キグスタ一行の引っ越し
沢山の方にお読みいただけて嬉しいです。
今日も2話投稿させていただく予定です。
父さんと母さんに、新たな子供・・・・・・俺の弟か妹ができた事を教えてもらった。
何となく恥ずかしいが、嬉しい気持ちの方が大きい。
その報告を聞いたナタシア、クレース、ファミュ達は喜びに顔を綻ばせて、父さんと母さんに祝福の言葉を投げている。
その後、その三人は俺の部屋にある異空間に籠ってしまった。
何やら女子会?なる物が開催されるらしい。
何のことだかよくわからないので、ヨハンやソレイユ、そしてソラリスにも聞いてみたが、超常の者達でもわからないとのことだった。
とても気になるが、害のあるものではなさそうなので放っておこう。
それよりも、父さんと母さんがこのナルバ村以外の場所に拠点を移す事を決意したとの事で、部屋に適当に置いてある荷物を整理することにした。
ヨハンもわかる範囲で手伝ってくれているし、スライムのおかげで力が大幅に上昇している状態になっているので、重い荷物も手軽に片付けることができる。
スキルによっては、こんな力を普通に出す事ができるようになるのだから、とても羨ましいが、一方でこのような力に溺れて他者を見下してしまう事があるのだろう・・・・・・と理解できた。そう、フラウ達のように・・・・・・
俺はそもそも俺の体を覆っているスライムが力を貸してくれているおかげでこの力を出せているので、自分の力が上がっている訳ではない。
当然、他者を見下す予定も、つもりもない。
そんなどうでも良いようなことを考えながら、荷物の整理を進めていく。
実はこのスライム、俺の安全・安心を確実な物にするために、ヨハン以下全ての超常の者達が与え得る最高のスキルを与えられている。
そのおかげで、スライムに頼めば、まるで俺が魔法を行使したかのような事もできるのだ。
このスライム、俺がかなり小さい頃から肩の上を定位置にしていたが、俺の体を覆っていない状態の時は、俺の頭位の大きさになって目の前をウロウロしている。
当然この時の俺は本家本元の雑魚だったりするのだが、その時は超常の者達が必ず俺の近くに控えていたんだってさ。
これを聞いた時は、あまりの厚遇に感謝してもしきれなかった。
そんなスライムの力を徹底的に借りて、荷物の整理、そして持ち運ぶ予定の荷物は異空間に手軽に収納していく。
女子会?なる物を開催している面々の荷物は、驚くほど少ない。
先ずはナタシア。
この御転婆元王女は、殆ど着の身着のままで王城から逃亡したので荷物と言える物がないのだ。
もちろん着替え等の必需品はアルバ帝国に行った時に買い揃えているのだが、それでも少ない。
そしてクレースとファミュ。
この二人は強くなるために放浪していた時期があるようで、あの王都には国王の懇願があったために滞在していたらしい。
最上位スキル持ちと判明したとたんに聖武具を押し付けられ、貴族並の扱いを受けていたので旅に出ることができなかったと言っていた。
俺としてはそのおかげでクレース、ファミュと知り合えることができたのでありがたいのだが・・・・・・
そんな二人なので、いつ何があっても即座に移動ができるようにしている。
今回の移動に関しても、今すぐにでも移動できる・・・・・・と、とても心強い言葉を頂いた程だ。
でも、父さんと母さん、そして俺自身の準備ができていない。
父さんと母さんの準備は、まさに今獣神ソレイユと武神ソラリスが手伝っている。
移動の為の荷造りを手伝っている獣神と武神・・・・・・なんか申し訳ない。でもありがとう。
これは俺がお願いした訳じゃなく、あの二人が母さんのサポートを自ら進んで行ってくれているのだ。
きっとあの二人の事だから、もう少しで全ての荷物が纏め終わるだろう。
収納も適当な魔法を使って収納しているに違いない。
俺の作業は、ヨハンには触れてほしくない所を重点的に行っている。
過去の恥ずかしい思い出とか、将来の夢を書き綴った日記とか・・・・・・
ぐぁ~・・・・・・なんだか恥ずかしくなってきた。
さっさと作業を終えよう。そうしよう。
この日記とかが女子会なる物を開催している面々に見られてしまうと、恐ろしい事が起こる気配がビンビンだ。
目についた過去の遺物を、片っ端からスライムに手伝って貰っている魔法で収納していく。
ようやく恥ずかしい遺物を収納する事ができたので、残りは少々時間がかかっても問題ないと思っていたのだが、流石はヨハン。
残りの荷物は既にほとんどなくなっており、ざっと見回すと要らない物しかなかった。
このまま捨てても問題はないので、荷造りは終わりだ。
異空間で何かをしている女性三人は放っておき、一階に行って父さんと母さんの進捗を確認する。
ソレイユとソラリスが手伝っていたおかげか、何故かとてつもない大きさを誇っていたはずの机すら無くなっている。
きっとあの形のまま魔法か何かで収納したんだろう。
「ソレイユさん、ソラリスさん、ありがとうございました。おかげでこんなに早く移動できる準備が整いました」
「ソレイユ、ソラリス、ありがとう」
母さんが二人にお礼を言っているので、俺からもお礼を言っておいた。
彼女達からしてみれば至高の主らしい俺と、その親からお礼を言われた二人は、訳が分からない程クネクネしている。
こんな姿、前にも見たような気がするな。
そして・・・・・・
「二人共、下がりなさい」
そう、こんな感じでヨハンから指摘を受けたのだ。
ヨハンの指摘に対して、二人はクネクネしたまま姿を消す。
「まったくあの二人は・・・・・・我が君、申し訳ありません」
「いや、本当に感謝しているんだ。ヨハンもありがとう」
「勿体ないお言葉です」
ヨハンはクネクネこそしないが、<統べる者>により溢れんばかりの喜びの感情が伝わってきた。
本当に超常の者達は、俺には過ぎた存在だ。
「では我が君、移動先は・・・・・・経験のあるアルバ帝国に致しますか?それともソレッド王国の他の地域に致しますか?」
そう、移動する事が決定して、即勢いをつけて荷物を纏め始めてしまったため、行先が決定していないのだ。
「父さんと母さんはどこが良いと思う?」
ここにはあの三人の女子?はいないが、あの三人は俺の行くところについてく!なんて嬉しい事を言ってくれているので、後で場所を伝えておけばいいと思う。
その時に難色を示したら、また改めて考えよう。
「私はもう少しこのソレッド王国に留まっていたいわね」
「母さんがそうしたいならそうするか。場所は・・・・・・そうだな、ワリムサエなんてどうだ?」
「良いわね、そこにしましょう」
はっきり言って俺にはワリムサエがどこだかわからない。
「キグスタ、ワリムサエは母さんが生まれた場所だ。温暖で過ごしやすいぞ」
と言う事らしい。
ヨハン達に移動を頼めるか確認しようと視線を向けると、軽い微笑みと共に頷かれた。
全く問題ないと言う事だ。
よし、移動先も決定したし、あの女子会なる物を開催している面々にも行先を伝えることにしよう。
再び二階の自室に戻り、異空間の前に立って少し大きな声で彼女達に声をかける。
「お~い、全員荷物もまとまったし、行先も決まったぞ!」
「そうなのですか?楽しみですねキグスタ様」
「キグ坊、行先はどこになった?」
「キグスタ君、気候はどうなのでしょうか?」
「俺は行ったことは無いんだけど、母さんが生まれた場所らしくて、ワリムサエと言うらしい。温暖な場所っぽい」
俺の回答に、クレースとファミュは即反応を示した。
「あそこか!確かに温暖で過ごしやすい。母上殿にはいい環境だ」
「本当にそうですね。お母さまのお体が第一ですからね」
若干違和感はあるが、流石は放浪の旅をしていただけあって場所は解っているらしい。
そして、二人によると、とても過ごしやすい場所だと言う事だ。
もう少しで、
伝説の剣を使い、腐った王国を立て直す。異母兄よ、国王よ、そして防壁に守られている貴族の連中よ、最早お前達は赤の他人だ。自分の身は自分で守れよ!!
https://book1.adouzi.eu.org/n7913gs/
完結の予定です。
こちらもよろしくお願いします。




