プロローグ16
帰りを待つメルは何故宝石を置いて行ったのかを疑問に思っていた。
それは精霊との絆を表す大事なものだ。
不安に思う彼女の元にエルフが現れ……不穏な言葉を告げて消えていくのだった。
「まだ、かなぁ……」
メルはエルフの去った部屋の中そわそわとしている。
理由はリアスの帰りだ。
だが、彼が出て行ってからそれほど時間は経っていない。
すぐに戻って来る事は無いだろう。
そうは分かっていても、扉の開く音……いや、足音を聞き耳と尻尾を立てる。
しかし、それがエスイル達でない事に気が付くと尻尾を垂らした。
「あら、メルちゃん?」
扉を開けて入ってきたのはライノだ。
「おかえりなさい」
メルはがっかりしているのがばれてしまわないか内心心配しつつ笑みを浮かべる。
するとライノと一緒に居たシバは――。
「すまんの、あの少年じゃなくて、なぁ!」
と笑う。
メルは慌てて両手を振り、そんな事は無いと示すが……。
「分ってるわ、心配なのよね?」
ライノは笑みを浮かべた。
「はい……」
メルは申し訳なさそうに頷くと、彼はうんうんと首を縦に振る。
「でも大丈夫よ? リアスちゃんが一緒なんだから」
彼の言葉はメルを落ち着かせるものだった。
その言葉を聞きメルはほっとしつつも不安を感じていた。
でも、何で宝石が残ってたの? それにさっきのエルフの言葉。
神子は見つかった……グラネージュの宝石は元々世界を壊すための物。
作る精霊と壊す精霊……残っていた宝石、普段と違うエスイル。
偶然かもしれないけど……不安だよ……。




