第八十一集 1年5組第一班
9月11日 11:20 鎌倉大仏 奥の森 五十鈴琴里サイド
夏と早川さんを追って森の奥まで来ましたが、まだ2人の姿は見当たりません。どれだけ早く行ってしまったのですか…
「五十鈴さん、ここより更に奥から2人の反応があるよ!ただ翠だけこっちに向かってきてる。」
早川さんだけですか…まさか夏…
「急ぎましょう!天上院さん、成宮さんも行きますよ!」
待っててください夏、すぐに行きますから!
11:20 鎌倉大仏 森の空き地 新井夏サイド
「ああああああああぁぁぁ!!」
「聞いたことがあるぜ、3つの目と8つの顔を持ち、体は八岐大蛇を彷彿とさせる高知生まれの有名な妖魔!三目八面!」
まさかここで出会えるとはなぁ、俺もついてるってもんだ。
「琴里たちが来る前に、ずたずたにしてやるよ!」
「ああああぁぁぁぁああああ!」
昼間にこんなもんが暴れだしたらたまったもんじゃない。
幸い一般人はいねぇ、思いっきりやれるぜ!
「筋肉妖気…初夏ノ段・麦の秋風!!」
「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!」
効いた、のか?
「ああああぁぁぁぁあ!!」
「おっと!!」
襲ってくる元気はまだあるみてぇだな。
それよりも、俺の筋肉妖気を耐えるとは、なかなかやるじゃねぇか。
「ああああぁぁおおお!!」
「そんなんじゃ当たらねぇよ!」
ひたすら噛みついてくるだけか、だったら避けるのは簡単だぜ!
「芸のない妖魔だなぁ!筋肉妖気、仲夏ノ段・黄雀風!」
対抗戦じゃちゃんと見せれなかったからな、夏に吹く南東の風。そしてそれは、てめぇの背後から突き刺さる風だ!
「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁァァァ…」
「ふぅ、なんとか琴里たちがつく前に片付けたぜ。」
「新井さん!そいつまだ死んでないよ!」
「優生か!なにを言ってる、こいつならもうすでに…」
「夏!!」
「がっ!!」
「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!!!!!」
危ねぇなぁ…あの野郎、妖気の玉をぶつけてくるとはな…琴里にかばってもらわなかったらやられてたぜ。
いやそんなことより!
「琴里!大丈夫か!しっかりしろ!」
「うるさいです…聞こえてますよ…夏こそ、大丈夫ですか?」
「琴里のおかげで無事だ!」
「それはよかったです…無闇に突っ走るのは危険ですよ、そして油断も禁物です。」
あーこりゃ長くなるやつだ…
「琴里ぃ!話してる余裕ねぇぞ!その妖魔後ろから来てんぞ!」
「ありがとうございます、早川さん。」
せっかく翠が教えてくれたっつーのに、やけに冷静だな琴里のやつ。
「三目八面、でしたか。弱点はわかりませんが、幻惑ならどうでしょうか。」
幻呪符か、それなら効くかもしれねぇ!さすが琴里だぜ!
「幻呪符・魑雪!」
分身のやつか!
「皆さん、今のうちにお願いします!」
「ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ!!!」
「早川さん!」
「おーよ!そんな妖気の玉、余裕でホームランなんだよぉ!!」
翠が玉を飛ばしてくれたな、なら俺も!
「成宮さん!私の分身に放たれたもう1つの玉をお願いします!」
「了解だ!」
あれぇ…俺の出番…
「対妖魔剣術・八相発破!」
飛ぶ斬撃は龍太郎ので何度も見たけど、飛ぶ突きってのもおもしれぇな。
「天上院さん!今です!」
「了解!」
あれ?蒼大のやついつの間に三目八面の後ろに。
「あとは頼むぜ夏!対妖魔格闘術・羅漢門!」
「ああああぁぁぁぁ!?!?」
あんなやつを投げ飛ばしてくるとはな…ならば班長として期待に応えるのが義務!
「おうよ!任せろ!」
「真木さん、三目八面の妖気の状態は!」
「オーラの色が消えかけてて、妖気もだいぶ弱々しくなってる!」
「ありがとうございます。夏!あとはお願いします!」
「任せな!纏え炎!筋肉妖気!晩夏ノ段・炎天!」
「ああああああああぁぁぁ………」
今度こそは手応えありだ、8つの頭もきれいに真っ二つ、これでまだ再生するなら骨が折れるぜ。
「三目八面、沈黙!妖気反応は消えたよ!」
「よっっしゃぁぁぁぁ!!」
「よかったです。」
「やったな大将!」
第一班の力、これでようやく見せることが出来たぜ。
魁紀の班にばっかり、いいとこ見させるわけにはいかねぇぜ!
「夏、松永さんに合流しましょう。鶴岡八幡宮はここからそんなに遠くないので、走って行きますよ。」
「え、来た時はバスだったのに…いてっ!」
琴里に叩かれた…
「口ごたえはしないでください、行きますよ。」
「へーい…」
11:25 鶴岡八幡宮 松永茉己サイド
まさか、貴族の結婚式の護衛とは思わなかったよ。
でも、今はにゃーちゃんの方に集中しないと。
にゃーちゃんが葉月先生に尾行してからしばらく経った、葉月先生が向かった先は鎌倉、私たちと同じところにいる。
「キャハ!班長、そろそろ結婚式終わるぜ!」
「ありがとう、柿原君。じゃあそのまま私を守って。」
にゃーちゃんと視覚共有してる間はほぼ何もできない、だから柿原君たちに守ってもらってるんだ。
「ん?にゃーちゃん、どうかしたの?」
(にゃぉぉぉ…)
にゃーちゃんの動きが止まった。
葉月先生を見失った、にゃーちゃんが見失うはずないのに…
「でもなんだろ、あの建物。」
屋敷みたいな建物にたどり着いた、ここが葉月先生の目的地なのかな。
「にゃーちゃん、その家の表札を探して。」
(にゃー!)
屋敷なんだから、表札くらいはあると思う。
(にゃおお…)
「見つかったね、偉いよにゃーちゃん。」
(にゃー!)
表札は…藤原…もしかして、ここはあの三大貴族の藤原家の屋敷なの…
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