プロローグ15
祠の場所は分からずじまいだった。
しかし、そんな時聞こえたのは老人の笑い声。
聞けば彼はその祠の場所を知っているのだという……。
果たしてその情報は得られるのだろうか?
ポリポリポリ……どこか耳障りの良い音を聞きつつメル達は彼の言葉を待つ。
だが、シバと呼ばれた老人はその黄色い何かを食べ続けるだけだった。
「その場所って何処なんだ?」
痺れを切らしたリアスは彼に尋ねると……。
「場所は覚えてるけどなぁ! ……お前さん達、あそこに行って何をするつもりだ? なぁ!」
老人はその眼光を鋭い物へと変える。
そして、ゆっくりと酒を飲み……。
「あれはこの国が変わってから残っている唯一の前王の遺品だ」
だんっ! っと音を立てコップは机の上に置かれ、思わずメルはびくりと身体を震わせた。
「恐らくはそこにある物が目当て何だろう? なぁ! ただの冒険者風情なんかにあれをくれてやる訳にはいかないなぁ!!」
片腕を失った老人とは思えない威圧感。
メルは彼から目を離せずにいた。
しかし……。
「それなら問題はないな」
リアスは一切態度を変える事は無かった。
「メル……どうやら、お前ならその祠から道具は貰えそうだ」
「話聞いてたのか!? なぁ!!」
彼の言葉にメルよりも早く反応した老人。
そんな彼を止めようとしたのだろう、店主は手を伸ばす。
「……ぁ、そっか……」
メルは先程の老人の言葉を思い出し、リアスの言っている事を理解した……。
そう、ただの冒険者には渡せない。
だが、メルはただの冒険者ではないのだ……ましてや彼が口にしていない条件も満たしている事は間違いない。
「あの……全部話します、だから……そこに案内して欲しいんです」
メルはそう確信し、老人シバへと頼むのだった。




