
これはこれは、思い通りには行かないものですね。
「わかりました、すぐに参ります。」
数珠丸、行きますよ。
5分後
任された務めは学ぶ校近くの妖を討て、軽くこなすことはできないかもしれませんが、妖は討たせていただきます。
歩いて数える分、目と的の地はここのようですね。
夕の方の森だなんて、怖くて震えてしまいますね。
「そこにいるのはわかっています、出てきていただけませんか?」
すぐ近くの草むらから妖の気が漏れていますよ。
カサカサと草むらが動き、こちらに近づいて来るのがわかります。
「……」
「濡れ女、ですか。そう言えばここの近くに川がありましたね、納め得られました。」
濡れ女、鳥を取る県で生まれた妖。女の人の顔と蛇の体を持ち、体が常に濡れています。
濡れている理と由はただ川に生きているだけではなく、川で濡れることによって、体に付いている水を毒に変えてしまうのです。
なので触れるのは厳しく禁じられるのです。
「つまり、私の蛇の眼が活かし躍る時が来たのです。」
「シャーーーーー!!」
近づいて来ますか、己のことをよくわかっていらっしゃいますね。
ですが無い意の味です。
「蛇眼!」
「シャ…」
石になってしまえば、近づくことも無い理です。
「さて、任された務めは妖を討つことでしたが、これで終わりとは思えません。」
「シャーーーーー!」
なるほど、石になったというのに、己の力でそれを解きますか。
「仕と方がありませんね、今の日もお願いしますね、数珠丸。」
面が倒れちゃいますので、数珠丸で一の気で終わりにしましょう。
「恨まないでくださいね、恨むなら、己の運を恨んでください。」
「シャーーーーー!!!」
「蛇の舞・神楽!」
私の神楽は、ただ踊るわけではありません。踊ることによって私の妖の気をばら撒き、あなたに付けさせていただくのです。
すると、あなたは付けられた所からゆっくりと、石になるのです。
人には使えませんので、今の度の対で抗う戦では使えませんね。
では、あなたの魂、ここにて鎮めさせていただきます。
私は数珠丸を地に置き、手を合わせて祈りました。
「シャー……」
あなたが次は、人として生まれ変われますように。
濡れ女が石になり、そして塵となって消えていきました。
「これで終わりですね、お疲れ様です、数珠丸。」
任された務めとはいえ、あまり戦いたくないものです。
「律ーーー!!こんなとこでなーにしてんのーーー!!」
後ろから聞き慣れた声と、強い衝と撃に倒されてしまいました。
「亥尾さんですか…なんでもいいのですが早く離れて頂けないでしょうか…」
「おっと!ごめんごめん!律がいたからついね!」
相も変わらず亥尾さんには慣れません…
「私は任された務めが終わったところなので、今から帰らさせていただきますね。」
「えええええええ!!せっかく律と遊ぼうと思ったのに!!」
「また今の度にしてください。」
「え?今なんて喋った?」
「石にしますよ?」
「ごめんって!」
全く、なぜ皆さんは私の言うことがわからないのですか…こんなにもわかりやすく話しているというのに…
「さ、帰りましょう。」
「おー!」
日の常というのは、やはりこういうものなのでしょうか。
私にはよくわかりません。
ですが、良いことも嫌なことも、2つ揃って初めて日の常と言えるものなのかも知れませんね。
どうかあなたに、幸せを運ぶ日々が送れますように。




