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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
18章 成長した少女
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395話 レライへ!

 転移の魔法陣は光を帯び、メルはその光へと足を向ける。


「メル!」


 そんな彼女の名を呼ぶのは勿論ナタリアだ。

 メルは彼女へと目を向けると……。


「ナタリアは此処を見ててね」


 とお願いをした。

 もし何かあってもここでナタリアが見てくれているなら安心だと、そう思ったのだ。


「分ってる……」


 ナタリアは少し迷いを見せつつもそう口にした。

 その理由はメルは知らなかった。

 だが、メルにとっては彼女の悩みを気にしている時間はない。


「行ってきます!」


 そう言うと魔法陣へと足を踏み入れたメル。

 光の中へと消えて行った彼女を見送ったナタリアは……。


「頼む、無事辿り着いてくれよ……」


 と呟いた。

 そう、転移陣は最早彼女だけの魔法ではない。

 その上、干渉をされたのではもし、何かあった時同じ場所に助けに向かえるかが分からないのだ。


未来()が見えないのにはなれたつもりだったが……辛いな」


 彼女はそう言うとじっと魔法陣を見つめる。





 メルは光の回廊の中を急ぐ。

 以前の様に襲われてはたまらないからだ。

 今はナタリアが見てくれているとはいえ、それでも早く向こうにつきたい。

 そう願っていた。

 そして……。


「出口だ!」


 メルは目の前に回廊の出口を見つけ、笑みを浮かべた。

 そこへと飛び込んだ彼女は周りを確認する。

 そこは間違いなくメルがリラーグへと向かう際に使った魔法陣だった。

 だが……。


「……ひどい」


 そこにあったのはほんの少し前に見た光景ではない。

 争いがあったのだろう、焦げた跡や剣の跡。

 血がこびりついている所もあった。


「皆!」


 メルはルーフの騎士が攻めてきたと考え、仲間達を探す。

 だが、そこには誰も居ない。


「――っ! 我らに天かける翼を! エアリアルムーブ!」


 空へと舞い上がった彼女は周りを確認した。

 すると、現状が目に入った。


「…………ぁ」


 遅かったのだ。

 そこにあったのは嘗てレライと呼ばれた廃墟だった。


「嘘……嘘、だよね」


 辺りには何もなく、広がるのは廃墟だけ……。

 それでも、メルはすがるように辺りを見渡した。

 すると――。


「……え?」


 遠くに何かが見えた気がした彼女はそちらの方へと飛んでいく。

 谷になっている場所にはテントが張られており、メルは警戒しつつ近づいて行くのだった。

 ルーフの騎士達の野営地だろうか? そう思った彼女だったが……。


「メル!!」


 テントへと近づくと聞き覚えのある声が聞こえた。

 聞き間違えるはずもない。


「リアス!」


 そう、その声の主はリアスだ。

 メルはほっとしつつ彼の声がする方へと振り向いた。

 そこに居たのはリアスだけではない。

 シュレムとライノもそこに居たのだ。


 仲間達が無事だった事にホッとした彼女は地上へと降り立つと彼らの元へと走った。


「良かった皆無事だったんだね」


 メルは再会を喜ぶのだが、先程のレライの惨状を思い出し、すぐに表情を暗くした。

 すると、リアスはメルの近くへと歩み寄り……。


「メルも無事でよかった、遅かったから心配したんだ……」

「ご、ごめん……」


 遅れてしまった事、それを謝ったつもりだった。

 だが、彼らはゆっくりと首を横に振る。


「メルのせいじゃない、そもそも……あれはどうしょうも無かったんだ……」

「そうだぞ、いきなりだったからな」


 一体レライに何が起きたのか、メルは気になり訊ねようとしました。

 すると、ライノはメルとリアス達へと目を向け……。


「ここで立ち話していないで、取りあえず野営地に行きましょう」


 と提案し、すぐにその視線をメルへと向けた。


「無事でよかったわ、メルちゃん」


 その優しい笑みがメルにとってはなんだか辛く感じられた。

 もし、自分が早く辿り着いていたなら、こんな事にはならなかったはずだ・

 メルはそう思い、悔やんだのだ。

 だが、今悔やんでも何も出来る訳ではない……。

 メルは3人の後を歩き、野営地……先ほどテントが見えた場所までついて行くのだった。




 そこで見た光景は――まさに地獄だった。

 傷ついた人々、泣きわめく人々……。

 ボロボロの衣服、生気を失った瞳。

 まさに廃墟と化したレライ、そのものを映したかのような人々だった。


「何が、起きたの……?」


 メルは思わずつぶやいた。

 すると、リアスはその問いに答える。


「……エスイルが、エルフがやったんだよ」

「え!?」


 それは予想外の言葉だった。

 いつかそうなるとは思っていた。

 だからこそ、そうなる前に助けたいと考えていた。


「正確にはルーフの騎士とエルフが、ね……」


 ライノはそう言うと背負っていた大きなカバンを背負い直した。

 

「私はすぐに取り掛かるわ、皆はメルちゃんを王様の所に連れて行ってあげて」


 そう言うと二人は頷くのだった。

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