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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
14章 お告げを聞く者
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316話 会えぬ王

 メル達は王に挨拶と情報がないか話をしに行ったのだが……。

 どうやら忙しくまだ会えないようだ。

 もう少ししたら会えると言われてはいたのだが……。

 時間は過ぎていき?

 食事を済ませたメル達はその日の事を相談する。


「それで、このまま王様を待ってるのもどうかなって思うんだ」


 街の事は王に聞いた方が良い、それは確かにあるだろう。

 だが、同時に王は王……今まで簡単に会えた事は運が良かったのだ。

 普通であれば今のように中々時間が取れないと言われても仕方がない。


「だけど、どうするんだ? ここまで来てるんだ……このまま去るのは失礼だろう?」


 リアスは飽きれた顔でメルを見る。

 久しぶりに呆れられた事にショックを受けたメルは耳を更に垂らすがすぐに気を持ち直すと……。


「だから、誰かに残ってもらってて、話は聞いてもらうの。同時に他の人達が酒場とかで聞き込みをする。どうかな?」

「流石メルだな! オレはそれで良いぜ!」


 メルの案に反対する気が無いシュレムは何度もうんうんと頷くとそう答えた。

 するとエスイルは少し考えるそぶりを見せ……。


「なら僕とメルお姉ちゃんは別々の方が良いかな?」


 と口にし、ライノは目を丸める。


「あら、どうして?」


 エスイルはメルに懐いている。

 今まで進んで別々の行動を取るなんて言った事が無い。

 しかし、今回に限ってはそう口にした。

 勿論、ライノはその意味を理解していたし、合理的であり、正しい判断だとも感じていた。


「だって、森族(フォーレ)は僕とメルお姉ちゃんだけだし、アリアは今居ないけどシレーヌとかに連絡を頼む事は出来るよ?」


 正しくは森族(フォーレ)の血を引くのがメルとエスイルだが、そこには誰も突込みは入れず、うんうんと頷く。

 確かに風を司る精霊アリアが居れば、連絡を取るのが早い。

 しかし、他の精霊では無理……という訳でもない。

 街の中であれば水の精霊シレーヌでも連絡を取ることはできるだろう。


「そうだね、私達は分かれて行動しようか?」


 メルはエスイルの案を受け入れるとそう口にし、他の仲間達へと目を向ける。


「皆はどうする?」


 そう尋ねると……。


「私はそうね、シュレムちゃんと一緒の方が良いかしら?」

「お、おう……」


 何処か不安そうな視線で見られたシュレムは思わずたじろぐが反論できないのだろう黙っている。

 すると……。


「なら、俺はメルだな……また無茶をしかねない」

「う……」


 そう言われてはメルにも思い当たる事が多く、鋭利な刃物で刺されたような感覚に陥った。






 メル達は兵士に理由を話し、街へと繰り出す。

 向かう先は情報が行き交うであろう酒場だ。

 だが……そんな中、メルは顔を真っ赤にして外へと出るのだった。

 その理由は……。


 ライノさんは絶対にわざとだ……!


 彼女は隣にいる少年へと目を向ける。

 エスイルの言い分は確かに理解出来た。

 しかし……。


 リ、リアスと一緒なのは嬉しいけど……でも、でも……恥ずかしいよ……。


 そう、メルがそう思う理由。

 シュレムとライノが一緒であり、リアスがメルへと着く……エスイルはメルと別々。

 その時点で気が付くべきだった。

 メルはリアスと二人で行動をすることになり……。

 部屋を出る前のしてやったりとでも言いたげなライノの顔が忘れられない。


「ぅぅぅ……」

「メ、メル?」


 思わずうなり声をあげるメルを心配したのだろう。

 リアスは顔を覗き込んできた。

 するとメルは以前の事を思い出し、驚いたのだろう一歩後ろへと下がると……。


「な、何でもないよ! さっ! さ、さささ酒場に行こう?」


 焦りつつもそう口にした彼女は前を歩きだす。


「ま、待ってくれメル!」


 しかし、すぐにリアスが彼女の手を掴みそれを阻止する。

 するとメルはますます赤くなり……。


「~~~~~~っ!!」


 声にならない声を上げる。


「行こうってメル……酒場の場所を知ってるのか? 知ってても安全に着けるのか? アリアも居ないのに……」

「ぅぅ……」


 心配する声に再び唸り声をあげた少女は尻尾を丸めようとした。

 だが、何故か尻尾左右に揺れており……。


「何か嬉しい事でもあったのか?」


 リアスに見られ、顔を赤く染めた少女は再び悶える事になる。

 すると、その一部始終を見ていた人々は――。


「あらあら、微笑ましいわね」

「ああ、アタシにもあんな時があったもんだよ」


 と話しながらその場を去って行く。

 リアスには聞こえないような声だっただろうが、メルには聞こえており……。


 ぅぅ……なんで尻尾勝手に動くの? それにわざわざ口にしていくことないのに!


 と心の中で叫び声をあげる。

 当然その間は動かないメル、彼女を心配したリアスはいつの間にか前へと回り。


「大丈夫か?」


 その優しげな瞳を間近で見るとメルは呼吸が止まりそうになる。


「ぁ…………ぅ、うん」


 何とかそれだけを答えると彼は訝しげな表情を作り、メルの額へと手を当て……。


「熱はないようだな」

「~~~~~~~~~っ!?」


 だが、メルにとってはそれは逆効果であるのは彼は……知らない事だった。

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