第五十七集 それぞれの戦い 弐
6月26日 14:30 洛陽闘技場 根元洋海サイド
「覚悟しろよ茨木童子、引導を渡してやる。」
「クハハッ!言うじゃねぇか、ただ一対一じゃあつまらねぇだろ?出て来いお前ら!」
茨木童子が手を叩くと、そこら中に妖魔が湧き出てきた。ちっ、数で押そうってのか!
「さぁお前ら、獲物は1匹だ、仕留めたやつは俺のの幹部に引き立ててやる!殺れ!!」
「そうはいかねぇぜ!」
この声は…
「先生!ドームに巻き込まれなかったから援護しに来たぜ!」
「夏、だからといって急に走り出さないで下さい…」
「はっ!あいつが茨木童子か、シケたツラしてやがるぜ。」
「龍太郎を探して着いてきてみれば…」
「キャハ!いいぜいいぜ!班長達のリベンジが出来るってもんだ!」
「茨木童子〜、怖い顔してるね〜。」
新井さん、五十鈴さん、早川さん、大谷さん、柿原さん、日高さん…
みんないい生徒だな、先生嬉しくて泣いちゃうよシクシク…でも、みんないい顔してる、俺が教えたことを覚えてくれててよかった。
「じゃあ今考えた作戦を…」
「みなさん、茨木童子は先生に任せて、残りの妖魔は私たちで片付けましょう。私が後衛を務めます、みなさんは前衛で!」
「えぇと…俺は…」
「先生もいいですね?」
「あっ、はい…」
俺の先生としての発言権は…
でも感心感心、五十鈴さんは表立ってのことはあまりしてこなかったが、総班長としてみんなを指揮する能力を手にしたんだな。
「という訳だ茨木童子、お前を屠ってやる。」
「クハッ!意気がるなよ、人間!!」
14:50 洛陽闘技場 棺桶内 申喰サイド
「犬!もっとわしに合わせられんか!」
「そっちこそ、オイラに合わせてください!」
「キッキッキッ!どうしたガキ共、さっきの勢いは嘘だったのか?」
ちっ、犬と全く息が合わへん。このままやとジリ貧や、どうすりゃ…
「全く、なにをしてるのやら。私らも行きますよ、亥尾さん。」
「はいはーい!行くぜ!!」
「私が蛇眼で動きを止めます!その時を狙って!」
助かるわ蛇、動きさえ止まりゃこんなハゲなんて!
「うぉ!」
「あっ!」
なんや、何にぶつかったんや…あ?犬ぅ…
「どこ見てるんですか猿!」
「お前こそどこ見とんのや犬!」
「もう!全く意と気が合ってないじゃないですか!亥尾さん!彼らのフォローをお願いします!」
「はいよー!猪突猛進!!」
いかんのう、このままやと猪と蛇にばっか負担が行ってまう…
「猿、1つ提案です。」
「なんや、今そんな暇はないで。」
「そんくらいわかります、だから手っ取り早く行きます。巳扇さんと亥尾さんが引き付けてくれてる今、オイラ達は力を溜めます。その後2人に合図をしますので、その時に2人で技を放ちます。」
「ほう、お前にしてはええ考えやないかい、乗ったわ。」
こいつの策に乗るんは癪やが、しゃーない、やったるわ。
「では、巳扇さん!亥尾さん!もう少しだけ引き付けてください!その後にオイラ達が!」
「いいや!そんなことはしなくてもいい!俺達がやる!そうだろう?通!」
「う、うん!」
あいつらは田口はんと細矢はん、しもうた、完全に2人のこと忘れとったわ。
「りゅ、龍太郎君、僕が守るから、無理、しないでね。」
「ご心配ありがとな、だけど今回は倒れたりしねぇから安心しろ。行くぜ四天王、怨・花速刀・雨四光!」
なんやあれ、妖刀か?高校生でもう制御出来とるんか、凄いのう田口はん。
「キッ…貴様ァ!!」
「お前ら!十二家なんだろ!突破口は作った!あとは頼むぜぇ!」
言うやないか、わしとて鍛えとるんや、頼まれたら答えるんが筋やろが!
「申喰二刀流・猿煌!」
「参ります!哮天犬!!」
「蛇の舞・神楽!」
「猪妖殺法・素首落とし!」
わしら十二家4人の技が叩き込まれるんや、砕け散りやがれ!
「がぁぁぁぁぁぁ…!!!まだだ…酒呑様が蘇るまでは…まだ死ぬ訳にはいかんのだぁぁ!!魔妖術・妖爆さ…グハッ…なんだ…これは…」
なんや、急に動かんくなった。
「ふ、封印の盾!弱った妖魔を、強制的に行動不能に、する。」
「やったな通!」
「う、うん!」
なんや、任田は豪はんや他の十二家だけやなく、他のやつらもやるやないか。
「こいつ倒したんはええけど、この黒いドームは解けへんのか。」
「これは…星熊を倒さなきゃ…解けねぇよ…」
「なんやと?」
「我ら四天王は…みな格は同じだが…主軸は星熊だ…だからお前らは逃げられんよ…」
ちぃ、その星熊童子とやらを倒してくれへんと抜け出せんっちゅうことか、早くやってくれ…
14:50 洛陽闘技場 棺桶内 辰仁姉サイド
「こんなものか?四天王とやら。」
「歯ごたえ無さすぎるやろ。」
「こやつら…本当に人間か…」
「人聞きが悪いのう、お前さんより強かっただけのことや。」
にしても、なぜこの黒いドームは解けないのだ?他に仕掛けがあるのか?
「金童子とやら、貴様を倒してもこのドームは解けないのか?」
「全ては星熊が制御しておる…我はただ足止めに過ぎぬわ…」
「なるほど、他のやつらが星熊童子とやらを仕留めなければ出られないということか。」
仕方ない、他のやつらに任せるしかあるまいな。
14:50 洛陽闘技場 棺桶内 辰仁弟サイド
「真由!遥乃!合わせてくれ!」
「わかったわ!」
「わかったメェ!」
よし、次は!
「梁!健太!千尋!真由と遥乃が動いたあとに攻撃してくれ!」
「「了解!」」
これで決まりだ!
「今だ!画竜点睛!!」
「「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
「うぉぉぉ!!おのれガキどもぉぉぉ!!!」
よし、やっと倒れてくれたな。
「豪、こいつが倒れたのに、この黒いドームは解除されないわね。」
「そのようだな、4体全部倒さないといけないかもしれない、あとはみんなを待つしかないな!あっはっは!」
頼むぞ、姉上、藤十郎、魁紀。
14:50 洛陽闘技場 棺桶内 丑崎サイド
「もう十分だろ、星熊。この術を解け。」
「プハハッ…いいだろう…さすがは酒呑様の子孫だ。もし生きていたら、今度は貴様に仕えてやろう、酒呑様も喜ぶはずだ…術を解くぜ…」
星熊が術を解くと、黒いドームが徐々に消えていく。すると、先程黒いドームに囚われたであろうみんなも出てきた。そして、傷だらけの根元先生と倒れている夏達。さらに、信じたくは無いが、酒呑様の様な妖魔が、そこに立っていた。
「クハハッ!出てきたか丑崎!今度こそぶっ殺してやるよ!クッハハハハハ!!!」




