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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
14章 お告げを聞く者
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304話 孤児院へ

 孤児院へと向かう前に王に別れを告げに向かったメル達。

 そこで王は新たな情報はないという。

 落胆するメル達だったが、リアスの提案でもしもの時のために肥やしを持っていくことを王へと告げる。

 彼はそれを用意させると言ってくれたのだが?

 メル達は王へと礼を告げた後、孤児院へと向かうべく街の中を歩く……。

 肥やしのせいかメルは口元に大きな布を巻いていた。

 それでも匂いに敏感な彼女は顔をゆがめている。


「王様から教わった場所はどの位でつくんだ?」


 そんな中、シュレムはそう疑問を投げかけてくる。

 するとリアスは地図を開き……。


「レライがここだ、それで……港からは正反対……つまり、こっちに進む」


 片手で地図を持ち、もう片方の手を使い指でなぞる。

 そして……ある位置でとんとんと地図を叩いた。


「ここだな」

「大体歩いて、二日って所かな? 食料とかは補充していこう?」


 メルはそれを見て、かかるであろう日数を予測し仲間達にそう提案する。

 仲間達もまた彼女の言葉に異論はなく頷き……。


「そうね、そうしましょう」


 一行はその足で買い物へと向かうのだった。






 買い物を済ませた一行は孤児院へと向かう為に歩き始めていた。

 街を抜け、外へと出るとメルはそこがいつもとは違う場所だと意識する。

 何よりも空気が違うのだ……。

 彼女はその事をしっかりと感じ、空を仰ぐ……。


 空は変わらないんだね……。


 何処までも続く青い空。

 それはリラーグで見上げていた空と同じ色だ。

 メルはそう思いつつもはるか遠くを見つめ……。


「行こうか……」


 仲間達へと再び声をかける。

 目的は精霊の道具を集める事……話、そして手元にある道具から察するにそこにあるのはドリアードの加護がある道具だろう……。


 それが揃えば……シレーヌのアクアリム、アリアの精霊の首飾り、フアルの宝石……そして、リアスの剣はフラニスの加護があるはず。

 これで、全部!!

 それで、皆だけじゃない、世界だって……大変だけどそれでもやらなくちゃいけないんだ!


 メルにはもうすでに迷いはなく……ただ真っ直ぐに前を見つめる。

 少女はかつては冒険者に両親に憧れ……今は自分の意志を貫こうとしていた。

 果たして、彼女の選択は……何を起こすのだろうか?

 そして、そんな彼女の意志は仲間にも伝わったのか? それは分からなかったが……。

 彼らもまた、前をしっかりと見据え、歩いてい行くのだった……。


 辺りには緑が広がり、本当にこの先に不作の大地があるのかと疑いたくなるような景色だ。

 だが、それは事実であり、メルの母の故郷が奪われた原因でもある。


 だからこそ、そんな事でもう苦しむ人が出ない様に……絶対に犠牲は出さない様にしないと!!


「あまり気を負うなよ?」


 リアスはメルへとそう告げる。

 メルは一瞬目を丸めるのだが……彼の優しさに笑みを漏らし……。


「うん!」


 と答えるのだった。


「くそ、メルはオレの嫁なのに……」

「だからシュレムお姉ちゃんも女の子だってば……」


 そんな二人のやり取りを見ていたシュレムの言葉にエスイルは苦笑いを浮かべる。

 たった数日、ただそれだけの事ではあったが、懐かしいやり取りに感じたメルは笑みを浮かべる。

 いや、メルだけではない、他の仲間達もまた笑みを浮かべていた。


 いつも通りのやり取りをした後、メル達は歩みを進める。

 ちゃんと道を歩いているためか、まだ魔物には合っていないがそれも長くは続かないだろう。

 いずれ出てくる魔物に対し警戒をしなくてはならない。

 そう考えつつ、メル達は歩く……。


「ところで……シュレム」


 そんな中メルはふと気になる事を思い出し、彼女の名前を呼ぶ。

 するとシュレムは嬉しそうに笑みを浮かべ、メルの傍へと駆け寄ってきた。


「なんだ?」

「その盾、前のより良くないって言ってたけど……大丈夫?」


 流石にアダマンタイトを使った道具は作れないだろう、そう思ってはいたが、それなりの物は出来るとも考えていた。

 だが、シュレムが合流した時に口にした言葉……前のより良くないという一言がメルには気がかりだったのだ。

 もし、本当にそうであれば彼女に無理はさせられない。

 本来の使い方である身を守る事には影響はないはずだが、武器としては好ましくないかもしれないからだ。


「ああ……それか」


 だが、メルのそんな不安を知ってか知らずか本人はぽりぽりと頬をかき……。


「多分大丈夫だろう! 多分!」

「多分って……」


 不安の残る言葉をリアスは思わずくりかえして口にする。

 するとシュレムは眉をひそめ……。


「仕方がないだろ! 本当に多分何だからな! 実際作ってもらってなにも試さずに来てるんだ! 多分としか言えないぞ!」

「そ、そうだよね? 急いでくれたんだもん……」


 メルはそう言いつつも不安が残り……。


 大丈夫かな? もし怪我でもしたら……今なら私の魔法はあると言えばあるけど……。

 それでも死人を生き返らせるなんて出来ないんだし……無茶をされるのはやっぱり危ないよ。


「ええっとシュレム? それに皆も」


 メルは耳を立て尻尾を大きく揺らすと真剣な表情を浮かべる。

 彼女に呼ばれた仲間達は彼女の方へと顔を向け、言葉を待っていた。


「絶対に危ない事はしない事、私の魔法でも死人は生き返らせられないよ?」


 と告げると……。


「一番無理をしがちなのはメルちゃんよね?」

「ぅぅ!?」


 ライノにそんな突込みを入れられメルは思わず呻き声の様な声を出した。

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