表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
干支十二家妖魔日記  作者: りちこ
貴族騒乱編
88/193

第八十集 任務開始 弐

  9月11日 9:40 1年5組教室


  五十鈴とにゃーちゃんのおかげで、松永の協力を得ることができた。


  本題はここから、葉月先生ににゃーちゃんを尾行させたとして、情報を得られるかが問題。


  「なぁ松永、にゃーちゃんに葉月先生の尾行をさせたいんだけど、葉月先生の動きを常にわかったりするのか?それかにゃーちゃんが帰ってきたあとに松永に情報を伝えられたりするのか?」


  「にゃーちゃんとは視覚共有ができるの、だからどこにいても、にゃーちゃんの見えてることは私に伝わる。だけど、視覚共有してる間は全く戦闘できないから、守って。」


  松永を守るのは、松永班のやつらにお願いするしかねぇな。任務は確か護衛だったっけ?それなら任務に支障も出ないだろ。


  「わかった、じゃあ俺らは任務が終わったらすぐに八幡宮に向かう。夏と五十鈴もそれでいいか?」


  「おーけーだぜ。」


  「わかりました。」


  すぐに向かうとは言ったけど、謎の妖気の調査とかわけわからん過ぎて絶対早く終わらない。


  「ではみなさん、初任務ということですので、できれば怪我ひとつなく、全員無事に帰りましょう。全力で楽しむことも、お忘れなく。」


  「「おー!」」


  羽澤と龍太郎の班はもうすでに出発してたから、残った俺ら3つの班だけだけど、団結力は十分そうだ。


  「じゃあ南江、俺らも行くか。」


  「そうだね!ではいつも通り、えい!えい!おー!」


  「おー!」


  それいつもやってたの?反応してるの松田だけなんだけど??


  「千尋ちゃんありがとう…」


  「遥ちゃん泣かないで、よしよし。」


  「…まあ、行こうか…」


  始まりに関してはいつも通り、ぐだぐだであった。


  11:00 大船駅


  さて、目的地に着いたのはいいとして、謎の妖気の調査って、具体的になにすればいいのか見当もつかない。


  「じゃあ健太君!あとは任せた!」


  「よーし、任せろ!ってなにすればいいんだ?」


  「妖気の調査なんだから、まずは妖気を探すに決まってるじゃない!」


  南江の言ってることは間違ってないと思うが、なんの情報もないのにいきなりできるものなのか。


  「とりあえずやってみるか。」


  と言いながら、健太は地面に手を当てた。


  「変な妖気…特にこれといった変な妖気は感じないかな…」


  「ねえ健太君、あっちになんかピンクっぽい色のオーラが見えるんだけど、何か違和感はない?」


  松田がちょっとした路地裏に指をさして言った。


  あるあるだよね、路地裏にカツアゲとかああいうやばそうな雰囲気のやつ。


  「あっちの路地裏か…いや、やっぱり特に何もないな…」


  「違和感がなくとも、妖気に色がついてるってことはなにかがあるのかもな、行ってみるか。」


  なにもないのに変な色が付くわけがないからな、ともかく物は試しだ。


  11:04 大船駅 路地裏


  「遠くじゃわからなかったけど、ここの妖気、凄く濃い…酔いそう…」


  「私もちょっと…くらくらしてきた…」


  「ふ、2人とも、だ、大丈夫?」


  「僕らは、特になにもないのに…」


  健太と松田だからこその症状だな。


  前にも高尾山で健太が妖気に酔ったってこともあったから、今回も似たようなものだろう。


  「梁君と通君は千尋ちゃんと健太君をお願い、魁紀君は私とちょっとずつ進むよ。」


  「わかった!」


  「りょ、了解。」


  「了解した。」


  相変わらずの状況判断で助かるぜ班長殿。


  ただ、松田と健太と違って、ここがいかにやばい所なのかはわからん。


  だからいつも以上に慎重に行かないとだな。


  「それで、あとはどうすればいいの?」


  「いや俺に聞くなよ…」


  雑なのもいつも通りだった…


  「南江さん…!魁紀…!上から妖気の反応が…!」


  上?


  「き、(きつね)?」


  「かわいい!!」


  「おいばか!そんなこと言ってる場合じゃねぇぞ!妖気の反応があるってことは、あれは妖魔の(たぐい)だぞ!」


  狐だと?まさか玉藻前か…


  「怪しい妖気の正体って、もしかしてあの狐なのかな。なら捕まえようよ!」


  「遥ちゃん…だめ…あの狐…妖気の色が定まってない…」


  「どういうことなの?千尋ちゃん。」


  「私にも…わからないけど…ころころ色が変わるの…ピンクだったのがオレンジになったり…紫になったりするの…」


  いよいよよく分からないな…


  「よくわからないけど、とにかく捕まえるよ!」


  「いや、待って!」


  梁が南江の手を掴み、南江の動きを止めた。


  「梁君!?早くしないと捕まえられないよ!」


  「任務の内容が怪しい妖気の調査なら、僕らの目的はもう達成してる。ここで深追いしたら、何が起こるかわからないよ。もう日光の時みたいに、先に行く南江さん達を危ない目には晒したくない…」


  「梁君…」


  梁のやつ、まだ日光の時のことを…


  「ごめんね梁君、私も冷静が足りなかった…」


  「大丈夫、僕だって第五班なんだから、仲間のために考えて、動くのは当たり前だよ。」


  「ありがとう、梁君…」


  困った時はお互い様、っやつだな。


  「そんじゃ、松田と健太がまだ倒れないうちに、早く鎌倉に行こう。夏と松永達が待ってる。」


  「うん!魁紀君もありがとう!」


  11:15 鎌倉大仏 五十鈴琴里サイド


  「鎌倉大仏なんて、いつぶりでしょうか。」


  「そうだな、琴里と来た以来だよな。」


  「いえ、私は夏と来た記憶はありませんので。」


  「酷いぜ…」


  鎌倉大仏付近の妖魔討伐というものの、なにもありませんね。


  「真木さん、近くになにか反応はありますか?」


  「大仏の左奥の森から、なにか妖気の揺れが見えるよ。」


  「ならばそこか!行くぞ方天戟!一番乗りは頂きだ!」


  「大将だからっていって、一番乗りは譲らねぇぞ!」


  全くあの2人は…


  「成宮、俺たちも行った方がいいのか?」


  「いや、僕らはゆっくりでいいと思うよ。あの2人の邪魔になるだろうし…」


  もう、仕方ありませんね。


  「私が援護します、天上院さんと成宮さんもあの2人について行ってください。そして、危険だと判断したらすぐに連れ戻してください、お願いします。」


  「了解だ!」


  「了解。」


  「五十鈴さん、わ、私は?」


  「真木さんは私の隣で妖気の変動を観察してください、お願いしますね。」


  「うん!」


  任務開始、と言ったところですね。


  11:20 鎌倉大仏 奥の森 新井夏サイド


  「妖魔を隠すなら森の中ってやつか!」


  「それを言うなら木を隠すならだぜ!大将!」


  「ん?翠、少し待て。」


  「どうしたんだよ大将、この先なんだろ?」


  なんだか筋肉がざわつく、このまま進むと危ねぇって俺に語りかけてくる。


  ならば、ここで撮る選択肢は1つ…


  「翠!琴里たちを呼んでこい!俺は先に行くぜ!」


  「あ!そりゃずりぃぞ大将!」


  琴里ならあとはなんとかしてくれんだろ。


  「さて、走るぜ!」


  走り出すと、意外とすぐに開けたところに出てきた。


  「あぁぁぁぁぁ…あああああ!!!」


  「へへっ、なんだか顔がいっぱいある割に目が少ねぇやつだ。」


  こいつぁ…筋肉が滾るなぁ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ