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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
18章 成長した少女
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405話 母たちへの連絡

 野営地へと着いたメル達。

 すっかり暗くなってしまい、その日はそのまま泊まる事にした。

 どうやって戦争を止めるか……そんな事は簡単だ。

 しかし、その為には……。


「と言う事なの、急いで伝えて来てくれる?」


 転移の魔法が無い今、出来る方法は一つ。

 連絡を取り、事実を伝える事だ。

 普通なら鳥で連絡するところだが、メル達はそれでは危ないと考えた。

 何故なら何処にルーフの騎士が居るか分からないからだ。

 それでは鳥を捕まえられ手紙をすり替えられてしまったら意味がない。

 なら、確実な方法を選ぶべきだ。


「今度は寄り道したら駄目だよ?」

『そうですよ! しっかりお願いしますね』


 メルとシレーヌに注意をされた彼女は一瞬たじろぐが頷いて答える。

 確実な方法それは単純だった。

 そう……風の精霊であるアリアに頼めばいいのだ。

 普通のシルフに頼むと今度はエスイルの方……エルフに悟られるかもしれない。

 だが、孤立した意識であるアリアならば問題はないだろう。

 そう考えた結果やはりアリアに頼むべきだと考えたのだ。


『わ、分かったよ』


 アリアは頷くと窓から飛び立つ。

 そんな彼女を見送るメルとシレーヌ。

 そして仲間達だったが……。


『大丈夫なのでしょうか』

「大丈夫か?」


 まるでタイミングを合わせたかのようにリアスとシレーヌの言葉は重なる。


「え?」


 通常精霊と話す時は普通の言葉とは違う。

 だからリアス達にメルが精霊と何を話しているかが分かるはずがない。

 なのに何故大丈夫なのか問うのだろうか? とメルが疑問に思っていると……。


「顔に出てるぞ?」


 と言われてしまい、メルは困った様な笑みを浮かべた。


「あはは……うん、きっと大丈夫」


 そう言えば顔に出やすいと言われていたなと思い出しながら彼女は笑う。

 だが、不安に思う必要はないと考えなおし、メルはそう答えた。

 するとリアスはほっとした表情に変わった。


「これでリラーグには連絡が取れるんだよな?」


 アベルはそう尋ね、メルは頷く……。


「うん、こっちにも攻撃の意志はないし、リラーグを偽って攻めてきたって伝えたよ」


 これでリラーグとレライは連携を取ることが出来るだろう。

 一安心だ、そう考えるメルだったが……。


「これで済めばいいんだけどね」


 とリユは不安を口にした。


「どういうことかしら?」


 ライノは彼女に問う。

 リラーグとレライが共に手を取れば現状を打破できると彼は考えているのだろう。

 だが、リユは――。


「現状レライが受けた傷は大きいです……リラーグもそれなりに被害を受けているはず」


 それはライノも薄々感じていた。

 いえ、感じないように考えていたと言った方が正しいのかもしれない。


「リラーグは空中都市だから逃げ道がないよ……でも、皆も居るし皆が戦えばきっと――」


 メルは大丈夫だと信じたいと願いを込め口にする。

 しかし――。


「むしろ逆だよ、逃げ道がないなら状況はレライより悪いかもしれない、いくら町を守る龍が居ても、人を傷つけずにルーフの騎士だけを倒すのは無理」


 それは分かり切っていた事だ。


「それに守る時にその守る人が邪魔になる可能性だってあるんだよ?」


 リユの言葉は的確だった。

 だからこそ、誰もが言葉を失ったのだ。


「お、おい! 幾ら綺麗なお姉さんでも――!!」


 だが、一人シュレムだけは反論をしようとした。

 しかし、メルは彼女を止め、首を横に振る。

 分かっている……そんな事は分かっていたのだ。

 人を守るというのはそれだけの力量が無ければならない。

 また、彼女が言った通り守るべき対象は大切な者であり、また一番邪魔になってしまう可能性だってあるのだ。

 だからこそ、人質という卑怯な手が成立してしまう。

 だが……今メル達がここで何を言っても状況は変わらない。

 何故なら転移の魔法は既に危険な物になってしまっているからだ。

 リラーグへと駆けつけるのにも船を使わなければならない以上、此処で話してもすぐに助けに向かうという事はまず無理だろう。

 しかし、連絡の仲介役は出来る。

 これで不本意な戦争を起こすというのは避けられるのだ。

 その上、明確な敵も分かる。

 メルはそこに自分の役目を見出し……。


「私達にリラーグの現状を知ることはできないよ、だから、この先の事を考えないと……」

「メルそう言うなら、俺達も出来る事はするよ」


 とリアスは微笑む。

 するとメルは笑みを浮かべ――。


「うん! ありがとう、リアス!」


 と喜んだ。

 そんな彼女達の様子を見るアベルとリユはきょとんとし……。


「自分の国が襲われたって言うのに……冷静なんだね」

「いや、寧ろだからこそ……彼女が選ばれたのかもしれないな」


 二人はそんな事を口にし、互いに目を合わせるとその部屋から去って行く……。

 そんな二人の背を見てメルは首を傾げつつ、追いかけた。


「あの!」


 そして、声をかけると二人は振り返り。


「ありがとうございます、もし連れて行ってもられなかったら……もう一つの精霊の加護を受けたものを見つけられなかったかもしれない……」


 と礼を告げる。

 二人は微笑み……。


「いや、大したことじゃないよ」

「そうだよ、他の子達にも避難手伝ってもらったんだしね、こちらこそありがとう」


 とメルに頭を下げてきたのだった。

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