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干支十二家妖魔日記  作者: りちこ
貴族騒乱編
82/193

番外 酒呑童子の書

  4月2日 童子切領域内


  魁紀もよく分からぬ学校とやらに入ったものよ、昨日(さくじつ)の入学式、なにやら懐かしい妖気を感じた。


  あの湧き出した鴉天狗共、人間が召喚したものとは思えぬ、一体誰が…


  「丑崎君、気をつけて、嫌なオーラが見える。」


  「その嫌なオーラってなんなんだ?」


  ほう、あの松田とかいう小娘、他人の妖気をオーラとして見えておるのか。今の時代にもおるものだ、晴明の残り香よ。


  童子切領域内でも、外の景色はよく見えておる。だが見えるだけ、何か出来ることはない。強いて言うなら、魁紀に語りかけるだけよ。


  して、小娘の言う通りだ。羽澤という小娘以外に幻がかけられておるな、妖気の匂いからして、昨日(さくじつ)の鴉天狗共に似ておる。


  気をつけよ、魁紀。


  5月14日 13:35 童子切領域内


  辰仁の小僧との試合か、カカッ!面白い、だが出てくるのは鬼寅の小娘か、我の時代とは違い、やんちゃな娘というより、姫かのようだ。


  「なぁ鬼寅。」


  「なによ、今は試合中よ。」


  「そんなことはわかってる、それより重要なことだ。すぅ…はぁ…俺と友達にならないか!」


  「えっ!?」


  「あっはっは!大胆だな魁紀!」


  「あれって…告白ですか…?」


  カッカッカ!!前に鬼寅のジジイに言われたことをここで話すとは!!カッカカカカッカ!!魁紀よ、随分と笑わせてくるわ!


  「あ…あんた…なにを…」


  「ちょ待って!今の泣くことか!?」


  「知らないわよこのバカ!!」


  「えぇぇぇぇ!?!?」


  やれやれ、女心が全くわかっておらんではないか。魁紀よ、もっと精進せよ。


  6月22日 16:45 童子切領域内


  「あ、あれって…」


  「あぁ、牛頭鬼だ。」


  「ゴォォォォ!!!」


  ん?牛頭だと?


  牛頭馬頭は日光で消したはず…ただあやつらは茨木の配下、茨木さえ生きておれば、復活も可能…


  なるほど、女狐のやつ、茨木を復活させおったな。


  日光で茨木を回収したのもそういうことであったか…カカッ、つまらぬことを…


  数分後


  「よっし!いっちょ上がり!」


  「みんな知らないうちにかなり強くなったなぁ、もう俺なんて要らないんじゃないか?」


  「先生とあんな特訓したからね、強くならないと怒られちゃう…」


  魁紀の仲間も強くなったものよ、特に歌田の小僧、日光の時よりいい顔になっておる。


  実のところ、この班では魁紀以外は大した戦力にはなっておらんかった。だがよくも成長した、人間ながらあっぱれよ。


  して、魁紀も同じようなことを考えておるな。茨木が蘇っていることに疑問を抱いておる、あの女狐にも警戒せねばな。


  7月20日 12:00 童子切領域内


  茨木は逝ったか、同時に、根元も逝ったか…


  茨木よ、貴様はよい配下であった。


  大江山で初めて会ったあの時、貴様は無謀にも我に挑んだ。その意志の強さに免じて、貴様を配下に置いた。


  それからは、我の右腕として、よく働いてくれた…実に、大儀であったぞ…


  貴様に出会うやつの願いは、ことごとく叶うことは無かったが、最後に願いを叶えられてよかったな…


  今思えば、貴様から願い事なんて聞くこともなかったが、1度くらいは、我が叶えてやりたかったものよ。


  魂は巡り巡る、それは人間も妖魔も変わらん。もしまた巡り会えるのならば、今度は我が友として…

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