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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
16章 失われた仲間
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356話 緊急事態

 試練を終え無事王冠を手に入れたメル達。

 だが、レライへと戻ると街に入れないと言われてしまった。

 どうやら、メル達は王族としてこの地に舞い戻りレライへと争いを持ち込んだと思われているとのことだった。

 メル達は事情を話すと、門兵は焦り出し街へと迎え入れてくれたのだった。

 果たして何が起きているのだろうか?

 メル達は詰め所で待っている中、今の状況を考える。

 誰がメル達をハメたのだろうか? いや、この場合、メル達を貶めたという訳ではないだろう。


「今の国に不満のある人が、俺達を使ったって事か……」


 リアスはそう言うと溜息をついた。


「こんな平和な国でも不満は出るのか……」

「仕方ないよ、元々は森族(フォーレ)の国だったんだから」


 メルはそう答えるも……平和だった街を見ている事で疑問はぬぐえなかった。

 確かにメルの母の国だった。

 つまり、メルもまた姫と言っても良いだろう……国が残ってさえいれば……。


 そして、その国の血を引くものは少なからずいるはずだ。

 王族としての地位を剥奪された誰かが国を復活させようと企んでいた。


「だから、私達を……」

「でも、それじゃおかしくないかしら?」


 メルはライノの言葉に首を傾げた。


「国を復活させたい、そして、王の血を引いている……ならあの試練が受けられるんじゃないかしら?」

「確かにそうだな、でもなんでそれをしなかった?」


 リアスの言葉に考え込む一行。

 しかし、メルはその答えをふと思いついた。

 簡単な事だ。

 ロクが何をしていたか……そして、あの門兵が何を言ったかだ。


「もしかして、試練を受けれなかった? 私達は国を復活させることが目的じゃなかった……そして、シバさんにそう提案された」

「……じゃぁシバが国を復活させようとしてんのかもな」


 シュレムの言葉にメルは首を横に振った。


「もしそうなら、シバさんの名前をロク爺に伝えた時に追い出されてるよ! それに最後に何処に試練の洞窟があるかなんて言わない」


 メルはそこまで言うと深呼吸をし……。


「だから、王冠を狙った人はロク爺たちの信頼が無い人……それかそもそも試練を受ける資格が無い人だと思う」


 メルがそこまで言うと扉が開き、シバが姿を見せた。


「お嬢ちゃん!!」


 血相を変えて入って来た老人はメルと仲間達を見回すとほっと息をついた。


「シバさん……!」


 メルは彼の名を呼ぶ、すると彼は複雑そうな表情を浮かべた。


「ロクの奴は……本当に」

「はい……」


 ロクの名前を出されると複雑な気分になるメル。

 しかし、それを口にしたとしてももう彼は戻ってこない。

 今は悲しんでいる時ではない、彼が守ろうとしたものを守ろう、そしてエスイルを助けなければらないとメルは考え……。


「でも、これは取って来ました……」


 王冠の入った布袋をシバへと見せると布袋に入っている物が何かを察したシバは頷いた。

 そんな彼に対し、シュレムは溜息をつく……。


「おい爺さん! 早く街の中へ入れろよ!!」

「無茶を言うな、なぁ……ワシは王じゃないんだぞ」


 彼女の訴えにシバは呆れた声を出した。


「ここに来るのだけでも無理を言って来たんだ、なぁ!」

「そう言えば、アンタは国の騎士でもないよな? じゃぁ他に来るって事か?」


 リアスの問いに彼は頷く。


「ワシはロクの事を聞いてなぁ……アイツは良い喧嘩仲間だった……なぁ」


 悲しそうに呟くシバ……彼のその顔を見ると一行は暗い顔をする。

 しかし……。


「だが、いったい誰が、なぁ?」

「さっき話してたんだけど、私と同じ血筋の人か、それともこの国に不満がある人か……」


 メルがそう言うとシバは首を傾げる。

 どうしたのだろうか?


「不満、不満か……確かに攻められた直後は不満を持った者が居る、事実そう言った奴は反乱者とされたがなぁ、地方へと飛ばされただけだ、なぁ」


 彼はそう言うとメルの持つ布袋へと目を向け……。


「ロクの奴もそうだったが、王は民を見捨てるようなものではなかった、なぁ」

「じゃぁ不満を持ってるやつは居ないって事か!」


 シュレムの言葉に大きなため息をつく一行とシバ。

 確かにそう聞こえはするが……。


「不満を持ってる人は居るわよ」

「だって今!」


 ライノの言葉に反論するシュレムだったが……。


「いくら見捨てなくとも責められたのはワシらだ、なぁ……一度平和を壊されて不満を持たない奴が居るのか? なぁ……飛ばされた連中は実際に口にし行動した奴らだ、なぁ!」

「でも、それでも王様は見捨てなかった」


 メルの続く言葉にシバは頷く……。


「そうだ、だから今を壊そうなんて奴は此処には居ないはずだ、なぁ……だが、王家の血筋と言うのも……」

「どうした? 何かあるのか?」


 リアスが彼に尋ねると彼は……唸り声をあげる。


「お嬢ちゃんは一人だったが、王には兄弟が居た……確かに血筋の者はお嬢ちゃん以外にもいるだろう、なぁ……だが、今まで国に手を出してこなかったものがなぜ今になって……」


 疑問が残るという所だろう、悩む彼だったが……それは扉を開けてきた一人の兵により遮られた。


「メアルリース様、どうぞ、街にお入りください……王がお呼びです」


 王に呼び出されたメル達は立ち上がり……。


「じゃぁ、行こう!」


 たがいに瞳を合わせると街の中へと向かう。

 街の中では民達に不審がられながらも視線に耐え……城へと向かうのだった。

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