遠慮を捨てる
会話回の後にスピード上げます。
イベント3日目
昨日はアホ掃除をした後は進展無し。
今日も猫星座の大放流をする。地面だけでなく屋根の上をぴょんぴょん駆けてく猫、空も飛んじゃう猫。…この国の人口より猫の方が明らかに多い気がしてきたぞ。
俺は今、この国のシンボル的な塔のてっぺんで猫星座の大放流を眺めている。召喚門は不可視だから見えないんだが、今日マグスに門を増やしてくれと言われたから一気に20門増やしたらめっちゃくちゃ猫が出てるんだけど、マグスの方を見ると満足気に頷いていた。…出てくる猫、猫のはずなんだけど明らかに猫の大きさじゃないのいるよね?え?俺が言うな?確かにな。アレも猫か…俺よりデカいぞ?
視線の先にいる建物2階の床くらいの大きさの猫が街中を闊歩していた。あんな猫いるだねー。
「なぁ、メイガス。」
「我が神よ、なんでしょうか?」
「ああいう、大きなのも猫なのか?」
「厳密に言うと違う、ですね。今目の前を闊歩しているのはネコ科であるだけの虎ですね。」
「虎…ということは山猫座の方に行かないのか?」
「出来ません。何故ならあちらは山猫星座としての歴史がハッキリしているため山猫以外のネコ科は属することは出来ません。」
「なるほど。じゃあ、ライオンは獅子座に行くんだよな?」
「そうです。ですが、ライガーなどの混血種は獅子星座に行けません。こちらの猫星座に来ます。」
「可哀想な話だが仕方ないのか。そういえば、猫又とか猫の妖怪やケット・シーなどの猫の妖精は死んだらどうなるんだ?」
「難しい話でありますが星座に属しません。何故なら帰る場所がそれぞれにあります。それらはこちらの次元と異なる次元です。妖怪は逢魔、妖精は妖精郷、神獣はそもそも死んでも生き返りますから。」
「流石、マグスと同じ"マギ"だ。お前達の知識は俺の知らないことばかりだ。これからも頼りにしているよ。」
「有り難き幸せです。」
マグス、メイガス、あと数匹を総称して"マギ"と言う賢猫だという。このように物腰の柔らかさだがマグスよりも老獪なペルシャ猫だ。
マグスは増えた猫星座達の統率に向かっていて俺の傍には今日はメイガス。別に持ち回りではないのだが昨日からの流れでそんな流れが出来つつある。
「地下の捜索はどうだ?」
「容易ではありません。何故なら随分と深い層に作られていてネズミの侵入経路は見つけられても私達が入れる出入口がありません。掘り起こすにしても硬い層に邪魔されて難航しています。」
「壊すことは出来ないのか?」
「街への被害を考慮に入れなければ、という感じです。」
「地盤沈下か。どこかに周りの建物に左右されない場所があればな。」
「申し訳ありません。今しばらくお待ちくださいませ。」
「ああ、こればかりは仕方ないさ。それじゃ、次に笛奏者の監視はどうだ?」
「特に怪しいものはいません。」
「ある意味予想通りだな。じゃあ、嘘の証言していた奴らは?」
「現在とある貴族とそれに連なる者達と繋がりがあった大臣を尋問中ですがなかなか口を割ろうとしません。」
「ふーん、それはちょっと気になるが任せて良いんだよな?」
「はい。」
「なら、俺の力が必要になったら言ってくれ。その時は手を出す。」
「ありがとうございます。」
「次は昨日のようなアホはいないか?居たらまた罰を与えに行くぞ。」
「今のところは大丈夫です。ですが、何人かの人類種が我が神に会わせてほしいと申される方が居ました。」
「ふむ?名前を言っていたか?」
「名前を仰ったのは1人だけです。名をシャムと名乗っておりました。」
「ああ、ソイツは俺の唯一のフレンドだ。そうか、昨日のことで俺がここにいることを知ったか。」
「どうされます?お連れしましょうか?」
「いや、会っても良いが連れてくる必要はない。そのうち、向こうから来るだろう。それとシャムは1人だったのか?」
「いえ、女性だけのパーティメンバーと一緒でした。」
「そうか。で、他にもいたらしいがどんなヤツだ?」
「エルフ族の男性で剣を腰に挿していました。」
「エルフ?俺の知り合いにはいないな。」
「こちらの方はどうされます?」
「不穏な感じではなければなにもするな。もし、またお前らに害を成すなら俺が引導を渡す。」
「承知しました。」
「俺から聞いておきたいことは今のところこんな感じだな。メイガスからなにかあるか?」
「先程の件に関することですが、この国の王配下の者が尋ねてきておりました。」
「王が俺になんの用だ?」
「おそらく、顔見せの謁見の場を用意するから来いなどという不敬な出頭令でしょうね。」
「俺を呼び付けるとは…あちらには格がわからないようだ。昨日あんなに全力全開の「神気解放」をしてやったというのに。はぁ。めんどくさい。」
「我が神」
「ん?」
「我が神を煩わすこの国の王とその配下を私達が処理しましょうか?」
「いや、こちらからは絶対に手を出すな。先に手を出した方が敗者ではあるがそんなくだらないことでお前らのカルマ値を下げるなどダメだ。大して下がりもしない俺なら痛くも痒くもないが、俺のためにお前らのカルマ値が下がるのは許容出来ない。」
「有り難き幸せです。それではどうされます?」
「奴等にはなにもしないがもう遠慮はいらないってことだ。」
「では」
「ああ、大きな穴を開ける。地下道がある場所で地上に人気がない場所を爆撃隊で示してくれ。」
「承知しました。…あちらの方になります。」
「よし、周辺から猫星座達の完全退避をしてくれ。出来ることなら濡れない場所にな。」
「承知しました。…退避完了しました。我が神、いつでもどうぞ。」
「衝撃に備えろよ!」
俺はもうなにも遠慮しないと決めた。
「魔力操作」「天歩」「空間掌握」「星視の眼」「戦場掌握」を行使する。
「磁気嵐」「天候操作」で周辺に嵐を発生させる。
そして、「擬似太陽」を建物が密集している場所に落とす。「擬似太陽」の熱量に耐え切れない建物は一瞬でドロドロに溶解していく。これなら硬い層も簡単だ。「擬似太陽」の進みが早くなった段階で「擬似太陽」を解除し、視界を覆う煙を「天候操作」の暴風で消し飛ばす。どうやら、目的の地下道までの直通口を開けることが出来たようだ。
だが、溶解してまだ熱い穴は猫星座達には辛いだろう。俺は「天候操作」で一気に氷点下まで気温を下げて「流星魔法」で彗星を熱い箇所に押し付けて鎮火をする。彗星が解けることが無くなったならもう大丈夫だろう。俺は「天候操作」で周囲の気温をカラッとした感じにした。日本みたいな湿度が高くて気温が高い夏は猫星座には毒だ。
「メイガス」
「お見事、我が神。」
「大型猫は入れそうだが、あの猫達の役割はなんだ?」
「主にタンク職です。あの巨体は何者の攻撃を通しません。結界も使えます。」
「それは頼もしいな。なら、穴の周囲の建物を崩して穴を囲うように配置。あの猫達の影に各第3師団以下を配置。邪魔する者は全て排除せよ。メイガス、地上で各師団を指揮する者を選出せよ。」
「承知しました。」
「第1師団と第2師団の爆撃隊は第3師団の爆撃隊と合同で地上と空中の警戒。邪魔する者に容赦するな、油断するな。全力で事に当たれ。」
「承知しました。」
「第1師団と第2師団は穴への探索と接敵殲滅せよ。俺も行く。だが、なるべく手出しはしない。わかるな?」
「は、委細承知しました。我が神のために私達は全力を尽くします。」
「さぁ!行くぞ!」
"マギ"とは複数形(3人)らしいです。なので単体名のマグス、メイガスです。
シャムと積極的に会わないのは星ちゃんが嫉妬するからです。そうするとその夜から約3日ほど熱い大人の運動をすることになります。イベント中ではなければ望むところなんですよ。
抹消された猫座、山猫座、獅子座、子獅子座しかネコ科の星座がないらしいので山猫座と獅子座に行けないネコ科は猫座が受け入れるのが自然だと思い、そうしました。少数に効く術「班を作って」「誰か■■君を入れてくれる班はない?」と極少数に効く術「えー、■■君と同じ班になりたくない。」が発動されると思えば、専用の星座がないネコ科達が猫座に行くのはわかると思います。
芸術の国は厳密には王政ではありませんが代表は形式的に王となってます。そこら辺の設定はめんどくさいので考えてません。イベント2日目の狩人パーティ達を処刑する時に「真威圧」「神気解放」を全力全開解放したのは王配下の密偵もあの場に居ました。名無しのハトも「猫以外の全て」と書いてますので、ハトにも感知出来る程度の実力の者です。だから、神格がわからなかったという可能性がありますね。
一応、アレはあの場もといそこから伝聞される先に対する警告でありました。ま、結局は無意味でしたが。
ギンパッチは芸術の国に自分の上に立つものなど居ないと思っているので芸術の国の王配下に呼び付けられることは舐められていると感じています。王も軽い気持ちでお越しくださるように最大限に配慮して、と思っていたでしょうがそこはテンプレよろしく配下がやらかしちゃったという感じです。「所詮、畜生風情だ。礼など不要。むしろ、我が国の王に会えるのだ光栄に思うだろう」という頭ハッピーセットな具合で対応した猫星座は呆れながら、この国の王は絶対に殺すと胸に仕舞いました。
せめてもの情けで人気のない場所を選んだのは巻き込まれる者は芸術の国の王とは関係ない者だからです。
師団は国によって人数が違うらしいですが私としては猫星座の1師団は2万以上と考えています。猫星座多いからです。
タンク猫のイメージは装甲車?かなりふわっとしてます。
どこから敵対行為?壁となっているタンク猫に触れた瞬間と防衛ラインを越えたら、ですね。上空を飛んで通過したら爆撃隊のスクランブル発進後に追い付かれて撃墜されます。慈悲はありません。
地面掘っても同様です。慈悲はありません。
シャム達が来ても多分同じでしょうね。話は聞きません。
それでは、次回*˙︶˙*)ノ"




