プロローグ20
ヒューエンスへと向かって歩みを進めるメル達。
山を目印に進んでいると街道沿いに見えてきたのは大きな街だ。
「……あれか?」
そう呟くリアスだったが、メルはふと疑問を感じた。
聞く話によるとヒューエンスは最近できた国だと言う事だ。
しかし、目の前にある街は最近できたにしては大きいのだ。
なぜだろう?
そんな疑問を感じたメルはもう一つおかしいと思う事があった。
ここに来るまで魔物に出会っていないのだ。
確かに街道の安全を確保するため定期的な掃討作戦は組まれる。
その為、街道には賢い魔物は現れない。
だが、メル達が進んできたこれまでの間には一匹も現れなかったのだ。
おかしい……。
メルはそう思いつつ辺りを見回す。
気になる事ならまだあった……ルーフ大陸は精霊ゆかりの地。
だというのに木々も少なく本当にこの場所で精霊を生み出す儀式は可能なのだろうか?
「……メル?」
シュレムが彼女の名前を呼ぶとメルは表情をやわらげ……。
「何でもない」
そう答えた。
いや、正しくは何にも分からないから何も言えないのだ。
しかし、彼女の中には確かに不安な気持ちがあり……。
エスイルを助けるという事はともかく、本当に精霊を助けることが出来るのか?
それが気がかりだった。
覚醒していない精霊はフラニスだけ……。
だけど……この先、何があるのか分からない。
本当に大丈夫なのかな?
メルは目の前に広がる大都市を目に心の中に不安を抱えるのだった。




