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私の夢は冒険者だったのにっ!!  作者: ウニア・キサラギ
14章 お告げを聞く者
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303話 王の情報

 ナタリアが作った転移陣。

 それは光を発し、それと共に彼女は消えた。

 そして、代わりに姿を現したのはシュレムだった……。

 彼女は真新しい武器を携え、メル達の元へと戻ってきたのだ。

 

 城へと辿り着いたメル達。

 彼女達はその足で王の元へと行こうと思ったが、相手は国の王、勿論暇ではない。


「すぐにこちらに……」


 再びあの部屋へと案内をされてメル達。

 メルはすぐに出て行こうかとも考えたが、流石に挨拶もなく出て行くのは失礼だと感じ、その場で待つことにした。


「さっさと行かないのか?」


 だが、たった今辿り着いたシュレムは外に行きたいようでうずうずとしている。

 そんなシュレムに対しメルは微笑むと……。


「うん、此処の王様にはお世話になったしお礼も言わないとね?」


 そう言うとシュレムは黙り込み、頷く。


「それにしても流石に昨日の今日じゃ情報も集まってないだろうな」

「うん、やっぱりその孤児院に行くしかないのかな……?」


 リアスとエスイルは困り顔を浮かべる。

 やはり二人共もし道具があった時、それを失った孤児院の事が気がかりなのだろう……。

 またライノも頷いた事から気持ちは一緒だ。

 メルも全く気にならないか? と言われたらそうではない。

 だが、それでも……。


「行ってみないと分からないよ、何もしないで……もしそれで世界が滅ぶとしたら……私達はきっと後悔する。勿論、何かあった時孤児院もそこに住む人達も放って置く事はしないよ」


 もし、もし……そうだったのなら、道具を失った事で影響が出る前にリラーグとレライに連絡をすれば、きっと対処できるはず。

 ママ達に頼る事になるけど、これには文句は言えないよね?


 嘗て母達が英雄であるが為、許されるとまで言われていたメル。

 旅立つきっかけになったそれは初めて聞いた時はショックに思った。

 だが、確かに大数少なかれ特別扱いは受けていた。

 だからこそ、母達の手は極力借りたくはなかったが、今回の事は自分達で同行できる問題ではない。

 そう、思っていた……。


「ただ、土地が完全に枯れたって訳じゃないのよね?」

「え……うん……作物が育つって事はドリアードが居るから、育ちにくいだけなら環境さえ整えれば……でも、それが魔法によるものだったら……一時的な物かもしれないし……」


 ライノの言葉にメルは腕を組み唇に手を当て考える。


 完全に枯れてる場所に道具を置いたとして、それで魔法の影響でドリアードを集める。

 そう考えるとドリアードの家はその道具になるから……その地に定着するのは難しいとは思う。

 だけど、もし、それが広がっているなら……。


「ちょっと考えていたのだけど、もし、その土地が枯れてないなら方法はある……かもしれないわ」

「……へ?」


 それは予想外の言葉。

 メルが考えていたのはリラーグなどによる支援を送ってもらう事だ。

 だが、土地が枯れてないのなら方法があるというライノの言葉が記すものは恐らく……。


「つまり、土地をどうにかするって言うのか? そりゃ時間をかければ出来ない事は無いだろうけど芋ぐらいしか……」

「ええ、普通はね、ただ土に栄養が無いから枯れるのであって栄養さえ手に入れられればどうにかなるんじゃないかしら?」


 そうか……確かに、それが出来れば……。


「ライノさんそういうお薬って作れないんですか?」


 メルが訪ねるとライノは首を傾げ、困り顔を浮かべた。

 それもそうだろう……。


「薬師の薬は人や動物に作用するものよ? だけど別の職の人から確かにそう言ったものがあるのは聞いた事があるわでも……」


 ライノはやや言いにくそうに笑みを浮かべた。

 その理由を知っているのだろうリアスは……。


「方法が無いわけじゃない、が……運ぶのは大変だぞ? もしこぼしたりしたら……特に……な……」


 何故か遠い目をしリアスは明後日の方向へと向く。

 メルはそんな彼の態度を疑問に思うが……。


「どうしたの? だって、ユーリママの魔法で畑じゃなかった場所も畑に出来たし……でも、効果は長く続かないから……魔法じゃないなら試した方が良いと思うよ?」


 昔を思い出していたメルはそう告げる。

 するとシュレムもうんうんと頷き……。


「あの時の野菜は食べれない事は無かったけどまずかったからなぁ……本当」


 彼女もまた昔を思い出しているのだろう……。


「わかった、じゃぁ……適当な農家に行こう、多分あるはずだ」

「そうね、孤児院もあるとは思うけどすぐに負けるとは限らないのだしね?」


 二人の言葉に疑問に思うメル達何故そこまで嫌そうな顔をするのだろうか?


「えっと、すぐに用意しておくのは良いけど、先ずはどの程度ドリアード達が離れるか調べてからでも遅くはないよ? 運ぶのが大変ならママ達に頼むよ?」


 それに今から王様も来るんだから、頼んでみる事は良いと思う……。

 同じ大陸の人なんだし、あの王様ならきっと私の頼みが間違ってなければ助けてくれるはずだもんね。


 メルがそう思い浮かべた時、ゆっくりと扉は空き……。


「すまないな、待たせてしまった……おや、あの娘さんは何処に?」


 王はナタリアが居ない事に気が付くと、訪ねてくるがすぐにシュレムの姿を見て笑みを浮かべ会釈をする。


「初めましてだな」

「おう! じゃなかった……初めまして……」


 シュレムの一言に一瞬冷っとした一行だったが、意外にも礼儀正しく言い直した彼女にホッとしつつ恐る恐る王の様子をうかがう。


「元気な子だ、子供は元気なぐらいがちょうどいい……それで一人足りない様だが?」

「ナタリアは用事があって戻りました……それで、シュレムも来たのでそろそろ旅立とうかと思ったんですが……情報は集まってますでしょうか?」


 メルは一応聞いておかねばと尋ねると王は申し訳なさそうな顔を浮かべ……。


「集まっていればよかったのだが、やはり調べた所怪しいのはその孤児院ぐらいだな」

「なら、頼みがある……肥しを用意しておいてくれないか? 実物で支援をするよりは遥かに楽だとは思うんだ」


 リアスはすかさずそう言い、メルは疑問を浮かべる。


「肥しって……そんなに重要なの?」

「ええ、大事な物よ」


 ライノは笑みを浮かべ答える。


「肥し、か……なるほど、分かった用意をさせよう」


 そして、王は快く頼みを受けてくれたのだった。

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