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干支十二家妖魔日記  作者: りちこ
貴族騒乱編
75/193

第七十集 夏の悩み

  9月5日 12:00 姫路城 天守閣


  「貴重な手駒が無くなってまったわー、困ったのう。」


  「ふふ、では次は、(わたくし)にお任せくださいませ。」


  「あらあら、期待してんで、長壁(おさかべ)。」


  「御期待に応えて見せますわ。」


  「そういうたら、藤原の爺はんが困っとったで、使(つこ)うたてや。」


  「ふふふ、相変わらず怖いですわ、承りましたわ。」


  12:15 藤原邸


  「ただいまより参上致しました。小戌丸強です、本日より藤原様の護衛の任を承らせて頂きます。」


  「御託はよい!とにかくわしを妖魔から守るんじゃ!わかったなら下がれ!」


  「かしこまりました。」


  「十二家1人を付けても心配じゃのう…」


  「はぁ…オイラまた厄介な任務引き受けてしまったなぁ…」


  12:45 任田高校 体育館


  「ほんじゃ、一旦休憩じゃ。ゆっくり休んで、ちゃんと水分も取っとくんじゃ。」


  昨日に続いて、今日も腕試しだ。昨日は奇襲だったけど、今日は正々堂々面と向かっての勝負だ。形式は根元先生の時でもやっていた、先生1人対1班でやっている。


  そして結果はもちろん、葉月先生の圧勝だ。根元先生は力で押し切って来るタイプだったけど、葉月先生はテクニックと基本技の応用を多用してくるタイプだ。


  「おまんらなかなかセンスはええのう、なかなか手強かったわ。」


  ただそれでも手強い止まりか…上にはまだ上がいるなぁ…


  「ただのう夏、おまんは力任せで戦いすぎじゃ、班員がその分負担になっとることを覚えるんじゃ。」


  確かにな、夏は鍛えすぎてるから、自然的に力任せと言うより筋肉任せになっちゃうからな。


  「分かってないなー先生!この筋肉こそが俺の力を支えてくれるんだぜ!」


  「そうかもしれんが、おまんはもう少し妖術を身につけるべきなんじゃ。力だけだとかえって力不足になることもあるんじゃ、よーく覚えとき。」


  「わ、わかりました…」


  珍しく夏が引き下がった。


  「ほんじゃおまんら、続きじゃ。第五班からやるぞ。」


  第一班からやってくれよ…


  14:00 任田高校 体育館


  「ほんじゃ、今日は終いじゃ、散った散ったぁ。」


  疲れた…動きは速いし巧みに術を使って来るから戦いにくい…


  「なぁ魁紀、ちょっといいか。」


  夏が深刻そうな表情をしている、まさかさっきの葉月先生の言ってたことを気にしてる訳では無いだろうな。


  「なんだよ深刻そうな顔して、らしくないんじゃないの?」


  「ちょっと気になってな、さっき葉月先生が言ってたこと。力だけじゃ力不足だって、力があるのに力不足って日本語おかしいと思うんだけど。」


  違うぞ、葉月先生が言いたいことは絶対そういうことじゃないと思うぞ。


  「そうだな、それじゃうちに来い、俺を加えて3人で話を聞いてやるよ。」


  「魁紀んちか!ん?待てよ、魁紀んちって魁紀と羽澤2人だけじゃなかったのか?誰だよ3人目は。」


  「来ればわかるよ。」


  まあ、知ってるやつだけどあんまり知らないやつって感じ。


  14:30 自宅


  「な、なな、なんだとぉ!?」


  「誰よあんた。」


  「魁紀!なんであいつがここにいるんだよ!!」


  めんどくせぇ…どうせこうなるとは思ってたとはいえめんどくせぇ…


  「いろいろあってな。まあそんなことはいいから、話したいことがあるんじゃないの?」


  「そんなことで済ましていいことなのかそれは…」


  「いいから、早く話せ、じゃなきゃ夜飯抜きで帰らすぞ。」


  「それはダメだな、よし!話すぜ!」


  「あのぉ、ご飯作るの私なんだけど…」


  正直羽澤には悪いと思ってる、だって、俺と鬼寅ご飯作れないんだもん。


  ともかく、4人でテーブルを囲み、会話を始める。


  「単刀直入に話すぜ、俺はどうすりゃ強くなれるんだ?」


  「やっぱりそんな話か、強くなりたいなら筋肉お願いだっていうのがあってだな。」


  「いや、それモテたい時と痩せたい時のやつだろ、俺知ってんだぞ。」


  なんだ知ってんのか、つまんねぇの。


  「夏君は十分強いと思うんだけどなぁ、やっぱり葉月先生に言われてから結構気にしてるの?」


  「そりゃああんなに言われたらな…」


  「あんた、妖気が全然使えてないからなんじゃないかしら。」


  ほう?鬼寅のやつ、興味深いことを言うね。


  「妖気なら使ってるさ!俺の夏ノ段は全部妖気が!」


  「あれは妖気なんかじゃないわ。藤十郎と戦ってた時見てたけど、あんなの全部あんたの単純な力が生み出した衝撃波だったりするのよ。」


  鬼寅のやつ、意外とちゃんと見てる。それよりも夏は今まで力任せで衝撃波を出してたって、やっぱり筋肉ゴリラのやることは違ぇな。


  「じゃあ俺は今まで…」


  「簡単な話よ、今までやってたことに妖気を乗せるイメージをすれば解決することだわ。」


  「おお、おお!!ありがとなぁ!!ええと清田(きよた)!」


  「鬼寅(きとら)よ!!」


  どんな間違い方だよ…


  「よぉし!そうとなれば特訓だ!魁紀、羽澤、木戸田(きとだ)、付き合ってくれ!」


  「だから私はき!と!ら!よ!」


  覚えるつもり無さそうだしもういいんじゃないかな…


  「明日からな、今日はもう勘弁だ。」


  「なんだよぉ、つれねぇな。」


  「アホ、今日はもう疲れたんだよ、葉月先生との腕試し。」


  「葉月先生強かったよなぁ…攻撃全部捌かれた…」


  葉月先生の動きは、とにかく綺麗だった、無駄な動きが1つもなかった。忍だからというのもあると思うけど、にしても綺麗だった。


  気づいたら後ろにいる、とかではなく。全ての攻撃を的確に察知し、それに対して最適解の動きで捌く。そんな感じだった。


  「俺も、葉月先生みたいに動けるかな。こうシュッと攻撃を躱して、シュッとスパァッと!って捌く!」


  「そんな感じならたぶん当分は無理だな。」


  「なんでだよ!?」


  考えがアホ丸出しだからだよ。


  「まあ、もう今日はいいだろ。飯だ飯、羽澤作ってくれぇ!」


  「魁紀も手伝ってよね…あと真由ちゃんもね!」


  「げっ…私もなの…」


  夏の話が一段落着いたこともあって、夕飯の準備が始まる。明日は夏の特訓に付き合わないといけないから、今日は早めに休むとしよう。


 

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