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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
17章 止めるために
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386話 不穏……

 メル達が警戒していると其処には一人の女性が姿を現した。

 しかし、ただの女性ではない。

 魔族(ヒューマ)……鎧と剣を身に着けた騎士のような女性だ。


「…………」


 彼女はメル達に目を向けると溜息をつく。

 一体何者なのだろうか?

 少なくともメルは見た事が無い女性だった。


「ほう? 人の気配はしなかったがな……」


 ナタリアは目を細め彼女を睨む。

 すると彼女はナタリアに向け、ゆっくりと頭を下げた。


「初めまして、ディーネ・リュミレイユ様」


 それはナタリアの本当の名だ。

 ナタリア本人は隠すつもりはなくとも知ることは容易ではないだろう。


「良く調べたな」


 ナタリアも感心したようだった。

 すると騎士はゆっくりと頭を上げ……。


「貴女とご息女ユーリ・リュミレイユ様をお迎えに来ました」


 メルはその女性の言葉を聞き不安を感じた。

 そして同時にナタリアの知り合いだろうか? と考える。

 しかし、先程のナタリアの様子から見てそれは無いだろうと女性を見る。


「私とユーリを? 二人だけか?」


 ナタリアは名指しされたのが二人だけと言う事に疑問を感じたようだ。

 すると騎士は……。


「……そうです、二人だけが許されている」

「意味が理解出来んな」


 騎士……魔族……それにナタリアとユーリママだけ?

 ナタリアは知り合いじゃなさそうだし、ユーリママの知り合いなのかな? ううん、そんなはずはない。

 それに……騎士? 騎士って……まさか!?


 メルの脳裏に浮かんできたのは道中で出逢ったあの二人の騎士と光の回廊で襲って来た男の三人だ。

 目の前にいる女性も仲間ではないだろうか? そう考えると慌ててナタリアの前へと立つ。


「…………何の用だ?」


 すると騎士は不機嫌なのを隠す様子もなく、メルを睨んだ。

 当然メルも彼女を睨み。


「それはこっちの台詞だよ! ナタリアとユーリママに何の用!? それになんでリラーグとレライに戦争を起こそうとしてるの!?」


 メルの言葉を聞くと彼女はメルの頭。

 つまり髪を見て大きなため息をついた。


「その髪の色、まさかとは思ったが……しくじったのか」

「どういうことだ?」


 彼女の言葉でメルと騎士の間に何かがあると感じたナタリアは尋ねる。

 すると面倒そうに顔を歪めた彼女は――。


「まぁ、良い。連れて行ってしまえばそれで終わりだ」


 剣を構えたのだった。


 ナタリアを連れていかれる。

 メルは何も言わずに剣を構えた。

 そう……彼女は祖母であるナタリアを守ろうとしているのだ。

 するとナタリアは……。


「メル! 下がれ、私がやろう……」

「駄目! だってナタリアは……」


 あの人達の事を知らない!

 そう告げようとしたその時……。

 風が吹いたような感覚を感じ、メルは慌てて剣を構え直した。

 一瞬の隙……だが、それを狙って来たのだ。


「……やっぱり、あの癖がある」


 以前戦った二人の騎士同様変な癖がある女性。

 間違いなくルーフにあるという国の騎士だろう。


「ほう……私の剣を防ぐか……」


 彼女は関したかのような声を出した。


「な、なんだ? 今のは……」


 当然見た事も無い剣術に戸惑うナタリア。 

 だが、メルは違う。


「戦ってるんだから、それ位はね」


 そう言ったが、メルの手は痺れていた。

 たったの一撃、だがそれで実力の差は理解出来た。

 相手は強い、それもあの時の二人よりもだ……。

 二対一とはいえ、戦うなら困難を極めるだろう。

 しかし、本当に二対一ならの話だ。


「シレーヌ!! アリア!!」


 メルは仲間である二人の精霊の名を呼ぶ。

 すると二人は頷き、メルの目の前へと来た。

 精霊の力を今使う……メルはそう決意し、アクアリムと首飾りに魔力を籠めていく……。


「何をしようとしている?」


 騎士は油断をしているのだろうか? それともメルが何をしようが無駄だと思っているのだろうか? それは分からなかったが、メルにとっては好機でもあった。


「お願い!!」


 魔力を籠めると二人の精霊は光に包まれ子供位の身長になった。


「「「……え?」」」


 二人とメルは同じような声を出した。

 すると、騎士は大笑いをし……。


「何をするかと思えば、なんだそれは!!」


 彼女は馬鹿にするように笑う……しかし、魔法は成功していると確信をしたメルは――二人に向け瞳を向けると強く頷くのだった。

 すると二人の精霊もそれなりの力が得られている事を感じたのだろう。

 共に頷き、騎士を睨む。


「なんだ? そんなのでやるつもりなのか? エルフの騎士」

「……え?」


 聞きなれない言葉にメルは戸惑う。

 すると、彼女は――。


「エルフに選ばれた者は特異な力を持つ、精霊を生む者、精霊に力を与える者……様々だが、貴様のそれは間違いなくそうだろう?」


 メルは彼女の言葉には何も返せなかった。

 何故ならそんな事はエルフから聞いてもいなかったからだ。


「そして、そのどちらも人がエルフの支配から逃れられない宿命そのものでもある! お前には消えてもらう」


 騎士はそう言うと冷たい瞳でメルを捉えるのだった。

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