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第14話 怖いから、一緒


ザばぁーーーーーーーーーーー。ガタガタガタ

雨、風共に叩きつけるように、強くなってきた。怖いの、怖い。


4時に一度目が覚めて、スマホで天気を確認。

台風本体はまだ来ていないが、雨。風も。出発時刻を早めないと。


美野里はぐっすり寝ている。ベッドから出てテレビをつけた。

台風情報は流れているが、詳細は分からない。予想進路はスマホと同じ。

のろのろ台風。


パン、パンと叩く音がする。

なんだろうと、振り返ると、ベッドで美野里が叩いている。

寝ているのだけれど、どうみても、寝ているのだけれど

来いというのか?


起きていても、台風が消えるわけではないので、もう1度ベッドに。

アラームを9時に設定。



9時になり、アラームが鳴った。良く寝たな。外は雨だ。

テレビをつけると台風情報が流れていた。

交通機関に影響が出る見込み


お昼ではなく、10時には出よう。


未来

「起きて、起きて」

「美野里さーん」


美野里(うーん、気持ちいい、良く寝た)

「おはよう、未来?どうして着替えているの」

未来

「外見てみて」


美野里

「雨」


未来

「そう、台風が来ている、早めに出よう」


美野里(え?台風、台風、子供のころに2回位台風があったがあまり覚えていない。家にずっといた)

「雨なの!土日、テレビで土日雨、台風と言っている」


ショックを受けた様子であった。


美野里(でもよし、来週チケット買ってあるから、そこで、大丈夫)

「わかった、着替えて、出ましょう」





未来

「え?その短い、スカート。風強くなるよ」


美野里

「良いの良いの、行きましょう、あ。雨だ」

「雨、雨、雨、久しぶりのあめーit's raining」


未来(雨なんて、珍しくないでしょうに、楽しそうに)

アルファードに乗り込み、ルート検索。

そのルートが最短なのだけれど、

アクアラインは何時止まるかわからないから、別のルートで


車を出して、高速道路に入った。

美野里

「なんだか、雨、強くなってきたわね」

「あら、車すくない」


速度制限があり、雨も強いことからゆっくりと進む。


美野里は音楽をかけながら、歌っている。洋楽だ。


2時間30分かかって、到着


美野里

「駐車場、少ないね。ガラガラ」


未来

「台風だからかな」


美野里

「どうして?台風だと車少ないの」


未来

「アクアライン止まると、来れないし、帰れないから、キャンセルなのでは、電車も影響とニュースで言ってたし」



美野里

「台風の中、ホテルに来る、私達って変なの?」


未来

「いや、変ではないと思うが、もう少し遅く出たら、到着できなかったかもね」


車を止めて、中に向かうと


突風が

びゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん


未来

「ほら、だから、短いスカートだと、パンツ丸見えだよ」


美野里

「そんなことより、雨、早く、早くいこう」

美野里

「雨に濡れたー、ぬれちゃったー、ぬれちゃったー」


未来(なんで、雨に濡れて楽しそうにしているのだ)




とりあえず、フロントへ


未来

「人少ないですね、新穂です」

フロント

「台風でキャンセルが出てまして、数日前からです。明日チェックアウト予定のお客様も、先ほど切り上げられて」

「こちらを、お願い致します」


記帳


美野里が書いているのを、横から覗くと、え?27歳

同じだ。どういうことだ、同い年?


館内の説明を受けた。

チェックインしたものの、お部屋に入れるのは、15時とのこと。

屋内プール、温泉は入れる。


未来

「お昼時間だから、食べようか」



これが館内マップ。なるほど。



美野里

「お腹すいたー」


外凄い風が吹く


未来

「ところで、同い年なの初めてしったよ」


美野里(え?わたし言わなかった?あれ?言ったような、言わなかったような)

「そうよ、27歳、未来も誕生日で27歳でしょう。」

「お店ある、ねー、お酒とか買っておこう」


外を見る美野里(この天気じゃ海は無理ね。案内してくれた人も、屋外はダメといっていたし)

(屋内プールは、大丈夫みたいだけれど)

(外を見ると、少し怖いから、お昼食べたら、お部屋に)



15時になり部屋へ最上階である。


美野里

「すごーい、畳、畳よ」

「未来、畳って知っている、畳なのよ」


窓に移動して、たまに強い雨と風が打ち付ける。

本当は、この先の海とか開けて見えるみたいだけど


風、雨共につよくなってきている、未来が言う通り早く出発して正解だ。


未来

「未来くれぐれも開けない・・・」


美野里興味本位で窓あけると


ぼーーーーーーーーーーーーーーーーぉーーーーーーーーー


美野里の髪の毛が逆立ちになり


目を真ん丸とさせながら、

美野里

「髪の毛とれちゃうかと思った」

と大笑い

直ぐに窓を閉めて


未来

「凄いよ、見てみて、美野里」


美野里は自分の髪をみて

「うわーーーぁ、鬼みたい。」


大笑い


美野里

「未来、髪とかして、はやく、はやく」

「凄い風。初めてかも、風、私を見事に狙ったように、吹き荒れて」


大笑い


「台風って、すごーい!」



テレビをつける


台風はのろのろ、本体が来るのは明日。降水量が半端じゃない。


未来(明日も駄目だな)


美野里

「よーし、缶ビールあけて、さっき買ったおつまみ」

「初お泊りに乾杯」

「未来、写真撮ろう、写真」


はじめての写真。二人で撮る写真


未来(初お泊りというか、毎日、家に一緒に居るのですが)



ゴーォ~ーーーーー。

凄い風が、窓ガラスを揺らす。



未来

「温泉入りに行こうか」


美野里

「嫌よ」


未来

「え?温泉だよ、温泉は営業していると」


美野里

「そうじゃない、嫌なのは、別々。別々なんて、わたし怖いじゃないの、わかる?」

「この美少女美野里ちゃんが、一人で温泉なんて、ありえない」


未来

「はぁ?」


美野里

「このホテルにしたのは、外のそれ、それ、その外が見えるお風呂に」


未来

「台風じゃ海や、外のプールに入れないから、せっかく来たのだし、温泉行こうか」


美野里(一緒に温泉入れないのかな、うーん。一人だと怖いな。明日はエステを予約してある)

未来が行くというのだから、しぶしぶ温泉に行くことにした。





未来

「どうして温泉が嫌なの?」

美野里

「温泉大好きよ。大きいお風呂でしょう。」

「嫌なのは、一人で入るのが嫌なの。未来も一緒に入ろう」


未来

「だめだろう、女風呂は、女性専用。ちなみに、男風呂も男性専用。」


美野里

「えーーー。仕方がないな。」



温泉の前についた



美野里

「未来は、温泉に1分入って、ここに戻ってきてね」

「わかった?」


未来(無理言うな…1分なら、着替える間に、TIMEUP)


美野里

「わかった人?」


未来(無理ですって)


美野里

「わかりましたか?では、3分で手を打ちましょう。」


未来(三分!)

「はい」と、返事しながら、走って男湯へ




未来、男湯、誰も居ない…。即出た。


そして、戻る。


戻ってきた



戻ってきた


誰も居ない。

美野里も居ない。


うーん、缶ビールを開けて、スマホでもいじくって時間を潰す


缶ビールが、空になったので、もう1本買って、時間を潰す


・・・

美野里遅いな、倒れたりしていないよな。



2時間経過。


やっと美野里が出て来た(3分で温泉に入る必要は、無かった)


美野里

「まった?待ってないよね?」

未来


美野里(あら、待たせちゃったのかな、だって気持ちよかったのだもの、誰も居ないし)

未来の腕に抱き着いて、胸を半ば強引に、腕にあてて


美野里

「よーし、お風呂上りのビールを、GO!」



お客さんが少ない。少ない。



ビールとおつまみ


美野里

「未来、お酒は、何時も飲んでいるの?」


未来

「俺は、学生の時に2回位で、研究所はお酒が無いから、飲まなかった。」

「こっちに来てかな、久しぶりに缶ビール飲んだから美味しいと」

「真夏で、暑いからかもね。コンビニで焼酎も、買って」

「それからは、毎日飲んでいる。」


美野里

「私も同じ、お酒飲むの、最近。」

「お酒、飲んだことが無くて、飲んだら美味しくて」

「あれはだめ、缶酎ハイとかいうやつ。あれ飲む位ならジュース飲めばよいわ」

「ワインは衝撃だった、美味しかった」


未来

「え?あの時飲んだワイン、初めてだったの」

美野里

「うん、そうよ。」


未来

「だから、水を飲むように、ごくごくと」


夕食の時間


バイキング。

お客さんは、ぽつり、ぽつりと数えるくらい


美野里

「バイキング、が貸し切りよ」

「よーし、食べるぞ」

「じゃーん」


未来(この量食べられるの?)

(少しずつ、食べて、何度も足を)


美野里

「ねー、ねー、写真、写真撮ろう」

「ほら、もっと、くっついて」


乾杯!


美野里

「美味しい!カニ大きい、御寿司も。天ぷらも美味しい」

未来

「うん、残さず食べようね。お酒も追加で」


美野里

「私ね、実は子供のころ、おじいちゃん、おばあちゃんに、ここに泊りに来た事があるのよ」

「小学6年の時だったかな。1泊。初めて海に入ったの。3秒位」


未来(このホテルに来たことがある、やはり土地勘が、船橋からは遠いが、千葉には、同い年…)

「3秒!って入って無いよね。海」

美野里

「なんかね、覚えているのは、入ったらヒリヒリして、びっくりしちゃって」

未来

「月曜日に入ろうか。」


ゆっくり食事とお酒を堪能し、部屋に戻る。


雨と風はさらに強くなってきていた。

テレビをつける。

交通網は麻痺している、まだ台風本体は上陸していない。

明日のお昼事上陸し、夜には太平洋に抜けるとのこと。


缶ビールを開けて、買ったポテチを広げ、ニュースを観ている。

風が強い。


美野里(着替えないと)

(あれ、着替えはどこだろう)

「着替えってどこだろうね」

未来、適当に開けてみる。この部屋ではない、となりか


隣を開けて、あ、ここにある。

未来

「あったよ、着替え、浴衣」

美野里は全裸になって、着替えを。

「未来も着替えて、着替えて」


もう1度ニュースを観て

美野里

「ねー、この浴衣で、写真を、温泉に来たー感があって良いから、写真」


二人で写真を。

俺もスマホで、撮ろう。(谷間が、谷間が…)

未来(おお、良い、良い!)

「もう1枚!」


じゃー、もう一回、乾杯!


未来

「おじいちゃん、おばあちゃん、と、来たことがあると言ってたけど、連絡しなくていいの?」


美野里

「うん、良いの、内緒、内緒」

「土日雨でなければ、花火が観られたそうよ」

「この風と雨ではしょうがないから、もう1度乾杯」


未来(ん?、はぐらかされた様な)


さて、寝るかね、0時回ったし、ベッドは別々、広い。ゆっくり寝れる。


それでは、お休み。


え?え?


未来(美野里が…)

「美野里さーん、美野里さーん」

「ほら、ベッド2つあるのだよ、2つ」

「ゆっくり、広々と寝れるよ」


美野里(ぐっと起き上がり)

(窓を指さす)

(もう1度、外を指さす)(怖いのである)


「い・や・だ」

「いや、です」

「いや、でーすぅ」


「未来と、こうして寝るの」


お互い、浴衣で向き合って


未来(うわ、胸が、胸が、あたる)


美野里

「うーん、風強い、音が、怖いから電気着けて良い」


未来

「うん。俺は構わないよ、付けるのね」


美野里

「お休み」


未来(美野里寝るの早い、お休みと言ってから1分していない)

(この向き合った体制は、視線が…)


(明るいから、何か観てはいけないものを、凝視して、うわ、頭がこんにちは、している。)

(夜なので、寝てください。こんにちは、しないでください)



(これ、寝れない、というか下半身が、起きて来ちゃった…)

(我慢、我慢、羊が一匹、羊が二匹、全裸の美野里が…)




台風本体が来るのは、これからである。雨風はさらに強くなり、予想より発達した台風は

のろのろと、時間をかけて迫ってくるのであった。そう、今の美野里の寝姿のように。



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