女子会の中身とは・・・
良くある?パターンです。
少々時間は遡り、キグスタ自室に設置された異空間の中での話になる。
他の面々は荷物の整理をしているが、纏める荷物がない女性三人はお互いに情報交換することにした。
ここにはナタシア、クレース、ファミュが揃っており、話題はもちろんキグスタだ。
年齢が近い事、ナタシアは王族を離脱しているので垣根が取れた事もあって、随分と仲が良くなっている。
「なあ、ナタシア。お前はいつの間に王城から出て行ったんだ?」
「フフ、本当についこの前なんですよ。私の父、いえ既に縁を切ったつもりなので、愚王がキグスタ様の御両親を奴隷に落とすなどと言ったときに決意したのです。私がキグスタ様の御両親をお助けするのだと」
「え?どうやって助けるつもりだったのですか?失礼ですけどナタシアは戦闘系のスキルは持っていなかったですよね?」
「クレースさんのおっしゃる通り、私が持っているスキルは<回復術>でした。もうご存じの通りアクト様に<聖女>にして頂いたのですが。それで、愚王が言うには聖武具の対価として虹金貨10枚、それが払えなければ奴隷と言う事になっていたので、私の全財産を持って駆け付けたのです。本当にどうしようもない愚王です」
戦闘系最上位スキルを持つクレースとファミュ。そこに回復系の最上位スキル持ちとなったナタシアが加わっており、豪華な面々だ。
クレースとファミュにしてみれば、ナタシアは王城でよく目にする顔なじみであり、逆にナタシアからすれば、クレースとファミュは芯の通った強者と言う印象を受けていた。
戦闘系の最上位スキルを持っている二人は、ナタシアは所詮は王女であり籠の中の鳥。いざと言う時は何の助けにもならないだろうと高を括っていたのだが、キグスタの両親を救うために王城、そして王都から真夜中に脱出したと聞いて見直した。
「だが、カンザが来たと言う事は、そのお金は払っていない状態なんだろ?」
「そうなんですよ。お父様、お母様が受け取ってくださらなくて・・・・・・逆にご祝儀と言う事で返されてしまいました」
「なんのご祝儀なのでしょうか?」
一気に真っ赤になるナタシア。
その表情を見て、長きに渡り放浪の旅を続けていた歴戦の猛者である二人は、全てを察した。
「まてまて、さっきのお父様とお母様と言う所も気になっていたんだが、そう言う事なのか?キグ坊は知っているのか?いや、承知しているのか?いやいや、認知しているのか??」
動揺するファミュ。言っている事も良く分からなくなってきている。
「そうですよ。それにキグスタ君は王都に来た時から私達が目をつけていたんですから」
「やっぱりそうですよね。お二方のキグスタ様を見る目でわかりました。私はそんなお二方も大好きですので・・・・・・どうでしょう、ここは同盟を組みませんか?」
「「同盟とは?」」
ナタシアは、クレースとファミュを見ると、手のひらを胸の前で合わせつつ微笑んでこう伝える。
「もちろんキグスタ様お嫁さん同盟です!!」
「おおおおおおお、お嫁さん・・・・・・」
「ウフフフ、それは素晴らしい提案ではないですか。流石ナタシア!やりますね?」
激しい動揺のファミュをよそに、ナタシアとクレースは意気投合した。
こうなると、後はお互いの想いを伝えあった上で、キグスタの何が良いか、どこが格好良いか、の語り合いの場に移行する。
「何と言っても、あの直向な姿です。真直ぐ前を向いて諦めないあの眼差し。ウフフフ、思い出しただけでも惚れ直しちゃいます」
最早この三人の間では恋心を隠す必要がなくなっているので、思いの丈をぶつけている。
「流石はナタシアだ。私も時々体の動きを教えていたんだが、スキルがないのに数日でその動きをまねる事ができるようになっていたんだぞ」
実際の動きをまねているだけで、スピードも遅いし実践ではとても使える物ではないのだが、そこは言う必要がないので語らないファミュ。
彼女たちのクラスになると、たとえ<拳術>を持っていなくとも基本的な体の動き程度であれば難なく教えることができる。
「そうなんですよ。キグスタ君はとっても素直なんですよね。優しいし。それに私達と初めて会ったときは”僕”なんて言っていましたけど・・・・・・今は”俺”ですものね。何だか少し背伸びをしているみたいで、とっても可愛いんです」
ナタシアとファミュもコクコク頷いている。
こうして移動の準備などは一切気にすることなく、話は盛り上がっていく。
仲間と共に話していると羞恥心も薄れ、結構深い話までするようになった。
「私はな、キグ坊との子供は三人は欲しいんだ。今回スキルについての事実を知ってしまったが、別にスキルがなくとも健康でキグ坊のように真直ぐに育ってくれれば良いと思っている」
「それは良いですね。私も三人は欲しいと思っていたんです。始めは女の子が良いですね。キグスタ様の為に一緒にお料理とかしたいです。フフフ」
「私は何人と言う事はないですが、やっぱり子供は欲しいですね。キグスタ君との愛の結晶なんですから。それはそれは可愛いでしょうね」
三人とも夢・・・・・・いや、妄想を語り始めてしまい、目は虚ろで表情は笑顔。
第三者がこの会合を目撃したならば、何やら怪しい魔術を行使しているか、何かに乗っ取られているか・・・・・・と言う疑いをかけられることは間違いのない姿だ。
当然この空間に第三者などいる訳もなく、妄想に拍車がかかってくる。
「この三人で同盟を組むのはわかったし、良い事だと思う。でもキグ坊は一人だ。なんにしても順番待ちになるだろ?その辺りはどうするんだ?」
「そうなんですよ。そこが悩みどころです。キグスタ様は奥手っぽいし・・・・・・」
「フェアに行きましょうよ。いつもの通りに接しつつも私達の想いを知ってもらって、キグスタ君の意志に任せる。でも、同盟を組んでいるのですから、全て正直に報告して、例えば誰かだけ取り残されそうになったら、そこは残りの二人がキグスタ君にフォローする。どうですか??」
お互いのキグスタへの思いを理解した三人は、順番はキグスタに一任するも、全て同じように扱ってもらえるようにする・・・・・・と言う無難な所で纏まった。
「それじゃあそう言う事で。改めてよろしくな。同志であり同じ未来のつ・・・・・・妻である仲間たち!」
「なんでそこで恥ずかしがるんですかファミュさん!」
「よろしくお願いしますね。ナタシア、ファミュ」
こうして、キグスタの知らない所で固い同盟が結ばれた。
もちろん超常の者達は彼女達を信頼しているので、女子会の中身を知ろうとするような無粋な者はいない。
すっきりとした所で、全員の準備が整ったと連絡を受けた三人。
「しまった!父上殿と母上殿の手伝いをしていない!」
「あ!どうしましょう」
「これはまずいですね。初手から躓いてしまいました」
ファミュの叫びにナタシアとクレースも頭を抱えたとか抱えていないとか・・・・・・
伝説の剣を使い、腐った王国を立て直す。異母兄よ、国王よ、そして防壁に守られている貴族の連中よ、最早お前達は赤の他人だ。自分の身は自分で守れよ!!
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完結済みの
前世も今世も裏切られるが、信頼できる仲間と共に理想の世界を作り上げる
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