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16 温泉旅行

 


 今日は前にも言っていた通り、真夏が商店街のくじ引きで当たった1泊2日温泉旅行に行く。


 そして今回は初めて女装せずに行くのだ。


 チケットには家族用の貸切風呂があるらしいのだがやはりここは男性がいると一言入れていた方がいい。


 普通に運営してて知らんうちに男性が居て問題起こされたらたまったもんじゃない


 しかも先日オープンしたらしいのだ。だったら尚更連絡しないとまずいだろう。そして1番必要なのが水着らしい。真夏が着ろって言ってたから着ることになったのだ。


 ちなみにこの世界の男性はスカートを履くだけでなくブラもつけないといけない。逆転してるからって男がブラとか前世だったら罰ゲーム以外何物でもないな。特に男のビキニがあったと知った時は心の底から恐怖で震えた。


 さすがの俺もスカートは許容範囲だがビキニは無理。なので俺はスポーツブラとズボンのスタイルとなった。


 女性もブラをつけるのだが、それは胸が大きい人のみ、スレンダーな人はつけないらしい。

 



 ……別に残念がってはいないさ。巨乳のお姉さんの胸が見えないなんて。




 車でざっと2時間くらい走る。優奈は楽しみで夜寝れず今は車の中で爆睡している。


 あっ、よだれ垂らしてる可愛い。






 そして到着、


「初めてだよな、女装しないで外出なんて」


「学校行くときもカツラ被ってたしね。でも一応帽子をかぶっておいてね」


 そう言って真夏は手に持っていた帽子を俺に被せる。


「分かったよ」


 今思うとカツラ被るだけで女装といえるのか疑問だな。まぁ結果的にはバレてなかったから深くは考えないでおこう。


「優菜着いたぞ」


 優菜の頬を指で突きながら起こす。


「ぅ〜ん、にーちゃ、おんぶ〜〜」


 寝起きであまえてくる、そして手探りで俺を見つけようとする優菜。全く可愛いったらありゃしない。


「はいよ」


 俺は優菜をおんぶして旅館に向かう。






「本日はようこそいらっしゃいました。先週から連絡していただいた木下様で間違いないですね?」


「はい」


 真夏が受付の人と話している。しかし声は小さめで、隣にいる俺にギリギリ聞こえるくらいだ。


「そして連絡によりますと男性を連れてくる、とのことですよね。そちらのお子さんですか?」


「はい、間違いないです。ですが何かあったら困るので……」


「大丈夫です。本日開店したのに潰すような真似は致しません」


「お願いします」


「一応ここに息子さんのサインを」


「悠君」


「おう」


 受付の人が指でさしている場所に名前を書く。そして書き終わったら、


「2日間よろしくお願いします」


 とお辞儀と笑顔で挨拶。お世話になるのもあるが俺のせいで何かと迷惑をかけることになるのは明確な事実。ならば誠意を持った行動をしなければならないだろう。


「……いえ、では部屋の鍵をどうぞ」


「ありがとうございます」


 真夏が鍵を受け取り、部屋へ向かう。



「あの子の使ったボールペン……5日はもつわよね」


 ……今のは聞かなかったことにしよう。




 やはり温泉旅館といったら和風のイメージが強い。ザラザラとした肌触りのある畳、何処ぞのバカ殿が1つずつ穴を開けていった障子。


 なんか穴を開けたくなってきたな。……いや思っただけだから問題はない。


 部屋の端に持ってきた荷物を置く。そして優菜を下ろす。


「にーちゃ、まだおんぶ〜!」


 とごねるが、


「にーちゃは畳の上で寝たいのだ〜〜」


 そう言って俺は寝転がる。


「じゃあ私は悠君の隣で〜」


 真夏も俺の隣で寝転がる。ふっふっふっ、2対1だ。さぁ優菜どうする?


「あまいよにーちゃ! ボデぇがガラ空き!」


 とうっ! と言う声ととも両手を伸ばして優菜が俺の腹に倒れて来る。


「グフッ!」


 痛いけど可愛いので許す。


「私はにーちゃに重なって寝る〜」


「まぁ少しだけだぞ?」


「うん!」


「んじゃ寝るぞ〜」


「へへへ、おやすみ」


「すや〜 」


 とりあえず、今は3時頃……6時くらいにアラームでいいのか?







 起きた。時刻は6時ちょうど。では早速、


「風呂に入るぞ!」


「「おー!!」」


 寝起きなのに凄い元気な2人。


 脱衣所に向かい俺は水着を着て、優菜と真夏は裸に。


「にーちゃ似合ってる!」「悠君似合ってるよ!」


「ありがとう、ありがとう」


 ごめん、なんか複雑な気分だ。選んだの俺じゃないからか? 俺はファッションにもう少し気を使ったほうがいいのだろうか? まぁそんなことはどうでもいい。


 後あまり2人の裸を目にいれないようにしている。貞操観念が逆転しているとはいえど乙女の裸を軽んじて見るものではない。


 俺は先にドアを開ける。


 そこには外の綺麗な空気、そして緑溢れる景色、源泉の流れ出る音。これぞまさしく温泉。


「わーい!」


 とすぐに温泉に入ろうとする優菜。それを、


「待たれよ、優菜!」


 俺が止める。風呂好きな俺、誰であろうと温泉でのマナーをキッチリ守ってもらわねば。


「どうしたのにーちゃ?」


「マナーを知らずして温泉に入ろうなど笑止!私が直々にマナーを教えてやろう!」


「優奈、私も教えるよ〜」


 真夏がマナーを教え……くだらねぇ事考えてないで教えるか。


「まずは体と髪を洗いましょう」


「悠君は真ん中ね?」


「背中を流し合うんですねわかります」


 左から優菜、俺、真夏の順に並んでいる。


「じゃあにーちゃまず髪洗って!」


「悠君の髪は私が洗うね」


「ママは?」


「終わった後に悠君にしてもらう、いいよね?」


「もち」


 俺が優菜の髪を洗う。その間に真夏は俺の髪を洗う。すごく気持ちが良い、思わず目を細めてしまう。


 そして俺も俺で優菜の髪を強すぎず、優しく洗う。真夏に似た綺麗な黒髪、大切に扱わねば。それにこんなにも可愛い優菜だ、将来は真夏に似た綺麗で美人な女性になるだろう。


「ん〜〜♪」


 気持ちよさそうに声を出す優菜。力加減がちゃんとできていると分かる。


「悠君、痛くない?」


「大丈夫だ、問題ない」


 今度は俺が真夏の髪を洗い、優菜が俺の髪を洗う。


「気持ちいいよ、悠君」


「そうか……なら力加減はこのままだな」


「にーちゃ私は?」


「おう平気だ、気持ちがいい」


 そして次に体を洗う。前はそれぞれ自分で洗い、後ろはよく古い漫画でもあるように、


「右向け〜右!」


 俺の声とともに、全員で右を向いて、優菜が俺の背中を、俺が真夏の背中を洗う。


「左〜向ーいて!」


 優菜の声とともに左を向く。今度は俺が優菜の背中を、真夏が俺の背中を洗う。


「うん、じゃあまた右!」


 真夏の声とともに右へ向く。


 それを何回か繰り返して、


「温泉に入ります!」


「「は〜い」」


 本当にうちの家族はノリが良くて助かる。


「タオルは温泉の中に入れてはいけません、泳いではいけません」


「分かりました!」


「では入りましょう!」


「ふふふ……楽しみ」


 温泉に入る。壁に寄りかかり胡座をかく。優菜はその上に座り俺に寄りかかる、真夏は俺の隣に。




「「「はふぅ〜〜〜」」」




 あまりの気持ちよさに全員が声が出る。そして俺は真夏の肩に頭を乗せる。


「どうしたの悠君?」


「少しこのままで」


「うん」


 そう言って真夏も俺の頭の上に自分の頭を重ねてくる。


「温泉っていいね」


「ああ、そうだな」


「えへへ〜気持ちいい〜〜♪」




 しばらく温泉を堪能した。











 温泉を出てする事といえば、



「「「んっんっんっ、ぷはぁ!」」」



 湯上りの一杯である。


 優菜←フルーツ牛乳


 俺←コーヒー牛乳


 真夏←ビール



「この一杯がどんなに幸せな事なのか!」


 社会人の真夏、やはり仕事でのストレスなどもあるだろう。折角の休みだから今日はパァーッとしような。


「次はご飯だろ?」


「そうだね、楽しみ〜」


「カニ! カニ!」


「蟹は出ないぞ〜」


「えええ〜!?」


「その代わりにウニが出る」


「ひゃっほい!」


「ふふふ……じゃあ戻ろうか」



 そうして温泉旅館を堪能した。










 そしてその真夜中、


「にーちゃ、にーちゃ」


 優菜がゆさゆさと俺を揺らし起こした。とても急ぎのようだ。なんだ幽霊でも出たのか?


「……どうした?」


「おしっこ」


「あ〜、わかった」


 眠い目を擦り、手を繋ぎながら優菜の後ろをついていく。暗いのは俺だって怖いからな、仕方ない。


「にーちゃいる〜?」


「いるよ〜〜」


 マジ眠いけど妹のためもう少し我慢。


 優菜がトイレから出てくる。


「大丈夫か?」


「うん、ありがと!」


 布団に戻り寝る。その時に優菜が俺の胸に顔を埋めるのはいつものこと。


「優菜」


「何?」


「おとーちゃと呼んでもいいんだよ?」


「やだ、にーちゃがいい」


「後将来親父って呼んでくれ」


「絶対にやだ」


 解せぬ。




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