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干支十二家妖魔日記  作者: りちこ
夏休み編
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第六十四集 海と水着

  7月21日 12:00 江ノ島


  昨日五十鈴がみんなで根元先生の日記の内容をやるぞーとのことで、今日は江ノ島に来てるわけだ。


  それにしても。


  「いい景色だ、そうだと思わないか?夏君。」


  「あぁ、俺の筋肉が喜んでいる。そう思わないか?龍太郎君。」


  「そうだとも、眼福だ。」


  目の前に広がる楽園を、俺たちはサングラスをかけて、砂浜で寝ながら眺めていた。


  根元先生には申し訳ないが、この素晴らしい景色は俺たちが代わりに見届けます、どうかこの景色がこの瞳を伝って先生に届きますように…


  なんと言ってもまずは海!素晴らしく綺麗だ。


  そして…水着!!


  我が1年5組の女子勢の水着!素晴らしい景色である!!


  「いやぁ、素晴らしいですなぁ。ずっと眺めていたいレベルだ。」


  我世の春が来たとはこういうことなのかもしれない。


  「そこの3人、なにをしているのですか?」


  五十鈴が鬼の形相でこちらを睨み、歩いできた。だがしかし、そんなことよりも五十鈴の素晴らしい水着が…


  「待つんだ琴里、これが根元先生がやりたかった事だよ!」


  「そうだよ五十鈴!俺たちは先生の夢をだな!」


  「ただみんなの水着が見たいなんてそんなことないんだぞ!」


  「「おい龍太郎。」」


  「あ…」


  なんで言っちゃうのかなぁ、まだ始まったばかりなのに…


  「夏、やるべき事は分かるね?」


  「あぁ、もちろん。」


  「お前ら、何をするつもりだ!」


  「五十鈴、全部こいつのせいです。」

  「琴里、全部こいつのせいです。」


  「お前らぁぁぁぁ!」


  許してくれ龍太郎、これが世の常ってやつさ。何事にも犠牲は伴うんだ、分かってくれ。


  「1人差し出したからと言って、許すわけないじゃないですか。班長2人と班員1人で総班長に逆らえると思いますか?」


  こいつ、こういう時に職権濫用してきやがった…


  「というわけで、ちゃんとそれぞれ自分の班のところに行ってください。また変なことやろうとしたら、今度は許しませんからね。」


  職権濫用はするけど思ったより寛大だった、感謝するぞ五十鈴、俺たちにもう一度チャンスをくれて。まあ、もう一度水着を眺めさせてくれるチャンスを。


  「わかった、南江たちのところに戻るよ。」


  「俺も、朋実のところに行くわ。」


  「琴里!一緒にあっそぼーぜぇ!」


  「海に沈めますよ。」


  えぇ…遊んであげてよ…


  ともかく、俺は第五班のところに戻った。男子勢は全員なんだか前よりも筋肉質になってて、たくましく見える。


  そして南江と松田は…素晴らしい!!高校生のうちにこんなに素晴らしい景色を見れて!俺は幸せもんだァァ!!


  「魁紀君、ずっと胸見てる。」


  「いや、松田、許してくれ、これはなぁ…」


  「魁紀君?グーとパーどっちがいい?おすすめはグーかなー。」


  「どっちも選ぶわけないでしょグハァァッ!」


  だから選ばせる暇をくれって…腹を思いっきり殴られ、そして海に沈んだのが最後の記憶だった。なんだよ、海に沈まれるのは夏じゃなくて俺だったわ…


  13:00 江ノ島


  ん?何がどうなったんだ…俺、確か南江に殴られて、海に沈められたはずなんだけど…


  海にはいる、砂が足に当たってる感覚もある。つまり今は浅瀬にいる訳だ。


  そしてなんだこの顔に当たってる感触は…すごい、もちもちというかぷにぷにというか、わからない…けど触り心地がかなりいいからなかなか離れられない…なんなんだこれは…


  「魁紀…いつになったら離れてくれるかな?そろそろ殴りたくなってきたんだけど…」


  この声は…いつも家で聞く声…お母さん?いや、失礼だけどこんな若い声はしてない…てことはつまり…


  「揉んでるって事は起きてるんだよね?とっとと離れろぉ!!」


  「あぁぁぁ!!羽澤ごめぇぇぇんんん!!」


  しまった…女の子の胸ってあんなにも触り心地がよいものなのか…そして今度は顔にグーが1発入った、これは痕が残るって…


  「すまん羽澤…初めての体験だったからつい…」


  「ついじゃないよ!恥ずかしかったんだからね!!」


  そりゃ恥ずかしいよなぁ、でも凄い良い感触だった、機会があればまた頼みたい。


  しかし、江ノ島に来たのはいいけど、今のところ殴られてばっかりだ。本来の目的である根元先生のやりたかったことをやるというのをやらなければならない。


  と言っても、何をやればいいか分からないというのが答えだ。正直、女子生徒の水着を眺めることこそが根元先生のやりたかったことなんじゃないかと思う。


  「みなさん、1度集まって頂いてもよろしいですか?」


  五十鈴から招集がかかった、たぶんそろそろみんなでやることを考えるんじゃないかな。


  「琴里ちゃんどうしたの?」


  「いえ、根元先生の日記では海に行こうとは書いてありましたが、海に行ってなにをするかまでは書いてありませんでした。なのでなにをしようかと思ったので、みんなと考えようかと。」


  やっぱそういうことになるよね、ではここで俺から1つ提案。


  「誰が1番深くまで潜れるか勝負だ!」


  ふん、決まったぜ、我ながら名案だと思う。


  「なんですか、その小学生が思いつくようなことは。」


  ガハッ…!おかしいな、メンタル強いはずの俺が心にダメージとは…


  「全く、もっと考えろよ魁紀。ここはだな、誰が1番遠くまで泳げるか勝負だ!」


  「夏、お前も変わらねぇぞ。」


  龍太郎ナイスツッコミ、座布団10枚やろう。


  「どうしたものか…私が考えつければ良かったのですが…」


  「おいみんな!海から妖魔の反応がするぞ!」


  健太が海の方を指しながら叫んだ、健太が言うんだ、間違えないんだろう。ただこんな時に海で現れる妖魔なんて…


  「みんな下がって!波が強くなってきたよ!」


  羽澤は周りのみんなを下がらせるように指示を出した。そして羽澤の言った通り、波はだんだん強くなり、津波警報が出てもおかしくないところまで来た。


  「仕方ありません、どんな妖魔かは分かりませんが、今すぐ対処できる方は妖魔の討伐を!残りのみんなは一般客の避難を!」


  「み、みなさん!逃げて、ください!」


  五十鈴が指示を出し、通が誘導を開始するが、素直に聞いてくれる人がいない。


  「ウォォォォォ…!!」


  大きい影が現れた、影というか、あれが妖魔の本体なのだろう。海水で出来たであろう体、そして光る2つの大きい(まなこ)、海坊主だ。


  「ぎゃぁぁぁぁ!!」


  「なんだあれは!!逃げろぉぉぉ!!」


  海坊主が姿を現したことで、やっと一般客が逃げていく。こういう時にもならないと、人間って動こうとしないのよなぁ。


  「全員!戦闘態勢を取ってください!海坊主を討伐します!」


 

今回から新しい章が始まります、ですが3.4話位で終わる予定です。お気軽にお楽しみください!

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