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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
18章 成長した少女
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400話 エルフが授けたモノ

「酷い……」


 それは横で見ていたリユも気が付いたのだろう。


「ただ、国に望まれなかっただけで殺されたの!?」

「いや、そうとは限らないさ……」


 彼女の疑問に答えたのはアベルだ。

 そして、メルもそれに頷いた。


「エルフと会って他に富を得たんじゃないか? そう思った人がこの人を襲った可能性だってあるよ」


 メルはそう口にする。

 事実、母ユーリはそうなのだ。

 最初に出会った時、母は魔力を求めた。

 もう一人の母フィーナを助けるためだ……当時はヒーリングなんて言う魔法は無かった。

 だが、フィーナは死にかけてしまった。

 助ける方法はたった一つ……ユーリの持つ本、その精霊のソティルの魔法を使う事だった。

 だが、当時彼女の魔力は尽き、意識は朦朧としていた。

 そんな時に出会ったのがエルフだ。


『魔力が欲しい……』


 そう願うユーリに対し疑問を得たエルフだったが、彼女に悪意が無いと分かると魔力を授けた。

 だからこそ、母フィーナは助かり、メルも今この場に居る。


「…………」


 そして、その後彼女は精霊との対話の力も授かっている。

 他にも何か貰ったのでは? と考える者が居てもおかしくはないのだ。


「じゃぁ、何か? こいつは……」

「殺されたんだ……その人達か、それとも国の人か分からないけど……」


 だが、この国は何かを望んでいた。

 それはエルフの授けるものだ。

 彼女達は望まれれば……それを望んだものに悪意が無ければ授けるはずだ。

 そして……その中には特別な道具や力がある。


「精霊との対話……ううん、多分違う……」


 だが、それが本当に精霊の道具……。

 いや、加護を受けたものなのだろうか? メルは疑問を浮かべ首を傾げた。


「そう言えば、気になる言葉があったな」

「え?」


 リアスはそう言うと血に塗られたページを指差した。


「あの子を返して……ってある、この人は母親なんじゃないか?」

「母……親?」

「もしかしたら、子供は攫われているのかもしれない、それも国にだ。だとしたら、何で子供が攫われた?」


 リアスはそう言うと本棚へと目を向けなにやら読もうとしているが……。


「駄目だ、分かる言葉と分からない言葉ある……メル、それに……ライノ頼めるか?」

「ええ、いいわよ」


 ライノはそう言うと本棚の本を読み漁る。

 メルも頷き同じように本を探し始めた。


「それで、何を探すの?」

「この人の子供に関してだ、何か分かるかもしれない」

「そっか、もしかしたらその子にも何かがあるのかも!」


 メルは納得し、再び本へと目を向ける。

 だが……。

 本を読み終えても何処にも情報は乗っていなかった。


「おかしいな、国が攫ったという訳ではないのか?」


 アベルは顎に手を当て考える。

 しかし、リユは首を振った。


「もし、違うなら盗賊に攫われたとか書かないかな?」


 メルもその言葉に頷く。

 自分だったらそう書くだろうと思ったからだ。

 だが、今まで読んだどの本にもその言葉はない。


「だけどよ、此処にはこんなに本があるんだぞ?」


 シュレムはじっと本棚を見た。

 事実そこには沢山の本があり、一度では読み切れないだろう。


「…………うん」


 とは言え、今まで読んできた本は大体がレライの歴史やらだ。

 シュレムが持ってきたような本は無かった。


「……シュレムが持ってきた本?」


 しかし、メルは何かが引っ掛かり彼女を見る。

 そしてはっとした。


「もしかして、この本他の人に見せたくないんじゃ! だってこれって……」

「隠したい国の闇か……確かに、メルの言う通りかもしれない」


 ならばこの本棚にはないのではないか?

 シュレムが持ってきたように隠されているのではないか? とメルは考えた。

 そして――。


「シュレムこれって何処から持ってきたの?」

「あ? ああ! あっちに部屋があったんだ!」

「部屋?」


 シュレムが指を向けた方へと顔を向けるアベルは怪訝な表情を浮かべる。


「そんなものあったか?」


 そしてリユへと尋ねる。


「ううん、私とアベルがここの存在を知った時にはなにも無かったし王様も何も言ってなかったよ」

「シュレム、案内をして!」


 二人も知らない部屋。

 そこにきっと情報があると考えたメルはシュレムに案内を頼む。


「ああ、任せて置けって言ってもすぐに着くけどな!」


 彼女はそう言って笑うと進んでいく、確かにその部屋はすぐに見つかった。

 丁度物陰になっていてメル達が居た場所からは見えなかったが、入り組んだ場所を通り抜け――。


「なんだよ、これ……」


 アベルはそれを見て驚いた。

 しかし、メルは何故彼らが知らなかったのかを理解した。

 そこには文字が書かれていたのだ。


「これ、大昔の魔法だよ……隠すための幻影魔法……」


 メルはそう言うと文字を一つ一つ確認していく……。


「じゃぁ……現国王が隠したのか?」

「ううん、違うみたい」


 メルは一つの文を読み上げる。


「我が王をも偽る力を与えたまえ……これはこの部屋を作った人が隠したんだ」


 メルはそう言うと部屋の中へと目を向けた。

 そこにきっと情報があるはずだと……。

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