第2話 もう限界、無理。無理。
これでよし、産まれたままの姿
バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
辺り一面は真っ白に。
しかし、暑い 暑い
もうびちょびちょ。車内何度よ40度超えている
後部座席のエアコン付ける、あ、バレるか。
そもそも、この人、バカなんじゃないの?
運転席側でよいから、車、エアコンつけてよ
タンクトップから汗が滴る。
もう、びちょびちょ、ぬいじゃえー。
スケスケじゃないの、下着。もう、気持ち悪い。べとべと。
汗で、ブラもパンツもびちょびちょ。この際全部脱いじゃえ。
あら、新車わたしの汗で汚れちゃって
汗で汚れる、シミになる。新車にシミ、私のシミ。
この表現、卑猥ね。
ムフフ。
ふー、これでなんとか、暑さはしのげる
わけがない、
暑い…。
あ、マイクも汗でびちょびちょ。
使えるのかしら、心配。
ここに1時間は、居る。
お店で、これは上からの指示ですから
私共もまったくわかりません。このような事は初めてですので
じっと、この紙に書いてある通り指示に従ってください。
新車ディーラー店長さん、営業さんからお話があり
わたしは、納車後部席に、カーテンを閉められ
ドキドキが止まらない。
楽しみ!もう1度、紙に書いてあることを見直して
何これ?
面白い!
こんな事、やるの?ドッキリ的な?
とても楽しくなってきた。
とりあえず、これで、あわせて
こんな感じかなと、あれ、ここなのね、着いたらしい。
ここ、割と店舗から近いわね、へー。綺麗なお家。マンションであろうか。
店長と営業さんが、誰かと、話ている。
頷いている、タブレットにサインした。
エンジンはかかりっぱなし。
エアコン後部席つけてないけれど
涼しい。
何か話終わったらしい、別の車で、行っちゃった。
え、エンジン切るの?
切っちゃうの?
新車よ、納車されたのよ
どこいくの、普通乗るでしょう
乗らないでも、車内を見るとか、え?
あれ?行っちゃった
おーい、もどってこい
もどってこーい
しかし 暑い
エンジンを切ったとたん、室温が上昇
あの人バカなの?
実はこの新車転売用とか?
え?そうなの、だとしたらこの紙の指示なんの
意味があるのよ
暑い。
汗が滴る
びちょびちょだ。スポーツドリンクが1本渡されていたが
直ぐに飲み干してしまった
暑い、暑い、暑い、このまま外に出ちゃおうかな
ただ、店長は絶対この紙の指示通りにしてください
そうしないと、私が首になります。
まったくもってわからないのですが、この上からの指示。
お願いします、くれぐれれも、この指示通りに
念を押して言われたしな。
店長の首と、わたしの首。
このままだと、わたし熱中症で死んじゃうわよ。
暑い。
汗が滴る。
きた、きた
きたーーー
ついに来た
なにやってるのよ、外観なんてどうでもよいでしょう
早く、エンジンかけなさいよ
写真撮ってる場合じゃないのよ
こっちは、暑すぎて・・・
もうだめ。
汗が滴る。
もうぬいじゃえ。服を脱いじゃえー。
音を出さないように、ゆっくり脱いでも
なかなか脱げない、汗がべとついて
もう、髪もぐしゃぐしゃ、手櫛、手櫛
胸元も汗びっしょり、足も
下着透けている。汗で、下着もびしょびしょ。下着も脱いじゃえー
産まれたままの姿、素っ裸。少しは楽になったかな
なってなーーい。この極暑から早く解放して
何やってるのよ、早く車に乗って
おーい
おーーーーい
おーーーーーーーーい
バッタン
お!きたー、入ってきた。
おいおい、エンジンのかけ方もわからないのか
ど素人!!
「スマートフォンをかざしてください」
隙間からのぞき込むと、スマホをかざして
エンジンかっかたー!
やった、これで、エアコンが
おいおい、エアコンは
体中から汗が湧き出てくる。新車に私の汗が染みこむ、1番初めに車を汚したのは、わ、た、し。
なんというか、表現次第では、このエロス。
ふー!
そうじゃない、そういうことに入り浸っているわけではなく
エアコンを!!
おねがいしまーーーーす!
え?
いきなり運転するの
あ、紙、紙、マイク、マイク
私は、慌てた。店長が言っていた通りに行動すれば良いと
私の役目は、ナビをするのだった。
暑い
暑い
全身汗でぐしょぐしょだった。
正直、意識がもうろうとしてきた。
これやばいやつ?
ふー、なんとか
紙に書かれたシナリオ通り終わった
紙がもう汗でぐしょぐしょ。
文字がにじんでいる。
これ以上は意識が持たない。
後書いてあるのは、わかったわ。
そして、これだったはね
え?
「みのり」
嘘!
本当に
「みのり」
え?
それは、後にしてこの極暑から解放されないと
私が死ぬ。
これだったわね、
この、これを、こうすると
え?
真っ白、何も見えない、手探りで、ここ、こっちよね。
えーい、ここをあけて前にあれ、なにかぶつかった
ま、いいか、よいしょと、ここで良いはず。
よし
座った
あ、何も服着ていない。ま、いいか、暑いし。
え?
すかさず、エアコンのボタンを押した…。
ふー、涼しい。汗が急激に冷える。気もち良い。
ずっとこの時を待っていた。待っていたのに…
彼は気づかない
なんで、どうして
忘れてしまったの?
わたし、わたしの…
これから、どうなって行くのだろう。
でも、私は、決めているの…そう。




