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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
18章 成長した少女
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397話 アリアへの疑問

「あ、あの……」


 メルはアベル達に連れられてレライへと向かっている。


「どうしたんだ?」


 すると彼は笑みを浮かべる。

 

「ああ、実はレライの王宮の地下室には幾代か前の宮廷魔術師から取り上げた宝をしまっている宝物庫があるんだ」


 その宮廷魔術師……それはメルも知っている人だ。


「……と言う事は呪いの道具?」


 メルは恐る恐る尋ねた。

 呪いの道具はメルの母ユーリが浄化したはずだ。

 だが、全ての道具を浄化したのか? と言われるとそれは分からないのだ。

 後から見つかり、後で依頼をするために保管をしていた。

 …………なんて事があるかもしれない。

 メルはそう考えた。

 だが……。


「いや、呪いの道具はもうない」

「そこにあるのはマジックアイテムなんだ、でも……使い方が分からないものとかも多くて」

「マジックアイテムか……」


 リアスは考えるそぶりを見せた。

 王はメル達の力になればと思っているのだろう。


「今のオレ達に必要なのは精霊の道具だぞ?」

「そんな事言わないの、宝物庫を案内されたというのなら、何か有用な物があるはずよ?」


 ライノはシュレムに注意しながらそう口にした。

 だが、メルは……。


「でも、良いんですか?」

「はっきり言って、王が何を考えているのか分からない、でも……確かに貴女達の役に立つ物はあるはず」


 そう言われても、メルには想像できなかった。

 現状、必要なのはシュレムの言う通り精霊の道具。

 今彼女達の手元にあるのは精霊の首飾り、水を司るアクアリム、火のナウラメギル、土のナトゥーリッター……。

 そして氷の宝石だ。

 そして……精霊は風のアリア、水のシレーヌ、氷のフアルと姿が変わっている。


 ……後はフラニスとドリアードの姿のあの力を引き出せればエルフに対抗出来るのかな?


 メルはそう考えたのだが、すぐに首を傾げた。


「あれ?」

「どうした?」


 リアスが彼女の言葉に反応すると、メルは彼に疑問を投げかける。


「そう言えば、アリアってどの道具のお蔭で力が出せるの?」


 ずっと精霊の首飾りだと考えていた。

 だが、よく考えるとおかしいのだ……。

 精霊は水、火、土、風、氷と言う属性に分けられている。

 そして、それ以外に存在するのは命だ。

 命の精霊は才能ある者にしか見えないが、確かに居る。

 メルは見ることが出来ないが母フィーナやクルム、そしてエスイルは見えるはずだ。


 そして、精霊の首飾りの力が精霊を生み出すという事から考えると属している者は命の精霊だろう。

 だが、そうなると道具無しでシルフはアリアの姿へと変わったという事になる。


「精霊の首飾りは風の道具じゃない……でも、私達は今持っている道具以外に何も持ってない」


 ならなぜアリアへと姿を変えたのか?

 メルは頭に乗る精霊に尋ねようかと思った。

 しかし……何故姿が変わったのかシレーヌにも分からなかった事だ。

 メルは何か切っ掛けになった物があるはずだとシルフの時の事を思い出す。


 シルフはずっと私と一緒だった。

 小さい頃からずっと……それにユーリママの事も好きで……たまにユーリママの周りにもいた。

 声も姿も見えないのに……それじゃ、ユーリママが何かを持ってた?

 ううん、そんなはずはない。

 なら、一体なにが? 私が旅立つ時にもらったのはアクアリム……水の剣だよね?

 他にシルフが気に入ってた物や場所?


 思い出そうとするも、一緒に居た事以外何も特別な事は無い。

 だが、メルはふと気が付いた。

 シルフは風の精霊だ。

 だから、他の精霊とは違い、住処となる場所が多い……。

 だが、他の精霊と同じで風が無ければそこには居ない。

 カノンドの洞窟でついて来なかったのは息苦しく感じたからだろう。


「……つまり、あの時点では道具は無かった」


 でも、エルフは不思議な事を言っていた……フォーグに一つ、もう一つは私の傍……。

 エルフは精霊、嘘をつくはずがない……なら、私の傍にもうあるって事は本当の事で、そうなら変化したことも納得できる。


「メル! 行かないのか?」


 シュレムに声をかけられメルは思わず尻尾をピンと立てた。

 そして、慌てて走り出すと……。


「ごめん、今行く……と口にした」


 走る彼女の髪は風になびき、アリアは小さな欠伸をし……メルの頭の上で寝息を立て始めた。

 そんな彼女の寝息を聞きながら、メルは……何故彼女の姿が変わったのか、エルフは何故探せと言いつつ一つは傍にあると言ったのか? 答えが分からない事に疑問を感じるのだった。


 もしかしたら、この先その秘密があるのだろうか?

 そんな淡い期待を抱きながらメルはアベル達の後をついて行く……。


「…………」

「エルフに関する何かがあると良いな」


 リアスはメルへとそう尋ね、メルは頷くいた。


「そうだね、ううん……きっと何かがあるはず」


 メルはそう言うと前をしっかりと見据えるのだった。

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