不穏な初日
あけおめです。
母親の命日が1月なので数年前から何がおめでとう?と疑問に思うようになって新年を迎えてもあまりおめでとうという気持ちがありません。
しばらく、滞空しているとエーリヒが近寄ってきた。
「ん?どうしたエーリヒ。」
「ダンナァ、途中経過だがよ。ネズミによる文化財の被害は1度すら出てねぇ。ネズミが増えたのは本当だったが被害事態が嘘の可能性が出てきた。どうする?」
「…とりあえず、嘘のネズミ被害にあったと言っている奴らをなにやってもいいから吐かせろ。」
「あいよ。」
いきなり、きな臭くなってきたな。国からの依頼がそもそも嘘だった可能性がこんなに早くわかるとは…ま、俺は人海戦術ならぬ猫海戦術だから運営からしたら想定外だろうな。
俺に最初に話しかけてきた名の知らぬ人は下っ端っぽいから事情聞いても何も知らなさそう…いや、一応調べてもらおう。屋根の上で陣頭指揮をしていたアメリカンボブティルのペニーに話しかける。
「ペニー、今良いか?」
「む、主か。どうされた?」
「途中経過を報告されたばかりだが、念の為に広場で俺に話しかけてきた人も調べてくれ。見落としは最小限に抑えたいからな。」
「あい、請け負った。」
これで良いだろう。さて、俺も何か探してみるか。天歩で街の中心街へ駆けながら移動する。
…なんだろう、この地球の芸術の街を最大限にパクったような感じ。既視感がハンパねぇ。そういう美術担当の人居ない感じ?いや、そんなアホな。
俺はどこかの国の有名な芸術の街に酷似してる街並みに困惑していた。ただ、水の街は再現されてないから多分水の国で見ることになりそう。
…いや、よくよく考えればよくわからない土地に観光しに行くより安全なのかもな。もしかしたら、仕事で現地観光に行けなかった美術担当の思いが詰まってるのかもしれないな。
そんなことを考えながら空から街並みを眺めていた。
「おーい」
「ん?」
下から誰かに声をかけられる。声がした方を見ると胡散臭い格好した子供が居た。背には楽器ケースを背負っている。誰だアイツ?無視しよう。
「おーい、おーい」
「…」
「おーい、おーい」
「…」
「そこの猫さーん、おーい」
「はぁ…」
関わりたくないけど、呼ばれてるから仕方ないな。俺は胡散臭い格好の子供の少し上まで降下する。
「子供よ、なんの用だ。」
「小人種のハーフリンクだよ!」
「あっそ、で?」
「で?」
「はぁ…。」
「あ!あ!ちょ、ちょっと!待って!」
「…なんの用だ?」
「お、お話、そうそう!お話しようよ!」
「断る。」
「え」
「お前は、うるさい。ではな。」
今のほんの少ししか話してないのにわかったこと。ああいう声の高い奴は苦手だ。子供なら平気なのになぜかアレはダメだ。それに用もないのに声をかけたのにも関わらず咄嗟に出た「お話」怪しい。俺は上空へ駆け上がる。ハーフリンクの男は下でなにか騒いでるようだが見るのも騒がしいから視界にも入れたくない。高度を維持しながら駆ける。途中で爆撃隊の猫星座にハーフリンクに全員近寄るなと言っておく。次、会ったら即キルする。
いや、素直に用もないのに声をかけたとか言うならまだ良いがアレには言う気が無さそうだし、それに魔力色の魔眼でアレの色が視えなかった。プレイヤーでも視えるのに視えないのはおかしい。簡単そうに見えてトラップだらけだな。流石、クソ鬼畜運営。
それでは、次回*˙︶˙*)ノ"




